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79 いつかの聖女の叫び

 



 何なの、私が何したってーの?

 ねぇ神様。何かの罰だって言うなら、どんなアクドイことしたらこうなんのか、目の前出てきて教えろっつーの。


「やってらんねーんだわ」


 閉じ込められた部屋の中で、どんだけ喚いたって罵ったって、誰にも何にも届かないって分かってる。

 散々、大声出した後だしね。これまでだって、アレコレ試してみたけど、どうにもならなかったし。

 でもさ、喚きたくもなるっての。






 私は山中千秋、横浜出身ピチピチの15歳。女子中学生だもん、ピチピチでしょ?

 あれはもう一週間も前になるんだけどさ。

 部活の帰り道で。お腹空いたし、暗くなってきたから、結構飛ばしてたと思う。あ、チャリね、チャリ。

 んで、家の近くの曲がり角をちょっと速度落として曲がったら、何かにぶつかったんだよね。

 なんか壁みたいにデカい何かに、ゴンって。

 もうさ、衝撃で首痛くなったし、自転車から転げ落ちて膝を打ったよ。


「イテテ」


 ぶつかった何かをよく見たら、ゴミ集積所にムリヤリ大型ゴミを出したのか、タンスが置いてあって。

 そりゃこんな飛び出てたらぶつかるっての。超迷惑。


 スカートのホコリを払いながら立ち上がろうとしたら、アスファルトになんか金色に光る線が走って。

 え?ってその線を目で追えば、金色の線は大きな丸を描いて。その内側に、


 聖なる魔力を多大に持つ者

 健康な体を持ち子を多く成せる者


 って文字が現れた。

 道路に浮かび上がる金色の線は、文字を描いた後、細かな模様を描き出して。

 何、これ。アニメで見るやつじゃん。


「ま、魔法陣とかマジで?」


 って口から言葉が転がり落ちた時に、丸全体が、ビックリする程眩しく光って、目をギュッて閉じたんだ。

 で、もう大丈夫かなって目を開けたら、この世界に居た。





 って言うか、最初は何が起きたか分かんないよね。

 なんかゲームで出てくる神殿風の、太くて白い柱が何本も並んでる、天井が超高い部屋ってか空間?に自分が突然いたら、そりゃパニックにもなるでしょーよ。


「ないわー」


 キョロキョロと周りを見渡して、こっちを見てる人がいたら、声掛けるよね?だって、こっち見てるんだから。


「ここ、どこですか?えっと、言葉通じます?すみません、わかりますか?」


 なんでだか驚いた顔で立っている、白い服のおじいちゃん達に、声を掛けてみる。


「あれ、言葉通じないとかアリ?」


「gyusrt awuio qejim vioerds」


 マジだ。マジで言葉通じないヤツだ。

 え、どうしろって言うの?何言ってっか全然分かんないじゃん。


「sacyer qejim du hyundol nocaz」


 首を振るしか出来ないんですけど。だって、1音もわかんない。英語じゃないし、聞いたことのない国のヤツっぽいんだけど、どーしたら?




 誰か、たーすーけーてー



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