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False;World  作者: 川犬
27/32

○●の世界-7

●●●●●


 気がついたら、僕はモノクロの廊下を歩いていた。いや、正確には僕じゃない。

 じゃあ、誰だろう。

「それにしても、この世界は腹が減らないから便利っちゃ、便利だな」

 この声に聞き覚えはある。でも、思い出せない。

 誰だっけ?

 とりあえず、その人を仮にGとしよう。

 Gの周囲には誰もいなかった。左右両サイドは壁、もしくは扉でさっきから一本道だ。

 Gはちらりと教室側を見る。そこには音楽室と書かれている札が取り付けられていた。

「……」

 さっきの一言以降、Gは何も喋らなかった。もくもくと、ただもくもくと歩みを続ける。

 たまに、教室の中を見たりしているから、たぶん誰かいないか探しているところなんだろうね。

 10分ぐらい歩いた後、Gはあくびをした。 

 それから、

「神治は……今頃何をしてるんだろう」


 僕の心は静止した。


 なんで、この人……いや、Gは僕の名前を知ってるんだ? 知り合いだったっけ。

 知り合い? 知り合いだったっけ?

 僕が必死になって、脳内をグルグルと冒険しているけど、どうしても、Gに関する記憶は見つからなかった。でも、何だろう。

 なんだろう。この気持は。

 分からない。わからないけど、でもなんか胸が痛む。

 僕の記憶には、Gはいないはずだ。

 でも、なぜか僕はGを知っている。

 ……ってさっきから、自問ばっかりだね僕。少し自重しよう。

 暫くGが歩いていると、曲がり角が見えた。Gは曲がろうとしたけど、動きをピタッと止めた。

 曲がり角の向こうが明るい。淡い青色のやさしい光。

 Gは息を殺して、慎重に忍び足で前進する。

 そして、曲がり角に到着し、そろーっと角の向こう側を見た。

 そこには。

 そこには、人がいた。

「お、お前は……誰だ」

 衣装は、まるで死神の様。顔はフードを被っていて、よく見えなかった。

 その人は、ゆっくりとGの方を向く。でも、やっぱり顔は見えなかった。

「教えないよ」

 冷徹な否定だった。声は金属音のような……死神のような声だった。

「……まあお前が誰かってのは、この際置いておくとして、だ。いくつか質問していいか?」

「…………」

「その沈黙を肯定とみなした。じゃあ、質問するぞ」

 ひとつ間を開けて、

「お前は、この世界を創ったのか?」

「…………」

「俺はお前に会ったことはあるか?」

「…………」

「なんでこの世界は創られた?」

「……ごめんね」

 その人は、唐突に謝り、それから、

「この世界は私が創ったよ。理由は――」

 その人は右手を真横にまっすぐかざした。その手から、何かが生成される。

 鎌だった。

「――由愛がそれを望んだから」

 鎌は振りかざされた。


●●●●●


G:どうもGでーっす

神治:何の略称だよ……

G:神治が命名したんだろ。何の略称かなんて、こっちが聞きたい


咲:んー……あ~! もしかして、ごきぶ

神治:そこまでだッ! 咲ッ!

咲:むぐぅぅぅぅうううう~!

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