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False;World  作者: 川犬
25/32

○●の世界-5

クリスマスなので、今日だけ特別に更新しました。

メリークリスマス!

※受験が終わってから本格的に再開します。

 放課後。

 天候はなんだか曇ってきており、昨日みたいに雨が降りそうな状態だった。

 まあ昨日は雨が降ったんだけどね。でも僕はパソコン部の活動に勤しんでいたから、雨を回避できた。

「それじゃあ、しんちゃんまたねー」

「うん。先に部活終わったら、いつも通り校門で待っててね」

「うんわかったー」

 僕は、教室から僕に向かって楽しそうに手をふるふると振りながら出ていく咲に手を振り返していたところだった。

 咲が見えなくなったところで、僕もパソコン室へ行くために、今日出された課題を机の中から取り出し、バッグの中にしまった。

「よいしょ」

 そのバッグを僕は背負って、そして歩み出す。

 うーん……どうすれば、こころ先輩からの攻撃を避けることができるか……。僕は、今日こそは避けたいと思う。

 いつものパターンなら僕がパソコン室に入ったところを見計らって、襲い掛かってくるはず。

 ……なら、ドアを開けたところで、もう一回閉めればいいだけの話! これで、絶対回避できるよね。どっかのアニメで見た。

 と、こころ先輩対策をしながら、とある席を横切ろうとして、僕は歩みをやめた。

 歩みをやめた。

 なんで?

 その席はいつも誰も座っていない空白の席だ。誰の席かもわからない。

 じゃあ誰の?

 ……残念ながら思い出せない。思い出そうとしてもどうしても無理だった。

 とにもかくにも、僕はその席の机の中を調べようと思った。

 なんでかってそりゃ、この席は一体誰の席かというのを確かめたかったからだよ。机の中にノートか何か入っていれば、そこにその人の名前が書いてあるかもしれない。

 僕はバッグを器用に肩に乗せたまま、机の中に手を突っ込んだ。

「ん?」

 ガサゴソ……って音が聞こえてきて、机の中は資料だらけでしたってオチかと思ったら、違った。

 机の中には一枚の手紙らしきものが入っていた。

 丁寧に保管していたのかシワひとつない。

 表面上は何も書いてなかった。

「…………」

 な、中身を見てみたい。すっごい見てみたい。マヤ文明の予言が当たっちゃうぐらい見てみたい……! ってどんな例えだそれ。

「忘れ物ーっと、あれ、しんちゃんー?」

「うわわっ」

 僕は大慌てで、手紙をポケットに仕舞った。

 そして、声が聞こえた方を見ると咲がダンス部のユニフォームを着用している姿で、ドアを掴みながらこっちを見ているところだった。

 ば、ばれてないよね……? うん、きっとバレてない。

「さ、咲どうしたの?」

「ふぇ? あ、えっと、忘れ物を取りに来たんだよー。しんちゃんはまだ行ってなかったのー?」

「あ、あぁうん。ほら、今から行くところ」

 バッグ持ってますよアピール。

 咲はそれを見ながら、

「そうなんだー」

「うん。じゃあ、また」

「こころちゃんと山を超えてきてねー!」

「何を言ってるんだ……」

 僕は咲にもう一度手を振りながら、今度は僕が教室を出ていった。

 ちょうど、雷がゴロゴロ鳴ったところだった。

 なんとなくだけど、僕は何か違和感を感じていた。


 パソコン室の目の前に僕はいる。

 さっき、思い描いていた僕のマル秘作戦をこころ先輩に実行すべく、僕はまず呼吸を整える。

 深呼吸。深呼吸。

「……よし」

 僕は、勢い良くドアを開けて、そして――

 バァァァンッ

 ――閉めた。

 これで、こころ先輩はドアに激突して、僕は大勝利なはず!

 でも、何時まで経ってもこころ先輩らしき人がドアに激突する音は聞こえてこなかった。

「あれ?」

 僕は、とりあえずゆっくりとドアを開けてみる。あくまで、そろーっとだ。だって、待ち構えてたら避けられなくなってしまうじゃないか。

「……」

 ドアの向こう側に、こころ先輩はいなかった。

 なんだ……いないじゃないか。今日はこころ先輩休みみたいだ。

 そうため息をつきながら、僕はほっとしてパソコン室の中に入ろうとすると、

「ふぅう~」

「ぎゃあああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああ!!」

 今までで一番大きな悲鳴を上げた。死ぬかと思った。やばかった。いろいろとやばかった。

 僕はクルッと反転する。

 こころ先輩はどうやら、後ろにいたようだ……。

 と、僕が振り返った瞬間、甘い香りが僕を包み込んで、

「むぎゅうううう~」

「グァアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアア!!」

 こころ先輩に抱きしめられながら、なでなでされていた。


 これは、……恐怖でしか無い!


「や、やめれくだっさいこころ先輩ッ!」

「え~? なんで~? い~じゃない~。別に減るもんじゃないし~」

「減ります! 減りますよ! 僕の寿命ッ!!」

 僕はこころ先輩を突き放すように手でこころ先輩の体を押して、

 むにゅ

 時が止まった。何をやらかしたかって? ご想像にお任せします。

「あら~? ふふふ、大胆ね~」

 僕は、思わず高速で後退りした。

「こころ先輩違うんです! わざとじゃなくてッ! こ、これには深いわけがッ!!」

「可愛い~!」

「……はぁ」

 こころ先輩は満面の笑みでまるで犬を撫でるように僕の頭をわしゃわしゃと撫でていた。

 とりあえず、本題に入る。

「……で、こころ先輩」

「ん~?」

「どうやって僕がトラップを仕掛けることを見破ったんですか」

 いつもなら、パソコン室の中にいて、僕がドアを開けた瞬間を見計らって、襲ってくるのに、今回はパソコン室の外で、僕を襲ってきた。不意打ち。

「何のこと~? 私は、生徒会長といちゃいちゃして戻ってきたところよ~?」

 …………ん!?

 つまり、話をまとめるとこうだ。

 こころ先輩は僕の悪事を見ぬいたんじゃなくて、ただ単に別の用事があって、パソコン室に到着するのが遅れただけ。

 タイミングの問題だった。

「あー……そうなんですか。いや、じゃあなんでもないです」

「ふふふ、じゃあさっきの続きを」

「やりませんよッ」

 僕は持ち前のスルースキルを発動して、自分のPCのところで座った。

 そして僕は誓った。

 次は、こころ先輩の襲撃を避けてやる、と!

咲:メリークリスマスだよーしんちゃん

僕:ん? ああ、メリークリスマス

咲:という訳で、宝くじを買ってみたよー!

僕:当たるといいね


悟朗:マニーアタリマス、だな


咲:……悟朗くん

僕:……悟朗


悟朗:今のはなかったことにしてくれ!

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