6 君と生きていく
「朝だよ。起きて、ユノ」
ヘルストは隣でしどけなく眠る新妻に声をかけた。
テントの中は薄い生地を通して薄く光が入り込み始めている。外で一晩を明かすための簡易的なテントだが、ボタンを押せば布地の一部が透明に変わって窓のようになり、室内から外の景色を見ることができた。
二人は現在新婚旅行中だ。ヘルストたちの時代よりも遥かに発展した科学技術によって、現在は広大なる宇宙を旅することも可能になっている。
しかしヘルストたちは、宇宙旅行はまたあとでのお楽しみとして取っておくことにして、まずは、自分たちが人生をかけて守りきった、現在の地球の様子を見て回りたかった。
朝日が昇り、窓からは優しく温かな光が差し込み始めている。
ヘルストは太陽が昇る光景が好きだ。夜が明けて、すべてが許されたような気持ちになれる。
「おはようございます、教授……」
ヘルストの声に気づいた女神様が目を覚ます。
目を覚ましたユノは、お互い薄着のままだったので恥ずかしがり、少しはにかんだような笑顔を向けてくるが、彼女のどんな姿も表情も、すべてが可愛くて愛おしい。
結婚してまだ日も浅いためか、ユノのヘルストに対する敬語も、「教授」呼びも全く直っていないが、ゆっくりでいい。
――新しいこの世界で、俺は君と生きていく。
終




