第79話 模擬戦
「レイ先生、ミア連れてきましたよー」
「ん、ク、クレイ。」
やけにビビるレイ先生だったが、俺はそんなのは気にせずに話を続ける。
「最近、ミア不登校でしたよね。」
「ん、ああ。」
「もしかして退学ですか。」
「いや、分からない。もしよかったらクレイと一緒にすればどうだ。」
「どういうことですか」
「だから、クレイお前と一緒だ。来れる日だけ来て無理な日は来ない。」
「そういうことですか。分かりました」
「え、なに。どういうこと」
「だから、ここ魔法学校に来れる日だけ来て、無理な日は来ないって方法はどうだってきいてるんだが」
「え、別にいいよ。けど学校に聞かなくていいの」
「あっ、、、、レイ先生。」
「ちょっと待ってろ。確認してくる」
「はい。分かりました。」
レイ先生はそう言うと、急いで校舎の中へ駆け込んでいった。
「と言うことだ。ミアはそれで大丈夫か」
「大丈夫だよ」
「ねえねえ、さっきの人だれ」
ユキがそう言って俺の服の裾を引っ張るので、
「さっきのはレイ先生。ここの学校の先生だ。」
「そうなんだ、あの人。強い」
一応、魔物なだけあって感が鋭い。普通レイ先生ってのは普通のラインは超えているはずだ。
「そうだなぁ、普通は強いんだろうが、、」
「私達よりは弱い、」
「そうだな、、、」
変にレイ先生が可哀想になってきたのでそこからは黙ることにした。俺がしみじみとそんなことを考えていると、
「お父さん、試合しよ」
「ユキ、けど」
「いいよね、」
「分かった」
恐らくは最近動いてないので、動き回りたくなったのだろう。俺は舞台の上に上がり、構えをとる。するとユキも本気の戦闘モードに入り、お互い準備が整った。
「え、ボクですか。じゃあ、、、始め」
獣特有のしなやかな動きで俺との間合いを瞬時に縮めたユキだったが、俺にもう少しで届く所で、後ろに飛び退いた。
「ガルルルルルル」
ユキはもう完全に戦闘モードで、もう髪も瞳も紅く染まっていた。
「ユキ、行くぞ、」
俺は急加速すると手刀を振りかざす。しかしユキの反応は早く、俺の手刀を器用に躱すとユキは俺の胴体目掛けて貫手を放つ。
「はっ、」
俺はあいているもう片方の手で貫手の威力を逃がすと、右足でユキを蹴り上げた。そして、
「炎弾」
指先から小さな炎の弾を続けざまに数十発放つ。炎弾はユキの体中に当たっては小爆発を起こすと。
「うっ、、、」
空中にいたユキは、その炎をもろに受けてしまい、連続して空中で炎に飲まれた。
「おっと、」
所々服まで焼け焦げてしまったが、俺は空中から落ちてくるユキを抱き止める。
「ごめんな、ユキ。」
俺はそれだけ声をかけると神眼で傷を治す。そして俺の上着をユキに着せると、
「痛かったろ、大丈夫か」
「うん、大丈夫だよ」
俺はそう言うユキの頭を撫でると、レイ先生が戻ってくるのを待った。




