第50話 この町
「ここは治安が悪すぎるな」
「本当だね、こんなの外にいるのと同じだよ」
「けれどボク達にはウィルがいるもの」
「だよね、ウィルは優しいもん」
「ミア、俺は優しいわけじゃないぞ。ただ迷惑な人間を追い払っているだけだ」
俺がそう言うと二人は顔を見合わせて微笑んだ。
「てめいな、なに昼間っから二人も誑かしてんだ。俺にも一つくれや」
「まただよ、ウィル。私が殺っていい」
「いいぞ、ただし殺るなよ」
「分かってるって」
「なにごちゃごちゃほざいてんだ。お、姉ちゃんが相手してくれんか」
男は舌舐めずりをしてミアに近付く。
「では、、、、、、ぐへっ」
「ぐほっ」
「ぐわぁ」
「ウィル、こいつどうする」
「そうだなぁ、、、、、そうだ」
俺は男に近付いていく。
「なあ、死にたくないだろ」
「あ、あべ、、、、」
男は辛うじて頷いた。
「ではこれからお前に問う。ここの状況を教えろ」
「あ、、あべ、、、、わ、、ぁ、、」
「そうか、喋れないか。」
俺は男の頭に手を乗せると男の記憶を読み取っていく。この時男の頭は無理矢理記憶を吸い出されているわけであって当然これが終わると死んでしまう。
「そう言うことか」
「なにか分かったんですか」
「ん、ああ、まず順番に説明していくが、ここは数十年前まではこんなに荒れてはいなかったらしい」
「え、そうだったんですか」
「ああ、それで数十年前ある貴族がここを治めるようになってからこのような状況になったそうだ」
「その貴族はいったい」
「貴族が始めたのはまずここの税を格段にあげたそうだ。それにより民は貧困な者が増えたそうだ。そして次に始めたのが女の奴隷化だったそうだ」
「そ、それは」
「それによりここにいる女は皆、貴族が買い占めていったそうだ」
「その貴族、殺しましょう」
「まてまて、まあ、これだけ情報ご集まったが何故これが摘発されないかだ。」
「そうですね、単純に考えると、、、上層部に協力者がいるか、、もしくはよっぽど優秀な配下がいるのでしょう」
「まあ、そんなところだな」
「はい、」
「そう言えばミアは」
「本当だ、ミアさーん」
「ミア、どこ行ったんだ」
「あ、ミアさんだ」
「本当か、、、ミア、どこ行ってたんだ」
「あ、ごめん。ちょっとなにか通りかかったみたいで」
「そうか、けど、今度からは一人で動くなよ」
「うん」
「そう言えば、ウィルさん。ボク達は今回どこで泊まるんですか」
「そうだなぁ、、、よし、ここでいいか」
俺は近くにあった空き家に入る。
「ウィル、ここは空き家だよ」
「分かってる」
俺は魔法で部屋の中を片付けると、魔法で中の空間を拡張した。ついでに壁などの腐っていた所は魔法で補強して治しておいた。
「ウィル、これっていいの」
「いいんじゃないか。あとこれだな」
俺は外に出て家に認識阻害の結界を重複展開すると、家の扉には俺が創った魔法道具を取り付けた。
「はい、これはこの家に入るための道具だ。なくすなよ」
「分かった」
「分かりました」
「よし、じゃあ当分ここが俺達の拠点だ。それぞれすきな部屋を使ってくれ」
「やった、じゃあ行ってきます」
「ボクも」
二人は急いで階段などを駆け上がり家の中を探索し始めた。
「まあいいや、じゃあ俺は」
部屋に即席で創った家具などを取り付け始めた。




