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四萬~合宿編[橋本竜伍]②~

 俺たち男性グループは合計8人いるので、4人グループを2組みに分けて勝負するらしい。 どうやって最下位を決めるかというと、それぞれの対局で3位と4位になった者同士が対戦することで、ビリケツが決定する――そこまでは、分かったのだが…。


「あのー…、なんで俺たちは地べたに座ってるんですかね…?」


 なぜか男性グループだけは、『全自動卓』ではなく普通のボードみたいなものを地面に置き、それを俺たちで囲っているという絵図だった。


「どうやら、君たち桐竜高校には『全自動卓』は2つしかないようだからね…」


 その2つを女性グループに独占されていることに、俺は質問したつもりだったが、『倉望高校』の代表者が申し訳なさそうな表情を浮かべるので、俺はしぶしぶ承知する――てか、全自動卓があるからウチの高校に決定したのに、この仕打ちはなんだ…。


「ふっ…、お前らはなにも分かっていないようだな…!」


 も、喪男のケント…!


「いいか、見方を変えてみろ。 俺たちは座っていることで、いつもより視線が低くなっているんだ――つまり、彼女らの生足が常に視界に入るということを…!」


「「!?」」


 一同が驚愕した。 まさに目からウロコ…不幸をチャンスに変えようとするその姿勢、『喪男のケント』が『変態』であることがここに決定した――。


 彼の言葉によって、不満の声を上げる者はいなくなり、ようやく麻雀の交流試合が行われる。


 ――結果、俺の惨敗で終わった。 瞬殺されました…。


 国士無双でアガることはもちろん、通常の基本形でアガることすらできなかった俺は、この男性グループで一番弱いことが決定したのだった。 しかも、勝っているはずの『喪男のケント』さんが、終始俺を睨んでいたのがメチャクチャ怖かった…。


「いやー、竜伍くん、めっちゃ弱いなー。 素人まるだしやん」


 一回戦で2位を獲得した関西弁の『虎鉄くん』が、最下位争いの場で俺の手牌をずっと見物してたらしく、まるで麻雀の基本がなっていないことに立言していた。


「普通、『一萬』と『三萬』と『四萬』があったら、優先的に捨てなあかん牌は『一萬』やろ?」


「えっ、なんで…?」


 当たり前のように発言する虎鉄くんだが、なぜそうしなければいけないのか理解できない。 『二萬』がきたら、『一萬』『二萬』『三萬』で1組みが完成するというのに…。


「手牌に『三萬』と『四萬』があるなら、待ち牌は『二萬』と『五萬』の2つになるやろ? その時、『一萬』は使用してるか? してへんやろ。」


「お~! なるほど!」


 つまり『一』と『九』の順子を作る場合は、待ち牌が少なくなってしまうので基本的に手牌に置いとく必要はないって意味か…! 確かに、俺は『国士無双』を意識してるせいで、手牌に『―』と『九』を大事に取っていた――それが、アガるスピードを遅くしているとは知らずに。


 なるほど――まだ、強くなれることを実感した俺は脳裏に『☆ゼロ★』との対戦を思い出す。 次こそは勝つ! と決心した俺だったが、


「それはそうと、最下位の竜伍くんは『罰ゲーム』をやらなあかんなぁ。 がんばってきぃや!」 


 そうだった…。 白い歯を覗かせて笑う虎鉄くんが言うように、俺は誰かのお尻を触らなければならなかった――そして『喪男のケント』さんが、血涙がでそうなほど俺を睨んでいた。



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