四萬~合宿編[橋本竜伍]~
おかしい…、この状況はさすがにおかしいぞ…!
俺たち15人が桐竜高等学校の麻雀の部室へ赴くと、すぐさまグループの振り分けがされた――その結果がこれである。
俺こと橋本竜伍の周りには、長袖の学ランを着た暑苦しい野郎どもに囲まれていた。
なぜだか知らないが、男性と女性のグループで別れることになり、俺以外のメンバーは『倉望高校』の男性しかいなかった――というか『倉望高校』は男子校らしかった。
「えっと…、きみ竜伍くんっていったっけ?」
「は、はい。 そうっす」
周りより一際大きい身長の『倉望高校』の代表者が、他校で一人しかいない俺に話しかけてくる。
「き、きみはいつも、放課後にあの麗しき女性たちと麻雀をしているのかい…?」
「…? はい、そうですけど…」
そう答えると、『倉望高校』の一同は、俺のことを尊敬するような目で見てきた。
「ふっ…そいつは聞き捨てならねぇな…!」
「「お、お前は『喪男のケント』!!」」
突如として割り込んできた声に『倉望高校』の一同が見ると、窓に背中を寄りかけながら腕組みをしている人物がいた――だれ…? てか、通り名がかわいそすぎる…!
「おい、竜伍さんとやらよぉ…俺たちが女性たちと関わりがないことを知っての狼藉かい…?」
「いや…そんなつもりはないですけど…」
「嘘をつけ…! 本当は、麻雀で賭け勝負とかいいながら、いかがわしいことでもしてんだろ!?」
――返す言葉もございません。 …言えない、眼鏡先輩と『ツンツン』をした仲だということを…!
「ふっ、だんまりか…いいだろう。 今から麻雀勝負をして、最下位だった奴は罰ゲームとして――あの女性3人の誰かの『お尻を触る』…異論はないな?」
へっ…? いきなりこの人は、何を言い出すんだ…?
『喪男のケント』さんは、桐竜高等学校の麻雀部員――眼鏡先輩、マリアさん、雀の順に指を指していた。 どうやら、外見だけだと男に見えない雀は、倉望高校の人たちには『女性』として認定されていた…てか、なんでアイツだけ女性グループに混ざってるんだよ!?
「あのー…、なんでそんな罰ゲームをするんですか…?」
「決まっているだろ――お前を最下位にして、彼女らから嫌われ者にするためさ…! ふはっ、ふははははははっ!」
なんという外道…! 自分が上に登れないなら、他人の足を引っ張ってまで道連れにしようという腐った性根――まさに悪魔のようだった。 次の言葉を聞くまでは。
「いいか…? 俺は絶対勝つから、お前ら負けるなよ…? 絶対だぞ?」
…なんだ、その芸人の「押すなよ、押すなよ」のノリは? ……もしかして『喪男のケント』さんは、罰ゲームで仕方なくという合法的な手段により、自分が女性のケツを触りたいだけなのでは…!?




