↓ ↑ページトップへ
表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
PR
11/11

第十話 わたしの声を聞いて①

時は戻り、ファミレスへと向かう二人。


 帰り道、住宅街には、早退したであろうヘロヘロな会社員や、帰宅時間になった学生が歩いている。


 もちろん、信号無視をするものはチラホラいるし、早く帰りたいという気持ちを暴走させた暴走学生チャリもいる。


 私の隣にはミリにゃんがいる。

 そっと手を繋ごうとすると、ミリにゃんから繋いできた。

 学校疲れた〜という会話から始まると思いきや……?


「いや〜カツ丼美味しかったなー」

「せやな〜!ウチは、もう一杯行けたな〜!」

「食べすぎだよ笑!相変わらず食いしん坊なんやから〜!」

 二人でファミレスなんて、何時ぶりだろう。

 そんな事を考えながら、従来の目的を忘れている自分がいる気がした。

 (しゃんとしいーな真凜!ウチがしっかりせな!)


 ファミレスが見えてきた。

 学校から徒歩十五分ほど。

 近くに飲食店がないから仕方がない。

 

 平日の夕方だからか空席だらけだった。

 入口へ着くと、店員さんが元気な声で

「いらっしゃいませ〜!何名様ですか?」

 と聞いてきたので、二人でピースサインを作りながら

「二人です!」

 と仲良く応える。

「お席は、空いてるお席をお使いください。」

 会釈して座席を探す。

 ちょうど、二人席の窓側が空いていたのでそちらへ向かった。

 座って、荷物を置くとミリにゃんが口を開いた。

「真凜、あの二人誘わんかったってことは、ウチに話したい事があるんとちゃう?」

 身体がビクっとしたが、気が付かれないように話し始める。

「ミリにゃは、相変わらず鋭いな〜!実は、話してない事がひとつあんねん」

 注文したパフェが届きミリにゃが食べながら聞く。

「どんなことなん?話してみー」

 なんこれ美味〜!という表情のミリにゃんを見ながら応える。

「アホ二点セットやった時な。声が聞こえてん」

「最近やね〜どんな声やったん?」

 (んーなんて伝えようか…)

「若い女性の声やった。」

「うん」


「殺さないで——」


 ミリにゃんが手を止め、スプーンが落ちた音がした。

 一瞬沈黙した後、ミリにゃんが応える。

「ゲームやろ?そんな事言うNPCなんかおらんやろ!幻聴とちゃう?」

「そうかもしれんな〜!周りみたんやけど、誰もおらんかったんよ」

「そやろ?ほんなら幻聴に違いない!うんうん」

 ……聞き間違いだったのだろうか——。

 

 ミリにゃんが少し震えているような気がした。

「録画機能見るまでは、ウチも信じられなかったんよ」

 ミリにゃんが目に見えて震えている。

「ゆ、幽霊とちゃう?運営なら入れかねんし…」

 震え声で言ってるのも相まって説得力が皆無だ。

「見る?」

「ぜーったい!みないから!」

「そー言うと思って、データは取り出してへんよ笑」

「良かった〜!」

 ミリにゃんは、胸を撫で下ろした。


頼んでいた料理が届き、それぞれ食べ始める。

 ミリにゃんが頼んだのは、期間限定パフェとサラダ、ハンバーグだった。

 なぜかパフェから食べる!と言い出して、店員さんにパフェ先で!と頼んでいた。

 私は、チキンとサラダ、ご飯だ。

 長居しないと思い、ドリンクバーは頼んでいない。


「やっぱ、コスパいいよな〜!あんな血の気が引く話ウチにはいらんからな!まりん!」

「怒っとるな〜笑!コスパいいから、意外と注文しちゃって値段他と変わらんのよね〜」

「それ」

 会話の最中でも、食べる音、切る音がリズム良く奏でられている。


「そういえば……真凜」

「ん?」

 と反応し、食べる手を止める。

「あんた、助信の事好きやろ」

「???」

 図星だった、顔が良いからとか、頭が悪いとかそう言うのがいいのではなくて…。

「行動見れば、誰でもわかるよ!イケメンでアホな助信好きなやつなんて、真凜しかおらんやん!」

「アホは、余計やい笑」

「まあまあ、いい事でもあるもんな〜!」

「と言うと?」

「気を使わんでええ!」

「たしかに……?」

「どんな所が好きなん?」

「いや〜んー……」

 少し考えながら…

 (仲間想いで、アホやのに運動神経抜群で……)

 顔は赤くなっていたのだろうか…。ミリにゃが話す。

「顔赤くなっとるやん笑」

「くっ……いや〜可愛いやん?あやつ」

「そうやね〜あほかわいいって感じ?」

「だから〜アホ言うなって!アホやけど」

「真凜が認めてるんなら、アホで伝わるな〜」

 ミリにゃんは、そう言い終えるとニコっとしながら続ける。

「早く食べんと、冷めるよ〜」


 ***


 食べ終わると、それぞれ

「ごちそうさまでした」

 と手を合わせる。


「ウチに奢らせて!」

「ええの?」

 少し不思議そうにミリにゃんを見ると

フルセットの画像を見せながら

「たまには、ええやん?」

「ありがとう!今度奢らせてーな」

「なに奢ってくれるか楽しみにしとくわ〜!」

 ミリにゃんは、少し古びた財布を大事そうに取り出し、会計を済ませると私が待つ店の外へと出てきた。

「そういえば、なんで現金払いしとるん?」

「これはね…ウチのオカンの形見だから……」

「ほんなら、大切にしやんといけんね!」

「そう!特別な時にだけ、現金使えるようにいつも持ち歩いてるんだ〜」

 財布を見せてから、カバンへとしまう。

「そっか〜!大切じゃない時は?」

「ん?"いついつ"払いよ」

 と言いながら、スマホを見せる。

 ミリにゃんと私のプリクラと、中央にはオカピのシールが貼ってある。

「割と稼げるもんね〜!」

「まあね〜!稼げてるのはほんのひと握りやけど笑」

「相変わらず、ミリにゃはオカピ好きやな〜!」

「当たり前よ!」

 と言いながら、制服の上着を脱ぎ、中のシャツを見せてくる。

 そこに描かれていたのは、オカピ命Tシャツだった。

 中央にハートが描かれていて、その中にオカピの絵がある。その下にオカピ命と描かれていた。

「オカピ命!だからね!」

「オカピオタクめ〜!」

「真凜とオカピの二推しです〜!」

 私は、指を口の前に持ってきて応える。

「静かに!周りに聞こえたらどーすんの!」

「そん時はそん時やろ!」

「相変わらずテキトーやな〜!」

「まあまあ笑!そろそろ、行こか!」

「そーやね!二人が待ってる」

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。