表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
女魔法聖騎士は復讐とやり直しのため過去と未来に(処刑は自業自得なのだけれど)  作者: 安藤昌益
行動開始

この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

22/22

最悪の時は2人で姿を消そう(過去)

「あ、勇者様、こ、これは・・・。」

と聖女オスクラは狼狽えた。狼狽えたのは、グレイスも同様だった。流石に、

「こ、これは・・・あなたと聖女様のためを思ってのことであって・・・。」

 呂律が流石に回らず、噛んでしまった。

「くそ。何でここに勇者が出て来るんだ。前回はなかったぞ。それに気配は感じなかった、ドアにも、部屋全体にも結界をかけていたのに。」

と心の中でグレイスは歯ぎしりした。



 しかし、雄姿やフレブレは、穏やかな表情で、

「そのことは、よくわかっているよ。君達が、僕のことを考えてのことだということはね。」

と言った。そして、聖女のところに歩み寄り、微かに震えている彼女を優しく抱きしめた。

「こいつ、いつの間にこんなジゴロになったんだ。」

とグレイスは心の中で悪態をついた。

「私の聖女様。心配する必要はないよ。僕には、君だけしかいないんだよ。どこかの王女様とは婚約なんてしないよ。もちろん結婚もだよ。」

と彼女の耳元で、ただし、グレイスにも聞こえるように言った。

「で、でも・・・。」

「そうは言っても、勇者様。」

 オスクラとグレイスは同時に反論しようとして止めた。勇者が話そうとしたからだ。何となく、彼が話をしたいと思う時、圧を感じて口が開かないからだ。


「魔法聖騎士殿の言うことは、一里も二里もあることだよ。てせも、考えて見てくれ。どこかの王女様と結婚するということで、かえって権威というかが上がったり、王位継承権の問題が出て来てしまうかもしれない。グレイスの意見は一里も二里もあるけど、僕に対する不安というかの解決策にはならないと思う。だから、僕は真摯に辺境で静かに暮らしたいことを、それが僕の真意であることを、説明するよ。それでも納得してもらえないようなら。」

とかれは言葉を切って、間をあけた。女達はゴクリと唾を飲んだ。長い時間のように感じた。

「聖女様と2人で姿を隠すよ。辺境の辺境に行くか、冒険者として旅でもすることにするよ。聖女様ねそれでいいかい?」

と彼女の顔を覗き込んだ。

「はい。もちろんです。勇者様といられるのであれば、どこにでも行きます。」

ときっぱりと言った。そこには、覚悟のようなものすら感じられた。

「ふん。しかし、どうする、私は?」

と迷ったが、とにかくここを立つのが正解だと考えた。

「分かったわよ。もうお熱いお二人のことは、よーくわかったわ。部屋をでて涼みに行くわよ。」

と暑いという風をして立ち上がり出て行こうとした。

「グレイス待ってくれ。」

と勇者が止めた。

「何よ。」

 ギクリとした。

「上の人達の意向で何か感じたら、伝えてくれ。」

「どう言う?どうする?」

と少し迷ったが、

「分かったわよ。何かわかったら教えてあげるわよ。私も、お二人さんが不幸になるのを見たくはないしね。」

 グレイスは、出来るだけ明るく、邪気の無い感じで答えて、後ろに手を振って振り返ることもなく言った。

 その後ろで、勇者が聖女を抱きしめ口付けを繰り返していた。

「全くのバカップル、お気楽カップルめ。淫乱聖女は、一緒に殺すしかないな。」

と心の中で悪態をついた。


「私は、勇者様に拾われて今があるし、あの時拾われていなければ、どこかで路頭に迷って死んでいたはずだよ。何時までも、勇者様について行くつもりだし、何もいらないよ。身分とか何とかってさ、私には似合わないし、わからないから。」

とケモ耳獣人フィエラは殊勝に、勇者に言っていた。

「まあ、そういうなよ。お前の人生を、俺への義理で制約するな。地位とか、一時金も、恩給も、新しい人生のために役に立つものさ。それでもって考えればいい、ということだ。」

「2人のお邪魔虫になるから、僕が邪魔ということなの?」

 これまた泣かせることを言う。

「邪魔なわけじゃないよ。」

「そうですよ。3人で一緒にいてもいいのよ。」

「ということだから、地位も、一時金も、恩給も頼むから、それから、その後のことを考えてくれればいい、ということだよ。」

「うん。分かったよ。でも、私は、勇者様について行きたい。あ、聖女様も一緒でも問題ないよ。」

「はは・・・。嬉しいことを言ってくれるな。」

と勇者は苦笑し、聖女は微笑んで、フィエラは純情そうな表情を浮かべていた。

「ふん。外面だけは完璧だな。」

と話を聞きながら悪態をついて、グレイスは。

 そして、2人が席を立つと

「ふん。」

と彼女がしたことで、

「前回と全く同じだな、こいつは。」

とグレイスは思った。

 


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ