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先代女王の視点

先代女王の視点からのお話です。

ちょっと長くなってしまいましたが、楽しんで頂ければ幸いです。

グランドマザーの種族は宇宙の中でも有名な平和主義な種族、

そんな種族でも稀に闇のエネルギーを強く持った女王候補が産まれてしまう。

ある日グランドマザーの居たコロニーでは無い、

別のコロニーで闇のエネルギーを持った女王が産まれた。

誰かを傷付ける女王の卵が産まれるなんて思いもしない女王は、

普通に女王のエネルギーを渡してしまう、

女王の座に付いた新たな闇のエネルギーの女王は星を支配する為に、

コビンダ達に武器を持たせ無理やり一番近いコロニーを襲わせたのだ。

平和な世界に突然やって来た侵略行為、

多大な犠牲を払いながらも襲われた女王は星に居る全ての女王に侵略の情報を流した。

離れた場所にいたグランドマザーは仲間の安全を最優先に考え宇宙に飛び出して行く。

長い時間探し求めていた星をやっと見つけた、それがウーニャ星、

この星にはまだ文明を発達させるような存在がなく、

星に生息している動物達だけだったのでグランドマザーはここに定住する事を決心をし、

星の中で一番高い山の頂上にコロニーを作った。

グランドマザーは故郷の星での悲劇を二度と出していけないと心に誓い、

新し星で産んだ女王候補の卵に闇のエネルギーを敏感に感知出来るよう、

闇のエネルギー感知の設定を新たに付けていたのだ。

そのお陰で先代女王は産まれたばかりのサティに違和感があったが、

女王の性格は愛そのものだったので、

闇のエネルギーを感じながらも心ではきっと勘違いと聞かせていた。

そんな日々が1年過ぎた頃にはサティの中に感じる闇のエネルギーが確信に変わってしまった。

『どうすればいいんだ、私にとっては全ての子が命に代えても大切な存在、

サティもその中の一人には変わりないのだ、どうすれば…』

女王は悩みながらもサティに渡したエネルギーを自分に戻す事はせず、

与えるエネルギーの量を大幅に減らしていた。

女王は側近の3人とチビカマキリの中でも観察眼にたけてる者を10人に

サティの話をする為に女王の隠し部屋に呼び寄せた。

『今から大切な話をしますが、他の者には絶対に漏らしてはいけません』

いつになく真剣な女王の姿に集まった皆が息を飲む。

『グランドマザーの存在はみんな知っていますよね?』

と話を始めグランドマザーの故郷の星の話から、

サティの中の闇のエネルギー存在、

そしてサティの行動がこれからの自分達の運命に関わるかもしれない事を話した。

集まった皆は驚くことも無く重たい口を開き出した。

『実は私達もそれは感じていました、あまりにも他の者と考えや行動が違い過ぎて』とコリン、

チビカマキリ達は顔を見合わせて決心したかの様に話始めた。

『実はまだ報告すべきか迷っていた事がありまして…

我らコビンダ種の物でサティ様に傷付けられた者が多数いるのです。』

(注・ここではチビカマキリ達をコビンダ種と呼び側近達のサイズをアビンダ種と呼ばれている)

それを聞いてラーダが驚いて

『そんな事が!何故報告しなかったんだ?』

『我らも初めての経験でサティ様がただやんちゃなだけなのか、

傷つけたくてやっているのか判断が出来なかったので報告を後回しにしていました。』

コビンダ達に自愛の目を向けながら女王が

『それは大変でしたね、コビンダ達の傷は大丈夫でしたか?

朝の挨拶の時には気が付きませんでしたが』

『はい軽い傷だったので、コリン様の薬で完治していました。』

それを聞いたコリンが

『最近作業中の怪我が多いとは思っていましたがそういう事だったのですね、

私も気が付かずに申し訳なかったです』

女王は話を聞いて決心が固まり計画を話し始めた

『私はもう誰にも傷ついて欲しく無いです。

アビンダ種もコビンダ種も私にとっては大切な存在、

これから話す私の計画にみんなの力を貸してください。』

女王の計画はこうだ

先ず最優先は病気で入院している者年老いて体が不自由な者の保護。

保護先として10㎞先にある大きな洞窟を全ての種族が住めるように整備。

移動手段の為の乗り物を作成

『今お話しした事をまず実行お願いします。

他の者には変な不安を持たせたくないのでまだ話さない様にお願いしますね』

集まった全員深く頷いて部屋から出て行った。

オリジナルのチビカマキリはトゥーリア星にいたチビカマキリ達とは背丈は一緒だが、

体の作りが全然違った、

逞しく俊敏で器用であった為に頼まれた事はそつなくこなす事が出来る。

そんなある日サティが漢方や薬の研究もしているコリンのを元にやって来た、

サティは畑を荒らす害虫を始末する薬を作りたいと言って来たが、

この星の生き物は殺してはいけないとサティに告げると不満げな顔で去って行った。

次にサティが現れたのが刃物を作っている工房、

今度は自分用の包丁を作りたいとお願いをして来た、

工房担当は快く承諾し包丁制作の手伝いを始めた。

刃物部分が作れるようになったサティは

後は自分で出来るから自由にやらせて欲しいと担当のコビンダ種に告げ、

サティは何やら工房の隅でこそこそと作業を始めた。

これまでのサティの行動が全て女王に報告され、

女王はサティが刃物で自分を殺しに来るかもしれないと思い次の計画に移った、、

先ずは自分の体のコピーを女王エネルギーを使い作り出し、

中身はオリジナルと全く一緒で魂が無いだけの体、

そしてコピーの体にはサティが女王と同じ大きさにまで成長できるエネルギーと

少数の卵が産めるエネルギーを注ぎ込んでおいた、

こんなにエネルギーを使ってしまうと、

次の女王の卵が作れなくなってしまうかもしれないが…

女王達がみんな避難してしまった後サティは1人になってしまう、

それは可哀そうだと女王は思い、

サティが卵を産んで家族を作れるように女王エネルギーを注ぎ込んだのだ。

自分を殺しに来るかもしれないサティでも女王にとっては大切な子供、

今は全ての子供達の安全が優先、次期女王の卵の事は落ち着いてから考えよう。

それから数日が過ぎた頃コリンの元にサティが睡眠薬をもらいに通い始める、

勿論コリンは睡眠薬など渡さず蜂蜜と豆の粉を固めた小さい粒を睡眠薬と偽り渡していた。

そして同時期にサティは女王のプレゼントと称して蜂蜜酒作りにも取り掛かっていたのだ。

その報告を受けて

『ああ本当に実行してしまうのでしょうかサティは…』

思わず呟いてしまった女王

それを聞いていた周りの側近達は何も言えず女王を見つめる事しか出来なかった。

重たい沈黙の中女王が話を始める。

『残念ですがここまで来てしまったら次の段階に入るしかありません』

女王は寝室にある隠し通路に女王のコピーの体をいつでも動かせるように置いておいて、

サティが殺しに来そうな時はそのコピーをベットに寝かせて置く、

サティが行動を起こしてしまったら急いでコロニーの仲間を広場に集めて洞窟に避難させる。

避難に関してはアビンダの3人に誘導をお願いして、

事情を知っているコビンダ10人は女王と共に行動をしてもらう、

女王はコリンに睡眠薬入りのジュースを1つ作る様にお願いをして、

女王のコピーが殺されてしまったら、

すぐさまそのジュースを謁見の間の女王の椅子の横に置く事。

『サティは私を殺した後必ず謁見の間に行くと思うんです。

何故なら毎朝必ずみんなが集まる場所で、

女王の死を告げて次はサティが女王になった事を宣言したいはずですから、

女王の椅子に腰かけた時気が緩み、そこに置いてあるジュースも飲んでしまうはずです。

サティが寝てしまえば安全にみんなを避難させられますからね』

ラーダが苦々しい顔で

『そこまでして女王の座が欲しいのでしょうか?』

悲しい表情で女王が

『そうですね、なんでそんなに急いで女王になりたいのか分かりませんが、

グランドマザーの本に書いてあった、

闇のエネルギーの優越感や傲慢とか言う感情がそうさせているのか…

きっと私達には一生理解できない感情だと思います、

私達には優越感の様な感情が無かったからこそ今まで平和に暮らして来れたんだと私は思います、

今回の件は私達にとっても良い経験で平和がどんなに大切な事か改めて実感出来ると思うのです。

みんなには辛い思いをさせてしまったけど…後少しです協力お願いしますね。

ではみなさん、行動に移って下さい。』

みんなが頷く

女王の寝室の隠れ通路の扉は部屋からはただの姿見の大きな鏡だが、

通路の方からは部屋の様子が丸見えのマジックミラーになっているので。

サティが訪ねて来てもここからサティの行動が全てが確認できる。

扉の向こうには女王のコピーの体をいつでも動かせるように10人のコビンダ達が控えてくれている。

女王は寝室のソファーに腰を掛けて就寝前の読書をしていたが、

女王はサティが殺しに来ませんようにと祈るばかりで本の内容など入って来ない、

だがその時は直ぐに来てしまった。

就寝の時間に女王の寝室の扉を誰かが叩く

『女王様お渡ししたい物が有って、部屋に入っても良いですか?』

『サティですか?どうぞ入って来て』

ゆっくりと扉が開きサティが満面の笑みでこちらを見ている、

流石の女王もこの時のサティの笑顔に恐怖を感じたが何とか平常心を保つ事に集中し、

女王はサティに声を掛ける、

『こんな夜更けに渡したい物ってなんですか?』

サティはニコニコしながら

『はい、女王様の為に蜂蜜酒を作ってみましたの、

上手に出来たか分かりませんが、飲んで頂けますか?』

サティは女王の部屋に置いてあるコップに蜂蜜酒を注いで女王の所まで運んで来た。

女王は息を飲み、とうとうこの日が来てしまったのかと心が重たくなるのを感じながら

サティからコップを受け取る。

『私の為にありがとうサティ、頂くわね』

睡眠薬が入っていない事は分かっているのに酷く緊張をしている自分に女王は驚いていた、

コップに口をつけてゆっくりと飲んでいく、

『は~とても美味しい上手に作れましたねサティ』

サティは興奮しながら

『本当ですか~~~私もと~~っても嬉しいです

では私は自分の寝室に戻りますね、女王様お休みなさい』

蜂蜜酒を女王が飲んだ事を確認してサティはさっさと部屋を出て行ってしまった。

サティの足音が寝室から遠ざかっていくのを確認をして、

女王は隠し通路のコビンダ達に合図を送った。

隠し通路から10人のコビンダ達が女王のコピーの体を丁寧に運び出しベットに寝かせる、

女王は寝かされたコピーの体にエネルギーを流し呼吸と鼓動を動かした。

それをみたコビンダ達が

『え~~本当に眠っているみたいです。』

『そうでしょ、ここまでしなければバレてしまいますからね

さぁ~通路に戻ってサティが戻って来るか確認しましょうね』

『はい!』

女王達は隠し通路に戻りサティが戻って来ない事を祈りながら待ち続けた。

小一時間もした頃女王の寝室に近づく足音に女王が気が付き呟く

『きた』

その言葉にコビンダ達に緊張が走る、

寝室の扉が音も無くゆっくりと開いていきサティが寝室に入って来た。

サティは女王が寝ている事を確認してなんの躊躇もなく女王の心臓に向けて杭を刺した。

良くできた女王のコピーの体から血が噴き出る、

その姿を見ながらサティが口を押えて興奮を抑えている、

そんなサティとは逆に隠し通路の女王達が驚愕の表情でフリーズしていた。

この星に住まう者は何かを殺す行為をした事が無い、

森に住む動物達も全て草食動物で何かを狩って食べる事も無かったので女王達は初めて見る惨劇、

コビンタ達のショックはとても大きいものだった、

コピーとは言え大切な女王が目の前で殺されたのだ、

泣きぐずれる者、吐いてしまう者、気を失ってしまう者、

そんな中女王はショックは受けたものの冷静を保っていた、

女王には守らなければいけない命がたくさんいるのだ。

サティはコピーの女王からエネルギーを吸い上げ体か女王と同じ大きさになり、

女王のクローゼットで着替えを済ませて部屋を出ていくまで相当な時間がかかってはいたが…

ショックを受けてた女王達にはあっと言う間の時間であった。

サティが寝室を後にした後女王が静かに話し出す。

『とうとうここまで来てしまいました、

みんな大丈夫ですか?

誰かアビンダ達に伝言をお願いします。

直ぐに避難場所に移動するように伝えて下さい。』

1人のコビンダが

『私が行ってきます』

『ありがと、あなたもそのままみんなと一緒に避難場所に行って下さい。

私達も直ぐに後を追いますので心配いりませんからね。』

コビンダは頷いて凄い勢いで走り去った。

女王は寝室に向き直り静かに扉を開いた、

『先に私が行きますから皆さんはここで待ってて下さい。』

そう言うとゆっくりと女王はコピーの体に近づく、

杭が刺された所から血が吹き出したあとが生々しかった、

こんな姿をコビンダ達には見せられないと思い女王はコピーの体をエネルギーに変換して、

自分の体に取り込んでいった。

コピー体が女王に取り込まれた事で杭がドスンと大きな音を立てて倒れる。

音に驚いたコビンダ達が『女王様大丈夫ですか?』と心配そうに見ている。

『もうこちらに来て大丈夫ですよ』

そう言われてコビンダ達がぞろぞろとベットの側にやって来て、

床に落ちている血痕の付いた杭に気が付き顔面蒼白になっていた。

『女王様これは…』

『私のコピーの体に刺さっていた物ですよ、

これでまた誰かが傷付けれれると困るので持っていきましょう』

そう言って女王は血の付いた杭を毛布で包んだ、

『さ~もうここには用は有りません急いで避難場所に行きますよ』

女王達が最後に避難場所に付いたのは朝方だった。

先に到着していたアビンダ達が女王達に気が付き走り寄って来た。

『女王様ご無事で何よりです、避難命令が出たと言う事はサティ様は実行してしまったのですか?』

みんなの元気な姿を見てホッとしながら

『そうですねみんなにも聞いてもらいたいので、

みんなに集まってもらうように伝えて貰えますか?』

『直ぐにみなを呼んでまいります』

アビンタ達が凄い勢いで走り去って行った

残されたコビンダ達の表情は暗い疲れてもいるのだろうがやはりショックなんだろう。

アビンダ達のお陰でコロニーの住人達は直ぐに集められた、

みなの目が女王に注がれているが表情が硬い、

女王はその姿を見て

『どこまで話せばいいのか?でも嘘も隠し事もしたくない』思わず口にしまっていた。

『みんな突然の避難で疲れていると思いますが、私の話を聞いて下さい。』

女王はサティが産まれてから今日までの経緯をみんなに話して聞かせた。

話を聞き終わった住人達は困惑する者不安な顔をする者今にも泣きそうな者もいた、

『今の話を聞いて困惑するのはわかります、

でもどうか不安や心配、怒りなどの重たい心のエネルギーに飲み込まれない様にして下さい。

私達はこれから協力して前に進むしか無いのです。

大丈夫みんなが元気であればまた元の生活に戻れますから、

私のこれからの計画にみんなの力が必要ですからどうか協力をお願いします。』

女王の言葉にみんなの表情が変わった、

女王の話が続く

『コロニーに残されたサティは1人です、

だからこそ一番先にサティがやる事は卵を産んで仲間を増やす事だと私は考えています。

最初にアビンダ達3人を産んでそれが孵るまで1ヶ月、

次にコビンダ達を産むでしょう、

ただ産める卵の数に制限をかけてある為200のコビンダの卵しか産めません、

たくさん産めるようにしとくと、

コビンダ達に武器を持たせて何をするか分からないので制限をかけました。

コビンダの卵を産んでそれが孵るまで1ヶ月かかるのでサティの生活が安定するまで約2ヶ月、

そして乱暴な行為も無く平和な生活をサティ達が始めたのを確認出来たら、

みんなと元の生活をする為に新たな場所に新しいコロニーを作ります。

また1からの生活になり忙しくなると思いますがみなさんの協力をお願いしますね。』

女王の言葉にみんなの表情がさっきとは打って変わり希望に満ちた表情に変わる、

ここにいるみんなにとって女王は偉大であり唯一無二の存在なのである。

『それから直ぐにコビンダ達にやって欲しい事があります。

コビンタ達の中でも俊敏に動ける者5人にコロニーの様子を伺って欲しいのです。

様子を見るにあたっては木の上に観察用の小さい空間を枝と葉で作り、

絶対に見つからない様にして下さい。

そして危険を察知したら直ぐに逃げる事

5人は交代で無理の無いように計画を立てて行う事、

回復薬を必ず持って行く事、

何か有った時は直ぐに報告に戻る事、

これはサティの生活が平和に順調な流れが確認できるまでお願いします。』

コビンダ達の中のリーダー的な役目にあるアルスが

『女王様お任せ下さい』とすぐさま答えた。

『アルスいつもありがとう、頼りにしてますよ。

回復薬には私のエネルギーを注いでおきましょう、

そうすれば何か有っても死ぬことは亡くなりますから』

アルスが微笑みながら答える

『女王様ありがとうございます』

『他の方々はここでの生活がスムーズに出来る様にお願いします』

集まった全員が頷きそれぞれの持ち場に戻って行った。

それから2週間程が経ち洞窟での生活も落ち着いて来て何も心配がなくなって来た頃、

サティのコロニーに変化があった。

この日はアルスが担当でコロニーの様子を見ていた、

するとコロニーからゴゴンとググンが10人のコビンダを引き連れて出て来たのだ、

ゴゴンとググンは相変わらずの筋肉質の大きな体で、

それに比べてコビンダ達は貧弱な栄養失調状態でよろよろと歩いている

『何でアビンタとコビンダがまだ卵が孵るはずがない』

コビンダ達は背丈は一緒だが体の作りが全然違う事に

様子を伺っていたコビンダ達全員が愕然としている、

そんな時ゴゴンの怒鳴り声が森の中に響き渡る

『何をグズグズしてるんだ道具どもが女王様の食べ物を早く探せ』

歩くのも辛そうにしているコビンダ達がその声にビクッとして歩みを早めるがよろよろしている、

そんな姿を見てイライラしたゴゴンが

『のろくてイライラするわ~~』と叫ぶと同時に1人のコビンダを蹴り飛ばした、

蹴られたコビンダは数メートル先の木に鈍い音を立ててぶつかってしまった。

『おいおいおいゴゴン、そんな事したらまた道具が死んじゃうだろ、

それはお前がやったんだからな、女王様には自分で報告しろよ』

と呟きながらググンが木にぶつかったコビンダの様子を見に行った。

『あ~~こりゃ駄目だ直ぐ死ぬな、はぁ~~』とため息をつく

『こいつらが弱すぎなんだよ、女王様ももっと使える奴産んでくれりゃ良いのによ』

『ゴゴンそれは禁句だぜ、女王様はもう卵産めないらしいからな』

それを聞いてゴゴンは『フン』と女王も使えないななんて言葉が出て来そうな顔をしている。

『ゴゴンこれはほっといて食料探しに行くぞ』

『お~』とやる気のない返事をしたゴゴンはしぶしぶと歩き出した。

木の上から全てを見ていたコビンダ達は今まで知らなかった怒りが沸き上がって来た。

こんなにも酷い行いをする者がいるなんて、どう見ても自分より弱い者に暴力を…

ゴゴン達の気配が遠のいたのを確認したアルスは

木にぶつかったコビンダの元に走り寄りコビンダの様子を観る、

『まだ息はあるな』

他のコビンダ達も凄い行き良いでアルスの周りに集まって来て

心配そうに木にぶつかったコビンダをみている。

『アルス彼は大丈夫かい?』仲間のアリーが聞いて来た

『まだ息がある、女王様のエネルギーが入った回復薬を使えばきっと大丈夫』

そう言って懐から回復薬を出して怪我をしたコビンダに振りかけると、

傷が見る見るうちに回復していった。

『おお~流石女王様のエネルギー、傷は治ったね』

『でも意識が戻らないどうしてだろ?

取り敢えず彼を女王様の所に連れて帰ろう、

身の安全が最優先だ、みんなも一緒に戻るぞ』

そう言ってアルスは怪我をしたコビンダを背負って走り出す。

残った4人もそれに続いて走り出した。

洞窟に戻ったアルス達はそのまま女王の元に怪我をしたコビンダを連れて行き、

何が有ったか説明をした。

女王のそばに控えていたアビンダ達3人は、

連れて来られたコビンダのあまりにも貧弱な体を見て驚いている。

話を聞いた女王は救助されたコビンダの体の隅々まで観察して大きな溜息をついた。

『みんな無事で何よりです、何より彼を助けられた事本当に感謝します。

それにしてもサティは酷い事をしましたね、

彼は卵の中で十分な成長が終わる前に無理やり卵から出されたみたいです。

体の筋肉も十分に付いて無い状態だからフラフラしていたんでしょ、

取り敢えず私のエネルギーを注げば少しは良くなると思いますが…

十分な寿命が無いみたいで20年程でこの体は駄目になってしまいます。』

その場が重たい空気に包まれたその時、助けられたコビンダの意識が戻ったのだ、

『こっここは一体どこですか?』力無い言葉で尋ねる。

『ここは貴女の女王の先代女王の住まいですよ、

大変な怪我をした貴方をここに居るアルスが助け、ここまで運んだのです。

宜しかったら貴方のお名前を教えてもらえますか?』

『なまえ?私に名前などありません、私と同じ種の者は道具だそうです』

それを聞いた周りの者達は怒りを抑えるのがやっとの様でみんなフルフルと震えている。

それを察知した女王が

『みなさん、怒りに心を奪われてはいけませんよ、

さて名前が無いのなら私が貴方の名前を付けても良いですか?』

それを聞いたコビンダが驚き涙目になりながら

『名前を付けて頂けるのですか?』

『はい、ここに居る者はみんな名前があります。

そして貴方の様な小さい体の種はコビンダ種と呼ばれて、

大きい体をアビンダ種と呼ばれています。

道具なんて失礼な名前の種はいないのですよ。』

そう言って女王がニッコリとほほ笑んだ

『では貴方の名前はキノはいかがでしょう素敵でしょ』

その言葉にキノは頷きながら目からは大粒の涙が溢れ出ていた。

女王はキノに食事と飲み物を用意させ食べる様にすすめると、

キノは泣きながら食べ物を頬張って何度も何度も頭を下げた。

そんな姿を悲しい表情で見つめながら女王が

『キノ疲れている所悪いのだけど私の話を聞いて下さい』

女王はサティは自分が産んだ子供だと言う事など今までの話をキノに聞かせた。

『そんな訳で貴方達コビンダが酷い目にあっているのは私のせいなのです。

出来る限りの事をしたいので、コロニーの中の様子を教えてもらえますか?』

『とんでもないです、こちらの女王様のせいなんて事ありません、

こんなに良くしてもらって私は…私は…今感謝しかないです。』

とキノが言いながらまた泣きだす

そんな姿を見ていられなくなったのかアルスがキノの背中を優しく撫ぜる

キノは言葉を詰まらせながらもコロニー内の説明をしてくれた。

サティのそばにはマスターと呼ばれる3人が付いていて、

その下にゴゴンとググンと言うアビンダが雑用をやらされていて、

その下の道具としてキノ達コビンダを100人産んだそうだが、

サティやマスター達ゴゴン達が日々コビンダ達に暴力を振るうので

23人のコビンダがあっと言う間に亡くなってしまい、

死体もコロニー内の庭に放置され酷い異臭を放ってるそうだ。

そんなある日ゴゴンも女王に不満があるのか

『女王はもうババアで卵が産めないそうだ、

だからよ~お前らを殴る事ももう出来ないだよな、だって直ぐに死んじゃうからなぁ~』

と言葉の暴力でコビンダ達に八つ当たりをしていたそうだ。

食糧庫の食べ物が底をついてしまったので森に食料を探しに行くのだが、

何を探せばいいのかも説明されてないコビンダは、

いつも怒鳴られて精神的にも限界が来ていると言う話だ、

『女王様どうか残された我らの仲間を助けて下さい』とキノが懇願して来た。

女王は黙ってキノを見つめて何かを考えているようだ、

我慢できなくなったアルスが

『女王様私からもお願いします、我ら全員で全力を尽くしますから』

『サティはアビンダ種を5人も産んでいたのですね、

だからエネルギーが足りなくなってコビンダ種を100人しか産めなかったと言うわけですか、

残されたコビンダを助けに私も直ぐに行きたいのですが、

ただ誰も怪我をせず争いにならないような作戦を考えなければいけません。』

それを聞いていたラーダが

『キノ、俺はラーダと言って衣食住の住を担当するものだ、

コロニーには外に出る扉がいくつもあるよな?

誰にもバレずに抜け出してくる事はできるか?』

『はい、コロニー内の庭は雑草が伸び放題になっているので、

我らの小さい体は隠れる事ができるので、隠れながら外に出れると思います』

それを聞いてラーダが

『女王様、何とか中のコビンダと話をして外に逃げ出してもらい、

出て来た所を自慢の足を持つ我らのコビンダ達にここまで運ばせれば良いのでは?』

『それはいい案ですね、でもあちらのコビンダ達と話が出来ても信じてもれえるでしょうか?』

キノが慌てて

『そっそれは大丈夫だと思います、今はもうみんな藁にも縋る思いなのです』

『ではアルス今まで通りコロニーの監視を続けて、あちらのコビンダと話が出来たら

時間はいつでもいいから逃げ出せる機会が有ったらみんなで外に逃げる様に伝えて下さい。

あちらで残されたコビンダは76人ですから、

最低でも100人のこちらのコビンダを24時間常駐させなきゃなりません出来ますか?

もちろん無理の無いように交代制ですよ。』

アルスが目を輝かせながら

『もちろんです女王様、お任せください。』

『トーリ、コリン、ラーダこれから忙しくなりそうです、貴方達3人も協力お願いしますね』

3人は声をそろえて『もちろんです』と答えていた。

アルスは300人のコビンダに声を掛け、

キノが救出されてから100人ずつコロニーの周りに朝昼晩と3交代で常駐させている。

サティの所のコビンダは毎日森に食べ物を探しに出て来てはいるが、

なかなか声を掛ける機会がないまま数日が過ぎたある日、

やつれたコビンダがゴゴンに見つからない様に

草むらで休んでいる事にアルスが気が付き気配を消して近くに寄っていく、

声を出さない様にコビンダの口を押えて耳元で話を始めた

『俺は森の奥に住んでいる君達と同じコビンダ種のアルスだ、

先日ここで瀕死状態だった君達の仲間を我らが救出した。

君達の仲間の話から君達が酷い扱いを受けてる事を知った我らの女王様が、

君達の仲間の救出を決心されて我らが今ここにいる、

助けられた君達の仲間も君達を心配していて君達を助けて欲しいとも言っていた。

私の話を信じてもらえるか?』

そう言うとコビンダはコクコクと頷き

『では口から手を放すぞ、声を出さずに俺の話を聞いてくれ』

アルスはゆっくりと口から手を放しコビンダと向き合い話を始める

『君達は誰にも見つからずにコロニーの外に出て来る事はできるか?』

コビンダがコクコクと頷く

『では時間は君達の都合のいい時でいいので全員で表に出て来て欲しい、

出て来た者から我らの仲間が素早く背負って安全な所迄運ぶようにするので、

君達はただ表に出て来てくれればいい、

いつでも我らの仲間がここに100人程控えているから安心して外に出て来て欲しい』

そう言いながらアルスは森で採取して来た食べ物をコビンダの持っていたカゴに入れて

『これで休んでいた事もバレないだろう、後これは君が食べるといい』

そう言っていくつかの食べ物も渡した

それを見ながら涙目になったコビンダが

『僕だけが食べるなんてみんなに申し訳なくって出来ない』

と言いながら涙を流す

『今これを食べて力をつけないと、今の話を仲間に知らせる事が出来なくなるかもしれないぞ、

助けた後に皆にも食事は用意してあるから安心して食べなさい』

コビンダは頷くとゆっくりと食べ始めた。

『ありがとうございます、凄く美味しいです。僕からも質問しても良いですか?』

『もちろんだ』

『女王様って何人もいるんですか?僕達の女王様みたいでは無いのですか?』

『この星…この大地には20人の女王が居ると聞いている、

女王はそれぞれ側近のアビンダを3人産み衣食住を任せ、

それをサポートするために我らコビンダを1000人以上産み生活を安定させている、

女王はそれぞれのやり方でみんなが豊かで平和な生活を送れる様に尽力を尽くして下さってる、

だから君達の女王とは違うんだ』

大粒の涙を流しながら話を聞いているコビンダ

『今日帰ってからみんなにこの話をします、

本当にどの時間でもここに待機して下さるのですね』

『ああ、安心していつでも出てこい

出て来た仲間が我らが責任を持って助ける、この命にかけて約束する』

コビンダは力強く頷き涙を拭いながら立ち上がった。

『ありがとうございます』と静かに呟きその場を立ち去って行った。

アルスはその後姿を見送りながら強く拳を握り

『絶対助けてやる』と呟きその日からアルスだけ洞窟に戻る事は無く、

森でずーっと待機していた。

そんな出来事から毎日緊張しながら森で待機していたアルスらコビンダ達、

女王様からの命令で回復薬と即効性のある眠り薬の付いた吹き矢を全員持たされていた。

ゴゴン達に見つかった時は吹き矢で眠らせるようにと、

そしてアルスに1日一回は洞窟に戻り休む様にも伝えたが、

アルスは初めて女王の命令を無視していた。

そしてその日がとうとうやって来たのだ。

日が沈み森がすっかり暗くなって来た頃、

コロニーの庭の辺りから人の気配がして来た、

こんな時間に人が居るのは初めての事、アルス達に緊張が走った。

アルスは他のコビンダ達にコロニーの近くで待機するように合図を送った。

訓練されたコビンダ達は音もなく素早くコロニーの周りに集まって来る。

するとコロニーの一番小さく目立たない扉がゆっくりと開いてコビンダが出て来た。

素早く出て来たコビンダに近寄り背負ったかと思ったらあっと言う間に走り去って行く。

次に出て来たコビンダも同じよう背負われ走り去っていった。

アルスは数を数えていた、

『45…ん?全部で76人のはず…』45人出て来た所でコビンダが出て来なくなった。

『アルス今ので最後みたいだな、我らも戻るぞ』

『アリー全部で76人のはずなんだ31人足りない』

アリーは驚いて『なんだって』

『残った我らのコビンダは54人はまだここで待つ事にするよ、

アリーは洞窟に戻って助けたコビンダに他のコビンダの事聞いて来て欲しい』

アリーは『分かった』と言って走り出した。

アルスは残った仲間に木の上で待機と合図を送りいつもの様に息を潜めコロニーの様子を伺う。

鍛えられたコビンダの足は速かった、

やせ細ったコビンダを背負ったままでも1時間程度で洞窟に戻る事が出来た。

その姿を見た洞窟の見張りをしていたコビンダが女王の元に走る、

コビンダ救助の為に用意された広い場所に次々と運び込まれる痩せたコビンダ達、

すぐさまコリンがやって来て食事を運ばせ痩せた体の健康状態を診ている。

運び込まれたコビンダ達は何が起こったのか周りをきょろきょろしていたが、

先日助けられたキノが現れ、

『みんな~~~よかった~~~』と泣きながら走り寄って来た。

それを見たコビンダが

『君はゴゴン様に蹴れれて木にぶつかった子だよね?

無事だったんだね、良かった』

みんなが涙でぐしょぐしょになっている。

そこに女王が現れコビンダ達に緊張が走る

『みなさん初めまして無事に助けられた事本当に喜ばしいです』

サティにそっくりな女王が現れたのでみんな硬直してしまっている。

『そんなに緊張しないで下さい、

そこに用意した食事を食べながらでいいのでお話を伺ってもいいですか?』

そこへアリーが走り込んで来た。

『女王様、大変です、サティ様の所のコビンダが全員で出来なかったのです。

それでアルスがそのままコロニーのそばに待機してるんですが、いかがされますか?』

『え?どういう事ですか?』

それを聞いてたコビンダ達が一斉に泣き出した。

『みなさん、ゆっくりで良いので説明してもらえますか?

残りのコビンダ達はどうしたのですか?』

先日アルスから救出の話を聞かされたコビンダが話を始めた

『この前アルスさんって方からこの話を聞いて、

寝る時にだけみんなが集まるのでそこでみんなに説明をしました。

みんな答えは1つ一緒に逃げようと話が決まり次の夜に出る計画だったのですが…

次の夜からマスター達が手伝えといきなり言い出し30人が夜になると連れていかれました。

これでは全員で逃げる事が出来ないと困って…

でもこのまま待っていたらまた誰かが餓死してしまうと…

だから今いない30人が…呼び出されたら我らが行くから他の皆は逃げてくれと…

30人犠牲になってしまいました…

仲間を残して逃げるなんて出来ないと思っていたら…今日女王様が…』

口にするのも辛そうなコビンダ、周りの皆も息を飲んだ

コビンダは涙を流しながら辛そうに話を続けた

『女王様が…我らの仲間の一人を捕まえるとそのまま食らいついて…

我らの目の前で食べてしまったのです』

話し終えるとワァ~と泣き崩れてしまった。

周りの皆も返す言葉も無く青ざめただ立ち尽くす、

『食べて…って』女王はそのまま座り込んでしまった。

違うコビンダが話を続ける

『それを見た今いない30人が今夜みんなで逃げてくれ、後は心配無いと言い出して…

それで仲間を置いて我らだけ逃げて来ました…』

我に返った女王は

『みなさんだけでも逃げて来られて本当に良かったです。

残ったコビンダの事は助け出す方法を必ず考えますから、

今日は食事をしてゆっくり休んでください。

アリーはアルスに今の話を伝えて、後は全員ここに戻る様に伝えて下さい』

話を聞いてたラーダが

『女王様何か名案でもあるんですか?まさかコロニーに突入なんて事しませんよね?』

女王はいたって冷静、何か決心したかのように

『まさか自分が産んだ子が…私の想像をはるかに超えてしまいましたので…

最終手段をとるしかないんです』

『最終手段とはなんですか?』心配そうに尋ねるトーリ

『心配はいらないですよ、私は誰かを傷付けたりしないから安心して任せて下さい』

そう言って女王は立ち上がり洞窟の外に出て行った。

側近3人は周りの者にこの場を任せて女王の後を追って行った。

外は夜明けが近いのかやたらと暗く感じた、

洞窟は山の中腹にあり周りの森が一望でき遠くには山がそびえ立っている、

洞窟の前は開けていて、開けた場所の中心に女王はいた、

空を見上げゆっくりと左手を上げる、

上げた手が光だし光がだんだんと弓の形に変化していった、

次に右手を上げて手が光り出すと光が矢に変化していく、

そして空に向かって弓を構える、その姿は神々しくあまりにも美しかった。

弓を構えた女王の目から涙が流れ落ちていく

『どうか、どうかお助け下さい』そう呟きながら矢を空高く放った。

放たれた矢は光を放ちながら天高く飛んでゆっくりと消えていった。

そして夜が明け始めて空が明るくなり始めた時

『女王様あれは一体なんでしょ』側近3人が一斉に叫んだ

山がそびえ立っている方向から黒い物体がこちらに向かって飛んできている、

それを見た女王は

『大丈夫です多分私の願いが届いたんだと思いますが…こんなに早く来るとは思わなかった』

黒い物体は凄い速さで近づいて来て、その姿をあらわにした。

先頭を飛んで来たのは女王の3倍の体を持つ巨大なグランドマザー、

その後ろに20人のアビンダ達体の大きさは勿論3倍、

最後部には100人はいるであろう3倍の大きさのコビンダ、

決定的に違うのはみんな羽がはえている事だ、

アビンダ達が大きなネットを10人がかりで持っている、

ネットの真ん中には半径5メートルはありそうなカプセルが乗っていた。

グランドマザーは女王に気が付き近くまで飛んで来て

『初めまして我が子、この度は大変な事が起こりましたね、

新しい女王が産まれた時からずっと見ていました。

貴方は仲間の安全を第一に考え本当に良くやっていました。

でもこれからの先は私が責任を持って対処しましょう、

貴方の子の問題は私の子の問題でもありますから』

女王はグランドマザーの大きく神々しい姿を恍惚の表情で見つめていたが…

『あっ!グランドマザーお初にお目にかかります、

私の呼びかけに答えて頂きありがとうございます、

大変申し訳ないのですがお願いがあります。』

グランドマザーはニッコリ笑って

『残されたコビンダ達の救出ですね?』

『はい、そうです、何でもお見通しなのですね』

グランドマザーはサティがいるコロニーの方角に目をやり

『これから起きる事は全て私の責任ですから貴方が気に病む事はありませんからね、

残されたコビンダ達は勿論助けたいと思っていますから心配しないで待ってて下さい、

では皆の者コロニーに向かいますよ』

待機していたアビンダ、コビンダが声をそろえて『はっ』と答えていた

その瞬間羽ばたきの音が激しくなりあっと言う間に飛び立ってしまった。

女王は慌てて『起きる事ってなんでしょ?』

『グランドマザーのお考えは私どもにも予想がつきません』とコリン

『いやー俺は腰が抜けそうだったぜなんだあの迫力は』とラーダ

『グランドマザー本当にいらっしゃったんですね、

我々はあの方に守られていたんですね』とトーリ

『コリン、ラーダ、トーリ、私達もコロニーに向かいますよ』

そう言ったかと思ったら凄い勢いで女王が走り出した。

『女王さま~~待って下さい~』3人は慌ててその後に続いていった。

一方コロニーに到着したグランドマザー達はコロニーの上空で待機していた。

グランドマザーはゆっくりとコロニーの入口に前に降り立ち、

両手を上に上げてエネルギーを放射した。

するとコロニーの透明の屋根が音も無く消え去ったのだ、

『あなた方の行いは全て見ていました、反省をするならこの星に住まう事を許可しますが…

まだ同じ事を繰り返し続けると言うなら私にも考えがあります。

先ずはコビンダ達を開放しなさい』

そう言うと今度は建物にエネルギー放射して建物を消してしまった。

突然の出来事にビックリしているサティ達、

『さーコビンダ達こちらに来なさい』とグランドマザーが言った途端

ゴゴンとググンが槍の様な尖った杭をグランドマザーめがけて投げて来た。

杭はグランドマザーに届く前に上空に居たアビンダ2人が凄い速さで杭を叩き落したのである、

『なるほど貴方達の返事はこれですね、

我が子コビンダ達よそこに囚われているコビンダ達を救出しなさい』

羽の生えたコビンダ達が一斉に急降下して来た。

コビンダ達を取られてたまるかと

サティと側近3人がそばにいたコビンダを5人ずつ抱きかかえてしまった。

『思い通りにはさせない、力ずくで取ってみればいい』とサティが怒鳴る

抱きかかえられたコビンダ達は20人、

残りの10人のコビンダ達がグランドマザーに向かって走り出した。

そうはさせるかとゴゴンとググンが

コビンダ達を捕まえようとするが飛んで来たコビンダ達に阻まれ3人しか捕まえられなかった。

残った7人のコビンダは無事の羽の生えたコビンダによって救助されたのだ、

『その子達を放しなさい』

その言葉にサティが『フフン』と笑いながら

『私が産んだ道具は私の物、それをどうするか私の勝手でしょ指図は受けない』

グランドマザーは至って冷静に語る

『貴女のですって?その子達は産まれた瞬間から自由なのです、

誰の物でもありません、だいたい道具ってなんですか?

知性のかけらも無い考え方をお持ちで、貴女は女王に向いていないようですね』

グランドマザーの言葉に怒りが爆発したサティは

『じゃあこのまま全員殺せばいいでしょ、私は捕まる位なら死ぬ方がましよ』

その姿を見て溜息をついたグランドマザーは

『誰も捕まえるなど言って無いのですが…

捕まっているコビンダ達よ我を許せ、必ず後で救いを送るから』

次の瞬間大きなカプセルを持ったアビンダ達にグランドマザーは合図を送る、

カプセルのボタンをアビンダが押すと

『ブーン』と電気が通ったかのような音がし始め空中に浮いたのだ。

グランドマザーは人差し指をカプセルに向けると、

指の先からビームのような光が放出されカプセルに注ぎ込まれていった。

次の瞬間サティと側近3人ゴゴンとググン達が

コビンダを抱きかかえたままカプセルに吸い込まれていった。

吸い込まれた事を確認したグランドマザーは両手からエネルギーを放出させてカプセルを動かす、

カプセルは音も無くゆっくりと空に向かって直立させた、

するとカプセルの下の方から凄い爆音がしたかと思ったらあっという間に空に消えて行った。

後を追いかけて来た女王の目にコビンダ達がカプセルに吸い込まれ、

そのまま飛んで行ってしまったカプセルを見て

『グランドマザーコビンダ達が…』

グランドマザーは振り返り女王を見つめる

『我が子よ許せ、

このままあの強すぎる闇エネルギーがこの星に居続けると周りの者や星にも影響が出てしまうのだ、

連れていかれたコビンダは必ず助けを行かせるから今しばらく辛抱して欲しい』

『行かせるって何処へですか?彼らは何処に行ったのですか?』

女王は激しく動揺していた、

それを見ていたコリン達は女王のあんな同様している姿を始めて見た。

サティが産んだコビンダ達の事をあんなに心配して…女王の愛情の深さを改めて実感するのだった。

何事かと木から降りて来たアルス達も同じような気持ちで女王を見つめている。

そんな状況を見つめながらグランドマザーは突然

『宇宙は広い、色々な種族が色々な星で文明を築いています。

そして生き物全てにはそれぞれの波長と言うものが有って文明にも波長が有るんです。

闇の波長を持った彼女達には闇の波長をもった文明が彼女達には合うでしょう、

だからこの星から一番近い闇の波長を持った星にカプセルが辿り着くように設定してあります。

そして広い宇宙には理不尽な扱いされている星や人々を救う人達もいるのです。

確か宇宙管理と名乗ってました、その方達にコビンダ達の救出は頼みますから待ってて下さい』

女王達は初めて聞かされる宇宙の話、

そういえばグランドマザーも何処からの星からここへ逃げて来たと本に記されていた。

『分かりました、まずは助け出されたコビンダ達の健康と幸せを考えます』

『さすが我が子です、

それにしても今回の件で随分と女王のエネルギーを使ってしまったのですね』

グランドマザーはお見通しだ俯きながら『はい』と返事をする女王

『何も心配いらないですよ』そう言うとグランドマザーは人差し指を立てる、

人差し指の先にエネルギーが集まりクルクルと円を描きだしてテニスボール程の大きさになった、

そのエネルギーを女王のお腹にゆっくりと注ぎ込んだ、

エネルギーが入った途端女王の体に力がみなぎって来て、

使ったエネルギー以上のものが体に戻ってきたのだ、

驚いた表情の女王にグランドマザーは言葉を続ける

『使った以上のエネルギーが戻ったはずです、

そしてお腹に新たな女王の卵が誕生しています。

今回のような事は暫く無いでしょ、だから安心して卵を産んで育てて下さい』

その言葉に女王は泣き崩れ

『グランドマザーなんとお礼を言ったらいいか、

次の女王の卵を作るエネルギーが無くなってしまい…

生命エネルギーを全て使うしか方法が無く、

残された我が子に迷惑をかけてしまうと悩んでおりました。

本当にありがとうございます』

女王の周りにいた側近達やアルス達が

女王はそんな状態でみんなを守る為に力を尽くしていたのかと…涙ぐんでいる。

グランドマザーニッコリ笑って

『この星に住まう人々は全て私の大切な子、

これからはそんなに悩む前に私を呼びなさい、

ではそろそろ我が家に戻ります、あなたたちのコロニーを消してしまいましたが、

みんなで力を合わせて再建お願いしますね、

それとそこに放置されているコビンダ達の遺体を手厚く埋葬してやってください。

さぁ~皆の者我が家に戻りますよ』と言いながら天高く飛びあがり羽を広げる、

その言葉に上空で待機していたアビンダ達とコビンダ達が

『はっグランドマザー』大きな声が森に響き渡りグランドマザー達は飛び去って行った。

その姿は一生忘れる事が出来ないほど壮観であった

女王は周りにを見渡して

『さ~コロニー再建で忙しくなりますよ、みなさん協力お願いしますね』

周りのみんなそれぞれに返事をしていて騒がしいくらいだった。





次回はやっと主人公のマヌカちゃんが戻って来ます。

読んで頂きありがとうございました。

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