↓ ↑ページトップへ
表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
無色の恋  作者: 白夜
PR
7/7

陀【終わるという選択】

ゐざよに恋したあの日、正確にいえば大会より少しあと。

大会のことを思い出すともどかしい、どこか胸が熱くなる。

そう感じてしまった日から、俺はあの瞳に、流れ落ちる髪に、思ったより形作られている身体に、なりより、寛大で、優しく、それでも熱く燃える心に、恋をしたと自覚したのだ。

モヤモヤの残る卒業式。

暗くも熱っぽい教室に、キラキラと笑顔を振りまくゐざよは、中学に思い残したとことはないようだ。

例の彼女とは、未だ続いているらしい。

本人から聞くことは、もう望まない。

意味も分からず苦しい今、自分から近づく必要はなかった。

いつも絡んでいる集団から、こっそりゐざよを見つめるだけ。

触れ合えたあの日々が懐かしい。

遠くなったその輝きも、消えるどころか日々強さを増していく。

直視できなくなっていく。

苦しさが喉から込み上げてきて、苦しい。

その瞳が、俺を捕まえてくれることは、もうないんだろう。

知らぬ間にできた溝、それにどれだけ傷ついたか。

最後まで、その理由はわからなかった。

ゐざよの気まぐれかも知れない。

周りからの絆しかも知れない。

いかなる理由があろうと、俺は、最後までゐざよに近づくことを許されなかった。

その事実だけは消えてなくならない。

気持ち悪い唾を飲み込み、卒業式をいい事に、流れる涙は堪えない。

色づいて見えたあの日々が、頭の中にこびりついて離れない。

俺の中で光を放ち、輝き抜いた彼を、忘れはしないだろう。

それでも、俺は、この恋心だけは、置いていかないといけない。

これから先、ゐざよと関わることはなくなる。

それでいい。

あんなゐざよを好きになってしまった。

好きになってしまったから。

桜の花が半咲く頃、行き場のないこの恋は、静かに幕を閉じた。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。