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第23話 方程式の始まり

 

 どうもこんにちは。いえ、こんばんは? 冬乃です。


 最近はあまり良いことがありません。少し前なんて誘拐されかけましたし。取り敢えず誘拐の首謀者である綺薇さんに謝罪はして貰いましたし、奏先輩と陽室先輩は粛清いたしましたので、この件は解決しました。


 さて私は今、夏香先輩のマンションにお邪魔しております。理由は遊びに来たから、そしてこの前は状況的に仕方がなかったとはいえ絞め落としてしまった事のお詫びをしに。

 夏香先輩お気に入りのお菓子を持参してお邪魔すると、着ぐるみみたいな寝間着を着たまま出迎えてくれました。今日はウナギの寝間着。季節がズレていますが、ツッコミはしませんでした。


「どうですか、新しく出来たケーキ屋さんのロールケーキ?」

「美味しい」

「そ、それは良かったです」

 シンプルな感想。だがそれくらいが丁度良いのかもしれません。夏香先輩らしい。


 私は部屋の中を見渡します。大量の漫画、ゲーム、変身ベルトやおもちゃで埋め尽くされた混沌の場(カオス・フィールド)。参考書や教科書は見当たりません。

 だからこそ、気になるのです。


「あ、あの、夏香先輩?」

「何でごぜーましょう?」

「普段、先輩勉強してますか? その、周りに勉強道具らしきものが見当たらないので……」

「全部講義中に覚えてるからええの」

「こ、講義中に!?」

 な、なんで人なんでしょう。どおりで見つからない訳です。彼女には勉強が必要ないのですから。


 そうなると、もう1つ気になることが出来たのです。



「えっと、その、良ければでいいのですが……先輩達が付き合う事になったきっかけ、教えて貰えませんか?」



 その時でした。


 夏香先輩の手からフォークが落ちたのです。

 目は焦点が定まらず、手はプルプル震えています。

 ま、まさか、地雷原を踏んでしまったのでは!? わ、私はとんでもないことを……。



「いいよ」

「えぇっ!?」

 ケロリとした表情で了承してくれました。ならさっきのあれは何だったんだと気になりましたが。


「確か、あれは、今から36万……いや、1万4000年前だったか。まぁいい、私にとってはーー」

「…………」

「まぁいい」

 このままはぐらかされるかと思いましたが、私の態度を見て諦めたようです。


「ちょっと話がまとまるまで待ってくれるかな? かなーり長くなりそう」

「どのくらいですか?」

「こっから4、5話使うかな」

「でも1話が長くないから……って、何の話ですか」

 話している間にも、夏香先輩は難しい表情をしながら考えています。


 そんなにも壮大な話だったとは、想像していたよりもドラマチックなのか、はたまたデンジャラスなのか。

 正反対な2人が出会うきっかけ、私も知りたい。なんだかんだ言い合いながらも仲睦まじい、私が知る限りのベストカップル、ベストマッチコンビですから。


「さぁ、教えて下さい! 2人の出会いを!」

「よかろう! それは……!!」

「そ、それは…………!?」






 [to be continude]


「えぇぇぇっっっ!? 結局次回ぃぃぃっ!?」



 という訳で、次回に続く


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