第1話 リアナ・スティバーグという人間
「お嬢様お待ちください! 」
「いや! おべんきょうきらい! 」
2人の侍女が走って追いかけてくる。
全力疾走で逃げているのはこのスティバーグ公爵家の一人娘であるリアナ。8歳である。
彼女は勉強も礼儀作法も、貴族令嬢として必要とされるものが大嫌いなのだ。
対して好きなことは
魚釣り、川で遊ぶ、冒険の本を読む......
など。普通の貴族令嬢とは全く異なるのが彼女の特徴だ。今日もまた裁縫の勉強をサボり、絶賛広い屋敷を逃走中である。
(ここまでくればもうへいきね......)
辺りをキョロキョロ見回し、もう誰も着いてきてないことを確認する。彼女は屋敷の奥の奥、リアナと一部の人しか知らない秘密基地に来ていた。
秘密基地と言ってもスティバーグ家の庭師であるバランが道具置きに使っていた古い小屋をリアナがねだって譲ってもらったものだ。
そこにはリアナが好きな冒険の本や、リアナが取ってきたお花や綺麗な石など、好きなものが沢山置いてあるのだ。
「なんのほんよもうかなぁ」
まだ小さい手で本棚から本を選ぶ。小屋に置いてある簡易的なソファに寝っ転がり、本を広げる。
(わたしもいろんなところぼうけんして色んな景色みてみたいなぁ)
自分の知らない世界に言って、色んな人に会って、そこでしか食べれないものを食べて、そういう生活に憧れているのだ。
しばらく経って屋敷に戻ると。
「リアナ 」
「ひっ......お、お母様......」
「あなたまた勉強をサボってあの古い小屋に行ってましたね?? 」
「いや、あの、えっと......」
(おこったお母さまはドラゴンよりこわいわ......)
「明日は部屋から出ないで勉強しなさい!」
「そんな!」
母にズルズルと連れ去られていくリアナ。
「いやーー!!」
これがこの屋敷での日常の風景だ。
───
元気いっぱいでハチャメチャだったリアナも17歳。成長し、落ち着いた令嬢に......はならなかった。
「やった!!この魚大きいわ!!!」
相変わらず、自由なリアナ。母は相変わらず頭をかかえ、侍女たちはもう慣れきっている。
そんなある日。 母に呼び出される。




