初めての
「ん…」
心地よい日差しの光を浴びて目を覚ましました
(何か結構色々あった気がするんだけど…微妙に抜けてる箇所がある気がする…)
ヒョーカは、結局全部は思い出せなかった。
思い出せたのは、嫁のことだけ…十分か
他は、なんとなくモヤがかかった用な、思い出せなくても言い様な良くない用な…良くわからない感じに包まれ歯がゆい気持ちになる
そして
ヒョーカは、考えるのを止めた
(今考えてもしょうがないか…)
ヒョーカ自身今の状況に、内心ウキウキしていてそれどころじゃなかった
(異世界は異世界なんだけど…違和感がめっちゃある)
(名前も服も髪も…異世界っぽくない…どちらかって言うとパラレルワールドなのかな?)
お前はいつ異世界を旅した!
行ったことないのに ぽくないとか言えないだろ!
とか 他の人から苦情が飛んできそうな感じがしますが…
ヒョーカが異世界だと言う認識を得たきっかけは、ヒョーカ自身の以前の趣味からきている
そう ヒョーカもとい氷華は 実は隠れオタクだった…
昔からアニメも好きだし、ゲームもするし、ラノベだって好きだし、コミックは自分が欲しいものは大抵持ってる
声優さんだって好き…と 言い出したらきりがない
でも、氷華がオタクだってことは家族、友人には内緒
唯一知ってるのは、陽菜ちゃん位か…そんなもの
ホントは知ってる人もいたんだろうけど、彼女の外見やイメージがオタクだと言うことを否定する
信じたくないだけかもしれないが…
だからこそ ヒョーカは勝手なイメージから異世界かパラレルワールドだと思った
(ん~とりあえず 何か行動起こさなきゃ!)
自分の考えを少しでも確信に近づけるために、いざ…
と思ったのだが…
(忘れてた、縮んだんじゃん)
(どーしよーかなぁ…)
考えているうちに目線が上に向くと
(ん?2本のバーの横に何かある!ボタンじゃない?あれ!やっぱりボタンなら押さなきゃね♪ポチっとな!)
そこにボタンがあるから~みたいなノリでボタンを押すと…
メニュー一覧
ボックス1
ステータス
魔法
召喚
パーティー
ヘルプ
なんてご丁寧に日本語で書いてあるじゃないですか
なんで 名前を確認した時に気がつかなかったのか、考える間もなく答えが出る
あぁ美男美女夫婦がいたからか…
リア充爆…おっと 危ないこっちの世界で父母を危ない目に合わせる所でした
とりあえず片っ端からそれぞれ押してみる
まずは、ボックス1 ピッと押すと見えない箱が2箱目の前に現れる
ふむ なんとなく予想は出来る
用はアイテムボックスでしょ? とその辺に有るものをひょいっと持ち上げて箱に入れてみる
(やっぱりね ちゃんと入った)
でも まだ 小さな箱しか出せなかったためそんなに物は入らなかった…
(まぁ 有るだけましか…)
とか 考えてつつ次はステータスを押す
-レベル2
-ミナツキ.ヒョーカ
-生命力 200/200
-魔力 4000/???
-筋力 C
-知力 A
-精神力 A
-機敏さ S
-魅力 A(SS)
-幸運 D
スキル なし
称号 リンの子供 魅力補正+2
ふむふむ 意外と全体的にステータス高い気がする…
魔力が明らかに生命力より高い
というか、???って何!
ともかく、私魔女子さんだったのね…
デッキブラシで、空飛べるかしら?
冗談は置いといて、機敏さS? 合気道やら空手のおかげかな
魅力には、触れないで置こう うん
今は縮んだお陰で上がってる可能性もあるしね
えと…幸運はまぁね 諦めよう
スキルは これからでしょ!
称号まであるのか…
嫌な称号つかないといいなぁ…
とりあえずステータスの確認はOK、次はお待ちかね魔女子ターイム!
やったね!ヒョーカちゃん!魔法が使えるよ!
張り切っては見たものの…どうしたら魔法使えるのでしょ?
そもそも今まで魔法なんて使えなかったし
(どうしたら 魔法少女になれるのかな?やっぱり契約とか必要だったのかな?)
(とりあえず…『水』でも出ないかな~?この辺にふわっと)
とか さらっと思って手をかざすと…
バスケットボール位の大きさの『水球』が目の前に現れる
というか浮いてる ぷかぷか
(!?)
何か手の向きに合わせて『水球』が着いてくる。
離れろ~!と床に向かって手をブンブン振ってると、出来た『水球』が床に落ちる。
やば!と思ったのもつかの間、ビシャ~っと音を立てて落ちた物だから、隣の部屋にいた母リンが飛んでくる。
「ヒョーカちゃん!大丈夫?怪我はない?」
必死になって我が子の身体の異常を調べるが、特にこれと言って傷も異常も見当たらない。
しいて言うなら床がビシャビシャなのと、床に落ちた水の反動でヒョーカ自身の服が下半身だけ濡れていたことだけだった
「ヒョーカちゃん 今日はいっぱい出ちゃったのね…」
出るわけないだろー!何がだよ!とヒョーカは、必死に思う。
とりあえずこのままじゃまずいので、「えと…うんと…」とか何とか言い訳を考えてる。
さすがに濡れたままじゃかわいそうだと思い、娘の服をまず脱がそうとして 母が気が付く
(あら?)
どう考えても普通の量じゃない
それに 水から僅かながら魔力を感じる
(まさか…この水…ヒョーカちゃんが出したのかしら?)
(今 うちにはおてつだいさんも彼もいないし…)
(さっきのからヒョーカちゃんが何か訴えてる気がする)
「ヒョーカちゃん これはヒョーカちゃんが作ったの?」
聞いてもわかんないか、とか思ってたら
「うん」
と返事が帰ってきた 物は試しに
「ヒョーカちゃん どーやって出したのかしら?」
ヒョーカは迷う事なく先ほどと同じように手をかざす
びっくりするくらいの早さで『水球』が出来上がった
そーっと母リンの顔を覗くと…
これまた びっくりする位キラキラ輝く笑顔をヒョーカに向けていた
(誰も何にも教えて無いのに、あの大きさの『水球』しかも『無詠唱』で出せるのがびっくり。今の今まで気がつかなかったけれど、ヒョーカちゃんから漏れ出てる魔力量ちょっと異常な気がする…確認しなきゃ…)
(でもまず 今日はお祝いかしら♪とりあえず 彼には内緒にしとこ♪)
「ヒョーカちゃん あなた天才だわ!でも パパにはこの事は内緒ね♪」
なんで、内緒なんだろう?とヒョーカは思いつつも誉められたことに頬が緩みっぱなしだった。
そして、自分が考えてたことをすっぽりと忘れてしまうヒョーカであった。