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首吊り死体が呪う村、痣のスミレの狂い咲き  作者: 藤野
第四章 隠された過去
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出来るのは今日だけ

 参拝を終えて家に戻ると、駐在さんがいた。

「……香寿、お母さんはあの人とお話ししてるから、学校行くよ」

「う、うん」

 愛花姉さんに肩を叩かれる。

 本当は行かないんだけど、準備をするふりをした。

「僕のこと待たなくていいよ姉さん達」

「そ……じゃ、お先に行ってきまーす」

 次々と出て行く姉さん達を見送る。


「……全員行きましたね。こうじゅさん、本当にいいんですか?」

「はい。スミレさんも、お母さんと駐在さんの話を聞いていてくださいね」

「もちろんです。……では、気をつけて」

「い、行ってきます……」


 不安そうに見つめるスミレさんを何度か振り返って手を振り、何度目かで僕は階段の方へ走った。松園家と竹園家の立派な家が流れるように視界から消える。

 両脇を木で囲まれた石畳の階段前に着くと、上を見た。幸いなことに、村の人は殆どいないようだ。

 少なくとも僕の顔を分かる人はいない……。


 一段一段上って行く。なるべく顔を見られないように下を見て。それでも緊張からどんどん足が早くなる。

 一番上まで辿り着いて、顔を上げた。

 大きな鳥居がそびえ立っていて、なんだかドキドキする。


 今日は二度めだ……。


 お辞儀をして、僕は鳥居をくぐった。

 まるで誰かが図ってやってくれたかのように人がいない。


 今日だ。もう今日しかない……!


 神社の奥の方から、花畑の匂いを乗せた生暖かい風が吹いた。

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