表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
14/60

足音

 夕食を食べて風呂に入って、僕は自分の部屋の布団で寝そべっていた。

 この部屋には僕一人。スミレさんはお母さんと同じ部屋で寝ると言っていた。

 もう皆布団に入ってからしばらく経つ。

 どこからかヒグラシの鳴き声が聞こえて、それが一層家の中の静けさを強調させているように感じた。

 きっと皆眠っているのだろう。


 今日は特に暑苦しくもなんともないのに、眠気がしない。思い返してみれば、今日一日で二人も人が死んだのだ。まだ興奮して寝れないのかも。

 そう思っていると、ぺた、と音がした。


 ——ぺた、ぺた、ぺた、ぺた。


 誰かが廊下を裸足で歩いている。

 耳を澄ます。すると廊下の右側から歩いているようだった。

 誰かが厠にでも行くのか。興味本位で布団から這い出る。

 僕は音が左手に消えるのを待って、襖をそーっと開け、隙間から足音の主を覗いた。


 ひゅっ、と僕の喉が変な音を鳴らす。

 するとそれが振り返る気配を見せたので、大慌てで襖を閉めた。


 どっと汗が噴き出す。

 縄だ。縄垂らしだ。死装束を着て、首に腐敗した縄を巻き付け垂らし、裸足で歩く〝縄垂らし〟が。いた。

 そうだ、僕は勘違いをしていたんだ。

 僕の部屋が一番端で、さらに右は玄関だ。

 そこから厠に行けるような人は玄関から入ってこない限りいない。


 梅園家にも、来てしまった……。


 また誰かが、殺される。

 もしかしたら僕も殺されるかもしれない。

 きっと〝あれ〟は僕に気がついた。


 ……眠ろう。

 僕は汗でべとべとなのに、頭から布団を被って震えながら夜を過ごした。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ