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そう言えばこんな友達がいた。
私の街ではなぜかくまのぬいぐるみに変身できる人がいて、あいつもその一人だった。くまレースに情熱を注いでいたあいつは休日になるといつも人間態で身体に重しをつけて公園を走っていた。そうじゃないとくまになった時に早く走れないそうだ。
そんなあいつも男の子なもので、好きな女の子が出来た。同い年の元気いっぱいなひまわりみたいな女の子だった。
「今度のくまレースで優勝したら告白するんだ」ある日、私にそう言った。
くまレースは学校の校庭で行われる、一周二百メートル、校庭を走ると言ってもくまのぬいぐるみじゃかなりの距離になる。出だしは不調だった、あいつはスタートダッシュに出遅れて、下位の組についたその中でも一番後ろだった。
が、それはいつもの事で、残り百メートルを切ったところで奴は一気に加速しだした。得意技だった、視線の先にゴールを決め、そこまで全力疾走する。短距離と同じ走り方するため、一瞬止まる、しかし止まっている内に追いつこうにも追いついたら復活して加速している。
「なんてクレイジーだ!?あの子は命が惜しくないのか?!」
観客の一人が頭をかかえて言った
狂ってるに決まってる、あいつは恋をしているのだから。短い人生、命なんてむだに消費してこそだろう。
一位と数十メートル差をつけたところで
私は勝利を確信した。思えば長い戦いだった、くまに変身できるってだけで女の子に笑われ、親に止めろと言われ、レースに何度も負け、今あいつはひとりで校庭の土を蹴り上げ、
ゴールに向かっているよ
ああ、神様、神様っているんだ
私はそんな歓喜に溢れていた、その時
「さーくんがんばれーっ!!」
誰かが叫んだ、声のする方を見るとそこにはあいつが告白しようとしていた女の子が汗まみれで立っていた
すると、二位のくまは沈んでいた身体をぐっと上げて、凄まじい加速をみせた。
そのまま、一位のあいつをぶち抜いてゴールしてしまったのだ。倒れ込んだ一位を走ってきたあの子が強く強く抱きしめた。あいつは目を回して、ゴールから数メートル先で倒れてしまったのだった。
帰り道、銀色のトロフィーを抱えながら
あいつは泣いていた。私は慰めの言葉もかけられずにただ一緒に歩いていた。
しかし、その時だった
「やっと見つけましたよ!お師匠



