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そう言えばこんな友達がいた。
それは夜中、歩いてる時だった。閉店してるスーパーの前を通ったら公衆電話が鳴った。
私でも知ってるようなベルの音だった。
電話をかけてきたのはどうやら同い年の女の子らしく、私は数分の通話だけで一方的に友達にされてしまった。
数日後の深夜、また公衆電話が鳴った。
女の子は嬉しそうに今日作ったロールケーキの話をしてくれた。私はと言えば女の子に合わせる話なんか無くてただそれを聞いてるだけだった。
それから何回か電話したが、その子はいつだって夢ばかり話していた。私は反対に現実のことばかり話すようになっていた。電話してくるのは月が出ている晴れた日だけだった。
しかし、ある日の電話から彼女は夢を話さなくなってしまった。逆に私ばかり夢とか今日あったいい事とか話していたけど、彼女が喜んでくれる事は無かった。
そして、彼女は多分
死んだ。
最後の日に彼女が言った「さよなら」
あれはもう明日、おひさまの光を浴びて学校に通う様な女の子の言い方では無かった。
十円玉を何回入れても跳ね返されるばかりで、私は遂に彼女のさよならを受けいれることとなった。
もしこの世に彼女を夢から引き離した人間がいるとして、殴れるなら私は一発ぶん殴っているだろう。しかし、もうあの公衆電話もスーパーもあの場所には無いのだ。
今でも公衆電話の前を深夜に通ると、私は電話があの時みたいにかかって来ないか期待してしまう。だから、財布にはいつも十円玉をいくつか入れているのだ




