10/18
10
そう言えばこんな友達がいた。
その子は光に手を近づけると、虹色にちかちか変化するのだった。でも、私以外誰もそれに気づいてはいないらしく、それどころか私の目が虹色になっていると笑われたりしたこともあった。仕組みは一切不明だが、あの子の手をじっと見ていると、私の目の色まで虹色になるらしい。
中学校卒業までは虹色だった、昆虫図鑑でタマムシってのを見たことがある、それに似た色だった。だけど、中学の卒業式の日に手は
どんなに光が当たっても虹色にはならなかった。なぜか、その時に思い出したのが修学旅行の日、その子が寝ている部屋まで来て、手を握ったことだった。保冷剤みたいに冷たい手、肩に近づくにつれて少しづつ温かくなっていく。あの時、手を光に翳したらどんな色だったのだろう。ああ、良くないなそんな事を気にしてしまうのは。
私の手は今日も虹色にはならない
そして、ほんのりあたたかい




