↓ ↑ページトップへ
表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
1/3

第一話

転生悪役令嬢である主人公が、ヤンデレな王女殿下とメンヘラな義妹からダブルで激重な愛情を向けられ、取り合われる短編ラブコメ小説です。

タイトル:『悪役令嬢の私は、王女殿下と義妹の愛が重すぎて今日も逃げられない』

ここは乙女ゲームの世界……のハズだった。

悪役令嬢である私・クラウディアは、ゲームのシナリオ通り断罪される運命を回避するため、主人公(ヒロイン)や攻略対象たちと一切関わらないよう、ひっそりと目立たず生きる道を選んだはずだった。

――なのに、なぜこうなった。

「クラウディア……。ねえ、私以外の誰かを見ていたでしょう? あの男と話していたのはなぜ? 許さないわ、あの男の家門くらい、明日には跡形もなく消してあげるから」

私の背後から、ひんやりとした美しい指が首筋を這う。

振り返らなくてもわかる。この国で一番権力があり、一番狂おしいほど私に執着している人物――第一王女にして私の婚約者(自称)である、アイリス殿下だ。

その瞳には狂気の光が宿り、私以外の人間が私の視界に入るだけで不穏な粛清計画が脳内で実行される危険な御方である。

さらに、私の服の裾をキュッと掴んで上目遣いになってくる影が一つ。

「お姉様……。アイリス様ばっかりずるいです。私だけを見てくださいって、あんなに言ったのに……。お姉様が私を置いてどこかへ行くなら、私のこの手で足の腱を切って、一生お姉様のお部屋から出られなくしてあげます……ね?」

義妹のリリアーナが、潤んだ瞳でそんな物騒かつ甘ったるいセリフを囁いている。

彼女の愛はメンヘラそのもので、私が他の貴族に笑顔を向けようものなら、その日の夜は枕元で「私を捨てないで」と一晩中泣きながら、私の持ち物をすべて彼女の匂いで染め上げようとする危険人物だった。

――助けて神様。私はただ、平穏にスローライフを送りたかっただけなのに!

「ふ、二人とも落ち着いて……! 私はどこへも逃げたりしないから!」

冷や汗を流しながら両手を突き出して宥める私に、アイリス殿下とリリアーナはピタリと動きを止めた。

「……本当? 逃げない? じゃあ、私のものだという印に、今すぐここで私と誓いの口づけを交わして。それとも、あの義妹と私、どちらが大切なのか今すぐここで選ぶ?」

「お姉様、嘘はお仕置きです。アイリス様になんて渡しません。お姉様は私のもの、私だけのものなんだから……!」

二人のヤンデレ&メンヘラの圧力が物理的に空間を歪めそうなほどの重さで私を包み込む。

どちらを選んでも破滅、どちらを拒んでも血を見る。

――あぁ、悪役令嬢の断罪イベントよりも圧倒的に難易度が高いんですけど!?

冷や汗を流しながらも、私は今日も今日とて、二人の愛の重さに挟まれて必死に生き延びるのだった。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。