第73話 ドワーフ地下帝国建国からの観光
「それでは新しいドワーフの国、ダンディ国の建国です!!」
こちらの公園にやってきて二日目の朝、
地下鉄という乗り物でやってきたここは、
ハルクパークへ移住してきたドワーフの新たな国らしい。
(テープカットをさせられる私、新しい『駅』とやらの正式開通式でもあるらしい)
ハルクパーク駅からスタジアム駅、
そしてここダンディ駅へとやってきて、
そこからドワーフ国へと繋がる大きな玄関口とでも言うか、そこでの式典だ。
「ではこのわたくしマイクベラが、初代ダンディ国王にお聞きします、いかがでしょうか」
「うむ、ようやくまともな土地が、国が手に入ったわい、地下鉄もこの先の『鉱山駅』まで便利で助かる」
「鉱山駅に観光名所などは」「一応は山の頂上まで行ける、そこでダークネスドラゴン殿を呼ぶ祭壇を造った!」
テープが回収され、
駅からドワーフ国へ流れる者達、
新しく移住してきたドワーフの他にも色々と。
「叔父様、観て参りましょう」
「ああ、ハルク殿は」「私は色々と込み入った話があるので」
名の知らぬ黒猫獣人の先導で、
両脇に可愛らしいドワーフの女性をはべらせて、
ダンディ国王と一緒に行ってしまった、忙しいのだろう。
(入れ替わりでフィーナが黒猫獣人を連れてきた)
なぜか両手が大きく尖っている。
「ダンバム殿、彼女が案内してくれるそうだ」
「ベラツーと申します、工事担当のサブリーダーです」
「その両手は」「発掘用ドリルです、取り外せますよ、ほら」
中から普通の手が出てきた、良かった。
「こちらの入口は」
「一般観光客向けですね、外部からの商人エリアでもあります」
「ではこちらで商談を」「それはハルクタワーの地下です、対外交渉のほとんどはそちらで」
こちらへ来る道中で聞いたな、
あの塔の地下、その大部分をドワーフが手に入れたものの、
それでもドワーフにとっては狭く、鍛冶施設はあるにはあるが仕上げ程度であると。
(メインはこちららしい、火山爆発により移住してきたドワーフの国、か)
確かにタワー内の華やかさは無く、
無骨とした感じだが男として嫌いじゃない、
そしてドワーフの街としては意外と綺麗だ、いや衛生面もだが、内部の造りが。
「ドワーフの棲家と聞くと、もっと蟻穴の巨大版を、洞窟を想像するのだが」
「ハルクパークレジデンスの地下部分とそこまで変りませんが、全体的に広めに取っています」
「多数の民衆が居るためか」「あと、大きな斧とかハンマーとか運びやすいようにですね」「なるほど」
こうしてドワーフ国内部、
こちらもこちらで三十階あるらしいが、
それぞれの階が高くて広いので本当に移動が大変だ、と思いきや……
「要所要所で、自動で動く道があるな」
「動く歩道、歩道エスカレーターですね、ゆるい坂にも対応しています」
「叔父様、外の空気を吸いましょう」「あ、ああ」「ダンバム殿、あちらのエレベーターを使おう」
こうして山の外へ出ると、
遠くにハルクパークの塔が見える、
そして絶景……中と外の違いが凄いな。
(逆方向を見ると、今居る岩山の山頂が見える)
あそこもあそこで展望台だろうか。
「ベラツー殿、あそこへは」
「こちらのモノレールで行けますよ」
「ほう、馬車のようだが馬が居ないな」
クルマより横の風通しがある。
「エルフ農園からエルフ住居へ行くために、
同じ物があります、さあどうぞどうぞどうぞ」
「うむ、アイリス、足元を気をつけよ」「叔父様もですわ」
こうしてベラツー殿を運転席にし、
モノレールとやらに乗って急斜面を昇る、
いや本当に凄い斜面を、動力源は何なのだろうか?
(いやはや、この景色だけで観光になるな)
フィーナ殿の巨体が乗っても安定している。
こうしてしばらくして山頂へ到着したのだが、
ダンディ殿の大きな銅像があって、あとは広場が設置されているな。
「ベンチも沢山あって、ピクニックにも最適ですよ」
「ベラツー殿、王都からこちらへ客を呼ぶには良い場所だが、他には何が」
「一応、計画ではギャンブル場が浮上しています、賭博場ですね、室内闘技場とか、あとは……」
そう話していると、
ハルクパークの方向から大きなドラゴンが!
「まあっ、ドラモンですわ」
「ふむ、ドワーフ達が召喚したな」
「こちらへ来ますね」「あれは我々を温泉から塔へ運んでくれた!」
ダークネスドラゴンが、
広場に降りて噴水の水を飲んでいる。
「ナンダ、オマエタチモクルカ」
「皆さん、いっそ鉱山まで連れて行って貰いますか」
「叔父様、せっかくですから」「地下鉄で行く手間が省けるが」「そ、そうか、では乗せて貰おう」
伏せるダークネスドラゴンの背へ、
そして舞い上がる、いやはや浮力が凄い、
重力を感じる、そしてベラツー殿が運転? して行った先は……!!
(あれが、鉱山の頂上か)
ドワーフ達がわらわらと、
こうして祭壇のような所に着地すると、
皆が、ドワーフの連中がひれ伏している。
「「「「「「「ドラモン様ーーーーー!!!!!!!」」」」」」」
まさに降臨、といった感じだ。
(私は、その背中で見てて良いのだろうか……??)
果たして、どのような儀式が???
これもまた、ある種のひとつの観光か。




