第142話 大雨の朝からの新城塞都市
「わあ、ザーザー降りだ」
翌朝、窓の外は大雨で、
それでもエンシェントドラゴンは朝食のマグマを食べに元気に出発、
この雨じゃ移住希望者がまだ居ても延期だな、ドラゴンの背中に屋根付けるのなんて国王レベルでなきゃ。
(ということでテレビをポチリと)
うん、国営放送はニュースをやっている、
ちなみに今はまだ試験放送だが正式な開局は、
アマーティンさんが国王陛下として来る日に合わせるらしい。
(今は王妃の姉だか妹だかの、アニスさんがインタビューを受けてる)
病室のベッドだがもう元気そうだ、
食事が美味しいとか言ってるけど病院食だぞ、
まあ、直に退院して陛下の住居エリアに引っ越すだろうけど。
「ハルク起きたか、おはよう」
「はいフィーナさん、おはようございます、アイリスは」
「姫は朝風呂だ、メイドの黒猫獣人に洗って貰っているぞ」
ふとここで思いついたことが。
「……ウチのメイドに、たまーにしれっと、僕の母を混じらせる事はできますでしょうか」
「ふむ、考えておこう、ただこういうのはおそらく、本人の意思が重要になってくるだろう」
「あっ嫌なら良いです、僕に直接触れ合うことで、嫌な記憶を思い出させるくらいなら」「それも含めてな」
テレビでは天気予報、
こういうのはやり国営放送の安心感よ、
いや、あんまり信頼し過ぎるなと前世の僕が言っている。
「気象予報士のフクイベラさんによると、今日は雨は止まないのかぁ」
「しかし地下施設が充実しているからな、ドワーフ国なぞは通常通りだろう」
「逆にエルフはお休みしてそうですね」「コンテナとやらの世話は」「あっそれがありましたね」
室内でお米作るやつ、
まあ、あれはあれで限られた数のエルフだ、
ほとんどはゆっくり、タワマンにはエルフも住んでるし。
「園長、あちらをよく見ると」
「あっガーベラさんおはよう、ぬるっといつのまに」
「私とイザベラとベラドンナはどこでも出入り出来る設定では」「そうだっけ」
……おそらくフィーナさんはマンション側の鍵、
セキュリティの設定だと思うように聞いたのだろうけど、
これはAIアンドロイドとしての設定だ、つまりその気になればいつでも陛下を殺れる、いや、やらないけど!
(命令して僕に夜這いさせる事も可能、やらないけど、今はまだ)
逆に僕がいやなんでもない、
そんなことよりガーベラさんの言う方を見下ろす、
わあ芝生の上を元気そうにウェアウルフが駆けてる、さすがワンコ。
「あれは何か作業を」
「いえ、単にはしゃいでいるだけかと」
「って懐かしの足湯にダイブしてるっぽい」「それくらいは大目に見ましょう」
ラブライス用のお風呂も出来たことだし。
とか見ていたらアイリスが朝風呂から上がってきた、
しっかりバスタオルを捲いているのは倫理的な行為か撮影的なアレなのか。
「ふう、良いお湯でしたわ」
「アイリスおはよう」「おはようですわ」
「温泉も良いけど、普通のお湯も良いよね」「ハルク様と一緒でしたら、なおですわ」
さすがにそれは、
いかにここの法律が僕だろしても、
前世の倫理観がすっげえアラームを鳴らしている。
(湯気で隠れているからどうこうってレベルじゃないな)
フィーナさんなら全てのうえで、
って見ると朝からココアを飲んでるな、
匂いでわる、僕も後でいただいちゃおう、って先に朝食かな。
「それで園長、本日の予定ですが」
「色々と変更ですか」「そうですね、ただ今日、やっていただいた方が良いことも」
「たとえば」「地下鉄の支線が繋がりました、新駅も完成しています」「でも、行った所でまだ誰も」
しいて言うなら支線用の鉄道警官くらいか、
あの3人組に1人追加される事になるが誰が入るんだ?
おそらくパッション溢れる黒猫獣人AIアンドロイドなのだろうけど。
(意外と女子力が高い、甘甘な心を持つタイプかな)
まあ会えばわかるか。
「旧領民用のミニ城塞都市は予定通り造られた方が、安心させられるかと」
「でもこの雨だからね、ざーざー降りだから」「なんだ傘くらいなら差してやるぞ」
「フィーナさんのお心遣いは嬉しいですが」「あら、わたしくは雨でも見学したいですわ」
やばい、アイリスがそういうことを言うと、
フィーナさんの強権が発動してしまう、まあこの間の、
魔の森奥地で撮影させられた冒険者活動に比べれば……あの時より雨は強そうだけど。
「そこで園長、ご提案なのですが」
「ガーベラさんからですか、何でしょう」
「新しく造られる都市は、いっそドーム都市になさってみては」
……その手があったかー!!!




