第141話 孤児院でもパーティーからの目がεεな犬
「さあみなさん、もうすぐ夜10時のお開きですが、公園の園長さんが来てくれましたよー!」
「「「「「「「「「「わああああああああああぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁーーーーーーーーーーいいいいいいいいいいい!!!!!!!!!!」」」」」」」」」」」
「あーうるさい」「ハルク」「ごめんなさいフィーナさん」「ハルク様、子供が元気なのは良い事ですわ」「ってアイリスより年上も居るけどね」「それはそれ、ですわ!!」
ということで陛下の歓迎パーティーを早めに抜け出し、
いやもう陛下が去って事実上のお開きになってからだが、
12~14歳用孤児院にしている県民会館『がんばれ荘』の食堂で孤児のパーティーに参加、終わりかけだけどね。
(っていうか騒ぎ足りない、食べ足りない孤児院の小さい子がこっちへ合流している)
あと孤児院の黒猫獣人AIアンドロイドもね、
えっ院長のジャルノさんはって? 孤児院の方ですよ、
もう疲れて寝ている子らの世話、というかぶっちゃけ院長も疲れたらしい。
(僕だって本当は撮影もとい強制的に冒険者させられて疲れている、はずが)
ホーリードラゴンのドラミンが、
ばっちり回復魔法をかけてくれたので平気です、
ただ精神的には疲れてるから眠ったらきっと爆睡だろう。
「じゃあみんな、僕から差し入れのピザだよ」
「わーい園長ありがとー」「おーチーズが耳まで!」
「こんなにいっぱーい」「うめえうめえ」「朝に残しておきたいわ」
いやーなぜか国営ラジオ局長の、
『ピザ食べなよピザ』
が耳に残ってしまい、
途中でテイクアウトをいっぱい買ってきてしまった、
ちなみに夜中の1時までやっている、ってフィーナさんとアイリス姫も食べてるな。
(陛下のパーティーで結構、食べたはずなんだけどな)
ピザは別腹?
いやデザートじゃないし、
前世の記憶じゃ確かに『デザートピザ』ってあったけど、これは普通のピザだ。
「あれっ、ウェアウルフが働いてる」
「園長、新しく当『がんばれ荘』で雇いました」
「よりによってウェアウルフですかピヨベラさん」
この館の管理人さん(未亡人風)だ。
「はい3頭、はいワンコみんな来てーーー!!」
「がうがうがう」「ががうがう」「うががうがう」
「なんだかみんな目がεεなんですが」「年配ですから」
ウェアウルフも齢を重なると賢くなるのかな。
「どうもハルクパーク園長のハルクです」
「がううがう」「こちらはリーダーの『ソー』速いので」
「ええっと、ああ、走るのソーね」「うがうーが」「お任せ下さい、と」
そうそう黒猫AIアンドロイドは、
ウェアウルフの言葉を通訳できるのでした、
相変わらず魔物か獣人かで意見が分かれる種族です。
「うーががうがが」「こちらは『イチ』最初に来て頂いたので」
「えっ名前ってピヨベラさんが付けているんですか?」「そうですね」
「本当にワンコじゃないですか」「同僚で同居人で、いわば家族ですから」「がーう」
大きく頷いてら、
なんとなく言ってることがわかるのかな。
「最後が『ロー』動きは遅いですが力持ちです」
「ががうがうがうががうがう」「荷物は任せろと」
「なるほど、頼もしいですね!」「ただちょっと食事の量が」「があうっ」
何を自分でアチャーみたいな仕草してるんだよ、
でも個性があって良いな、ウェアウルフの、用務員さんって言い方で良いのかな?
やんちゃ・おてんば盛りの年齢の子供を世話してくれるには丁度良いくらいかもね。
「じゃあ頼んだよ、『ソー』あと『イチ』それと『ロー』みんな!」
「「「がうがうがう!!!」」」「これで子供達の、亜人獣人への偏見も無くなると良いのですが」
「あっ、そういう狙いも」「幸い、そういうのを嫌う子は今の所は」「うん、今回こっちに移住する人の最低条件だからね」
エルフやドワーフとの同居可、
まあこの場合の同居は一緒の領地に住むってことなんだけど、
この『がんばれ荘』だと本当の同居になっちゃうのか、まあ良い事だと思おう。
「それで園長にご相談が」「はいはいなんでしょう」
「アルバイトしたいという子が」「それはタワマンの相談所へ」
「中でも冒険者になりたいと」「それってアルバイト?!」「まあ年齢的には」
あっそうか学校も通わせないとだからね。
「フィーナさん」
「うむ、私が暇な時に見てやろう」
「あるんですか暇な時間」「作れば良い」
いや僕との時間を削られるのは勘弁。
「そんな顔をするな、私は姫が最優先だが、次はハルクだ」
「は、はい」「だからハルクも姫を最優先にしろ、さすれば私を2番目にする事を許そう」
「ハルク様、わたくしはハルク様のことが最優先ですわ」「次は?」「2番目も3番目もハルク様ですわ」
相変わらず愛が重い。
(いいかげんアイリスもちゃんと愛してあげないと)
いや、ないがしろにした覚えは無いが、最近は。
「さあ皆さんそろそろ消灯の10時よ、と言いたい所ですけれど……」
おっ、ピヨベラマジック発動か?!
(と、僕がこの孤児院に住んでたら言ってたな、孤児だったら)
まあ両親もう居ないし、
って実の母が居るんだった、
今は陛下パーティーの後片付け中か。
「ハルク園長の計らいで、10時半まで大丈夫よ!」
「えええ」「ハルク、ここは話を合せる所だと思うが」
「はいフィーナさん、じゃあ10時半まで、パーティータイム延長!」
大いに盛り上がる食堂、
いや、続けて『園長だけにね!』と言いかけたが、
心に留めておいてよかった、さあ、では僕はっと……
「ハルク様」「さ、さすがに今日はここに泊まるとかないよねアイリス?」
「今夜は普通に家で眠りたいですわ」「ですよねー」「甘えさせて下さいませ」
「うん、良いよ」「ハルク、姫が眠りについたら私に甘えて良いぞ」「さすがフィーナさん」
ということで、
この夜はぐっすりでした、
おかげで夜中の花相撲再放送@国営テレビが観られなかったよ……。




