私を知る人
「普通だったはずなのに~!」
魔法学園へ入学して。
これからいろんな魔法を教えてもらう普通の生徒のはずだった。
なのに、今回特例でできたSクラスになってしまった。
普通のクラスではないらしいじゃないですか!涙。
家では生活魔法しか使わなかったですので案の定、魔法というものを全然知らないのです。
確かに、幼い頃お父様やお父様のご友人に魔力の流れを感じる訓練を教わりました。
それからは日課として毎日鍛錬はしてきました。
ですが、その他は生活魔法を使うくらいしか魔法というものに触れる事は無かったのです。
ですので、その他の魔法なんて解りません。
一体これからどうなるのでしょう。
────────────
校長先生方がお話してくださいましたので、この場はすんなり収まりました。
ですが一応私が騒動のきっかけでしたので先生方に謝りたいと思い話をする為側へ寄りました。
「先生方、私のせいで騒ぎになってしまいまして申し訳ございませんでした。」
と話し出すと、
「いや。君のせいではないだろう。」
と校長先生が仰います。
「むしろ、コイツが悪い!」
と引率の先生へ目を向けます。
「いや、本当にすまないことをしました。こちらこそ申し訳なかったですね。」
と引率の先生が言ってくださいました。
「さて、終わったことだ。もういいだろう。それより、次はHRがあるから教室へ移動した方がいい。」
と言われました。
確かに周りの生徒は少しずつ移動しています。
そして、
「Sクラスの生徒は――――……。ああ。ちょうど集まっていますね。では行きましょうか。」
?
もう集まってるって……。見回してみると、先程の方々です。
『ええー!私の擁護してくれていた人達皆さん同じクラスの人だったー!』
驚きです。
――――というわけでSクラスの教室に案内されました。
今は各々のんびりとしています。
先生がいらっしゃるまでひとまず休憩なのだそうです。
が、1人落ち着かない人がいます。
そう。私です。
あわわわわわ。
「どうしましょう~。」
「どうしました?」
何だか私のお守り役のように側にいてくれる、この濃灰髪の緋色の眼の方が心配そうにこちらをみてきます。
「私はすごく平凡なのです。」
「ですので、普通に生活に困らない賃金が貰える仕事に就ければ良いのです。」
ぶつぶつ私は続けます。
もはや独り言のようです。
「それで毎日大切な人達と楽しく過ごして、あとは普通に結婚出来ればなぁ。なんて。」
と。
「……。」
「そんなくらいしか望んでいませんでしたのに……なんか、すごいクラスになってしまったようで。私は魔法もよくわからないのに。一体どうしたら。」
もう絶望的な顔をしている事でしょう。
すると、
「大丈夫ですよ。」
と聞こえてきます。これまで隣で静かに聞いていてくれた。もう何回も登場している濃灰髪の緋色の眼の男の人です。
「大丈夫だ。」
「……大丈夫?」
私が『大丈夫ってどうゆうことですか?』と顔に出していると、続けて不思議な事を言います。
「御両親にもそう言われませんでしたか?」
「!?言われたわ。……?!」
確かに試験結果を見てお父様達はその様な事を言っていました。
けれど、何でこの方は知っているんでしょう?!
この前はぶつかっただけで、ちゃんとお話するのは今回か初めてだと思うのですが。
この人は……?
「ああ。やっぱり。私の事を忘れていますね?」
なんだかまた悲しそうです。
この前初めて会った時にぶつかって……という事はぶつかった後に笑ってはくれていましたが、実はその事を根に持っていて私の事を調べた……?
うん。これですね。これしか思い浮かびません。
「この前はぶつかってしまってすみませんでした!」
潔くもう一度謝ることにしました。
――あれ?
なんだか更に悲しそうな顔になっています。あからさまにショックを受けた顔になっています。
『えーーーと。どうしたら?』どう反応したらよいか脳内で対策会議を開きかけたところで、
少しモチベーションを気力で戻した彼はまた話し出しました。
「はぁ。違いますよ。この前は私も久しぶりすぎて動揺して笑うくらいしか出来なかったのですからね。」
まだダメージがあるのか弱々しいですが説明してくれています。
「さっきもおっしゃっていましたが、久しぶりって。」
どうゆう事なのでしょうか?
「はぁ。俺だよ。ロイヤード。」
素の話し方で接してくださるようです。
「ロイヤード・ディ・オルビン。」
「……。え~っと。」
「はあ?まだ思い出せないのか?」
申し訳ないです。ちょっと涙目にさせてしまっています。
う~~~。でも~~~。
「……。ごめんなさい。」
「昔、一緒に魔法の練習しただろう?」
「昔?えーと。魔法?!――――。」
昔というと。お父様と、お父様の御友人の方に魔法を時々教わって……。
そういえば時々男の子が一緒にいたような。
名前は確か……。
はっ!
「ロイ!」
思い出しました!
「オルビン侯爵様の御子息ですね!」
やりました!なんと!全然初めましての方ではないじゃないですか!それにしても幼少の時以来お会いすることもなくなってしまっていたので、大人になった彼に気づけなかったのですね。
もうなんとな~くの面影しか残っていませんね。
時が経つのは早いものです。
でも、よかったです~。根にもっていたとかじゃなくて!(←まだ言っている。)
ふぅ~。スッキリですね!キラン!
「やっと思い出したか!」
でもまだ悲しそうです。
うん?思い出しましたよ?ですが何でしょう。まだ何かあるのでしょうか?
「???」
私は疑問符いっぱいで首を傾げてしまいました。
すると何やら悶々としています。
今度はいったい何だと言うのでしょう~。
わからずに膠着状態です。
すると、
「ふ!はははは!」
違う男の人が笑いながらやってきました!
あ!先程ロイと仲の良さそうにしていた男の人です。
「失礼。もしかしてお嬢様はアリミアさんでいらっしゃいますか?」
あら?この方も私を知っているようです。この方もお知り合いでしたっけ?
ですがこのように綺麗な男の人はなかなかいらっしゃらないので、初めましてだと思うのですが。
「はい。そうです。初めましてでよろしいでしょうか。アリミア・ディ・シアードと申します。」
「お初にお目にかかります。エルメイ・ディ・ブロンクスと申します。ルーイと呼んでいただけると嬉しいです。」
良かったです。やはり初めてでした!
ん?しかし。ブロンクス家って……!っはぅあ!
「御丁寧にありがとうございます。ブロンクス公爵家の御子息様ですね。何分お顔を初めて拝見させていただいたもので存じ上げておらず大変失礼いたしました。」
ひー!やってしまいました~!
お母様のお怒りを買いそうです~。
「そんな堅くならないでくださると嬉しいです。私もアリィと呼ばせていただいても?」
とても優しい方でした~。良かったです~。
「はい。是非気軽にお呼びくださいませ。」
「ところで私も大丈夫だと思いますよ。アリィの魔力は強そうですから。」
魔力は強そう?これについてはよくわからないので何とも言えません。
「それよりも……。おい!ロイ!」
ルーイ様がしばらく黙って私達をみていたロイを呼びます。
ギクッ!!
『何やらあからさまにギクッとしていますね。』
「ふふふ。この方がお前がずっと――――。――たがってた。」
ロイがルーイの言葉に被せて話し出してしまったので所々聞こえないです。
「わー!おいルーイこれ以上喋るな!」
「いいじゃないか!ずっと話を聞かされていたんだ。しかし……。ぷっ!まあ、頑張れ!」
「……ああ。」
何やらルーイ様は楽しそうで、ロイはずっと悲しそうですね。
「ああ。まあ忘れられてたくらいだからな。」
何やらぶつぶつ言っています。
「これから。そう!これから。だな。」
あっ。少しだけ元気になりましたね。
?よく聞こえませんでしたがとりあえず励ましておきましょう。
「元気出してくださいね。」
精一杯の笑顔付きです。
この一言でまたロイが悲しそうな顔に戻ってしまったのは言うまでもなくでした。
この流れは次回も続きます。




