ストーカーのためにスク水買って!
「裁縫上手なんだね」
「……♪」
俺がそう言うと、彼女はデレデレしながら慣れた手つきで脅かし役用の衣装を縫っていく。
楽しい彼女との文化祭の準備期間はあっという間、もういくつ寝ると文化祭だ。
彼女を応援して効率をあげるという仕事に励みながら、完成した文化祭のパンフレットを眺める。
当日はどうにかして彼女と文化祭を楽しみたい。
自分達で作ったお化け屋敷に二人で入るのは勿論、演劇部の出し物だって見たい。
どんなスケジュールにしようかとパンフレットをパラパラとめくっていると、とあるイベントが俺の目に留まった。
俺単体なら何の興味も惹かれないイベントではあるが、彼女からすればどうなのだろうか。
『フレグランスさん、女装ってどう思いますか?』
その日の準備を終えて帰宅した俺は、ネットゲームで彼女にそれを聞いてみることにした。
そう、気になったイベントは女装コンテストだ。
俺単体ならば見るのも嫌だし、出るなんてもっての他だ。
しかし女装男子が好きな女の子はそれなりに多いと聞く。
彼女が女装好きではないことを祈って聞いてみたのだが。
『はい、大好物ですよ! 童顔な男の子の女の子にしか見えない女装も好きですけど、ガチムチの人のオカマっぽい女装も大好きですね! 個人的には似合う似合わないじゃなくて、羞恥に悶えているのがポイントですね!』
はい、女装コンテスト出場決定しました。あーもう彼女の馬鹿!
『……ちなみに服装の好みとかはあるの?』
『ゴスロリとかセーラー服とかいいですよね、一押しはやっぱりスクール水着ですが』
『そ、そっかー。ごめん、ちょっと落ちる』
スクール水着……スクール水着を着てきゃぴきゃぴしてる自分を想像するだけで吐きそうになるが、彼女からすればごちそうなのだろう。
俺はネットゲームからログアウトして、家を出て原付に乗り走り出す。
これなら彼女に尾行される心配はない。
向かった先は……
「らっしゃい。いいの揃ってるよ」
「……俺でも着れる、スクール水着なんてありませんかね?」
そう、ブルセラショップだ。
ここなら男の俺でも安心してスクール水着が買えるし試着もできる。
流石に彼女に尾行されたままこんなところへ行くわけにはいかないからね。
「兄ちゃんガタイいいねえ、一番でかいサイズでもきついかもなあ、下手したら着てる途中にビリビリっていくかもしれん。それでもいいのかい?」
女装コンテストにスクール水着姿で出て、おまけに途中でそれが破けたとなれば、もう俺は学校には行けないだろう。
「……覚悟の上です」
「毎度あり」
しかし、そんなリスクを背負ってでも、俺は彼女を悦ばせたいのだ。
こちとら彼女に監視されているし、自慰だって見せているんだ。
今更何を恥ずかしがることをあると自分に言い聞かせて、スクール水着を購入。
試着室でそれに着替えて、鏡にうつる自分を見る。
……吐きそう。
自分のスクール水着姿が脳裏に焼きついて気持ち悪くなりながらもアパートへ戻り、ネットゲームにログイン。
『あ、深淵さんおかえりなさい。何してたんですか?』
『……ちょっとコンビニにね』
『ふーん……あ、そうだ。この装備着てください』
そう言って彼女は俺に、スクール水着の装備品をプレゼントする。
『これをどうしろと』
『着てください。ネタ装備かと思われるかもしれませんが性能は普通にいいですよ』
断れずにそれを装着し、そのまま数時間彼女とネットゲームを楽しむ。
ゲームの中でも辱めを受ける俺であった。




