えぴそーど3 姫様御紹介
「はーいみんな注目!」
言わなくたって,みんな俺に注目してるよシマムー。
「今日はみんなにお知らせがあります。この度,姫宮優くんはご覧の通り女の子になってしまいました。」
それは言われてもわかんないだろうよシマムー。
ほら,みんな怪訝な顔して何やらひそひそ話してるよ…。
ざわざわ。
「え…,あの子ホントに姫宮くん?」
「嘘だぁ,姫宮君の影も形もないじゃない。」
「あいつどこの国のお嬢様だ?」「身なりからして中学生じゃねえよ。」「でも姫宮君は今日欠席だし。」「風邪か何かだろ?」「またシマムーがトチ狂ったんじゃないの?」…………。
えっと,なんだか話を切り出しにくいぞ…。
ってか仮にも先生を本人の前で狂人扱いするなよ。
あぁ,切り出しにくいな。
「みんな!!何を愚かなことを言っている!!そこにいるのは我等がクラスメイト,姫宮優本人だろ!!」
福島!お前こういうときに限って頼りになるや
「何しろ彼,いや彼女は俺と等しき夢を語り合った同士であり,そして俺のために自らその究極かつ至高の姿を体現した奇跡のロふぐおあぁ!?」
「誰がてめぇのためにこんな格好になってやるか!!」
我慢できなくて放ったチョークが見事に刺さった。
俺を勝手に同士にするな!
ざわざわ。
「ロ…?」
「たっ確かに姫宮ならあんな感じでツッコミしかねないな…。」「もしかしたらあの子,ホントに姫宮くん?」「それより福島大丈夫か…?」………。
むむ,良くも悪くも俺のことわかってくれたみたいだな。
福島,貴様の犠牲は無駄にしないぞ。
「えー,何だか知らないけど,気づいたらこんな格好になってしまいました…。多分このまんまかもしれなくて,みんなには迷惑をかけることもあるかもしれないけど,そこはひとつよろしくです。えっとそれと…」
ここで不覚にも間をとってしまった,
うわぁ,みんな俺に注目してシーンとしてるよ,何か言わなきゃ…。
「えっと…,かっ可愛いとか,あんまり言うなよな…。」
馬鹿か俺!?
いくら思いつかなかったからってこんなこと言うか!?
すまん福島,お前の犠牲は無駄にな
「素晴らしい!!これぞまさに伝説上の生き物とされている天然ツンデレ少女ぐほあぁぁ!!?」
我慢できなくて放った黒板消しが見事に脳天にクリーンヒットした。
お前は少しくたばってろ福島!
…っは!?これではまた場の空気が…
「…姫宮君可愛い…」
……は?今どこからか聞こえたような…。
わいわいがやがや!
「姫宮君照れてるー,可愛い〜〜!!」
「ちっちゃ〜〜い,抱かせて〜〜!!」
「その金髪かわいすぎ〜〜!!」
「ツンデレチビッ娘きたこれ!!」「姫ちゃんこっち向いて〜〜,キャーーーーッ!!」
「ツンデレ姫っ!!」
「姫ちゃ〜〜ん!!」
おいおい!?みんな福島の悪癖が感染してませんか?
何だよツンデレ姫って!?苗字でもじるなよ!
…でも,姫ちゃんか。気分いいかも。っは!?いけない!このままでは着々と男としての尊厳を失ってしまう!
…ってかシマムーさっきからニコニコしてなんですかみんなこっちに来ないで頬すりすりはもうやめて
「抱っこしてぎゅうぅぅ,とかするなーーーー!!」
それから俺のあだ名は
「姫」
になってしまった。
評価コメントが、同じような感じになってしまいました…。すみません…次から気をつけます…。