眼鏡男子は癒しです。
「お兄様! 眼鏡を上げる時はこう!! 中心をくいっとですっっ」
兄の『視力低下事件』を耳にした後の私の行動は早かった!
まぁ、学校もあるのでそれなりにではあったけどね。
毎日、夕方に兄と合流してスイちゃんに協力してもらい、兄に合ったレンズを作成。
出来たら今度はフレーム作り!
兄に似合う形に仕上げたいけど、今世は技術的にもフレーム無しとかは未だ無理そうだしなぁ。
全フレームでするとして……丸より四角寄りの台形……色は髪色に合わせて黒か? 藍色も捨て難いな……。
ちなみに兄の眼鏡作りには、街の職人さんも巻き込みました!
万季彌に頼んで腕の良い硝子職人さんと細工師さんを紹介して貰って何パターンも作って貰い、試行錯誤。
お陰様でとっても納得のいく品が出来ました〜っっ
「凄い! リアン、よく見えるよ!!」
兄の喜ぶ声を聞けた私は満足しましたが、まだまだこれからでございすよ?
「お兄様。 そこは『視線を斜めに落としながら親指と人差し指で視線と反対側のテンプルを優しく摘んで、そっと外す』のです!!」
「―――えっと……こうかな?」
「ブラボーです!! さすがお兄様ですっ」
兄に私の愛する仕草を伝授すること二日。既に身に付けた兄にときめくばかりですっ
まぁ、眼鏡の形状然り仕草然り、これに関しては人それぞれの趣味嗜好がありますから強制はしておりませんよ?
あくまで、私はこういうのが好きなんだよね〜と提案してるだけです。え? 提案とは違う??
兄も私も喜んでるので良いことにしましょう!
休日、いつもの様に家族で過ごす為に街に向かう兄と私ですが、今回は態と認識阻害のスキルは発動させず歩きます。
何故なら! 兄の眼鏡姿を見て欲しいからっっ
今までの眼鏡は前世で言うところの瓶底眼鏡だったので、兄が着用している様なお洒落な物は初お見えだと思うのです。
兄の美貌にぷらすされた知的さを醸し出す眼鏡姿にすれ違う人どころか前方にいる方々が熱い視線を向けている!
そうよね! 兄のこの素晴らしい姿はガン見の価値ありです!!
実は万季彌様に今回職人さん達を紹介して貰うに当たり、対価として『職人達への仕事の斡旋』を提示したのよね。
この眼鏡を作る為には硝子職人以外にも魔術師、特に水の精霊と契約している人が必要になっている。これもいい伝があった。
体力的にきつくなって引退した魔術師って結構いるらしくて、その人達の再就職先になれないかなぁ〜と。
学園には魔術師を引退した後に先生になっている方も多く、学園以外の再就職先はどのようなところなのか質問しに行ったらあっさりと教えてくれた。
家族の元でお世話になる人もいれば、ギルドに所属して依頼を受けたりしながら暮らしている人も。
これまでも様々な道があったようなので、別に新たな再雇用先は必要ないかもしれないけど、聞いてみたら結構体力的な依頼も多く、人によっては難しい事もあるみたい。
眼鏡を作る際に水をレンズ状に練り上げる作業は結構難しい。
でも年齢を重ねている魔術師の方ってそれまでの経験からか、繊細な作業が得意な人が多いし、基本座位での作業になるので体力的にも良いんじゃないかな?って。
万季彌には『私と麗蘭の仲じゃないですか』と言われたけど、友達だからこそ貸しを作るような事はしたくない。
倭国の為に成る事だったら対価になるよね?
と、いうことで兄には申し訳ないんだけど巻き込まれて貰って眼鏡の宣伝広告塔になって頂こうかなって。その為のNOスキルです。
一応、今回の事は万季彌には報告書という形で提出している。
今度の休みは、その報告書を持って皇城に行き、玄武様と輝葉様に説明する。
やばい……思い出したら胃が痛くなってきた………。
お粥だ! お粥を食べようっっ
説明会の話を万季彌に伝えられてから食欲がだだ下がりしていたので、今日この日を楽しみにしていたのだ!!
そろそろ両親とイグニスさんが待っている場所に着く。
さすがに家族と会う時はゆっくりしたいから、スキルを発動して行こうかな?
読んでいただきありがとうございます。




