レオンとエアンディールさま④
くるるぅ〜……お腹が空いて目を覚ましたら朝になってた。僕、お夕飯食べれなかったぁ……。
のそのそとベッドから降りて台所に行くと、朝ごはんを作っているお母さんとリアンがいて。いい匂いがするもんだからお腹が元気に鳴り始めちゃった……。
音に気づいたお母さんとリアンが僕を見て笑った。
「おはよう、レオン。お腹空いたわよね。もうちょっと待てる?」
「にぃに〜 おはよ〜!」
リアンは僕の方にとててって走ってくる、と思ったら僕の椅子を引っ張りだして「にぃに〜 どぉぞ〜」って笑いかけてくる。
そして、すぐにお母さんのところに戻ったと思ったら両手でカップを持って、こぼさない様にゆっくりゆっくりと歩くと僕が座っている前のテーブルにことって置いてくれたんだ。
「にぃに こぇのんで も〜ちょっとまててぇ」
あ〜、僕の妹がかわいい!!
リアンは僕の5歳下の妹で、生まれた時から僕を見ると満面の笑顔を向けてくれてた。
生まれる前までは、僕のお父さんとお母さんを取られた気分で、なんだかモヤモヤして。よく分かんない想いがお腹のあたりをぐるぐるぐるぐるしてて気持ち悪かった……。
でもね、リアンが生まれた時、もっっのすごい大きな声で泣いてて。
何がそんなに悲しいんだろう…、そう思ってお父さんに連れられてお母さんのいるベッドにおそるおそる近づいていったんだ。
お父さんの後ろからちらっと覗いたらリアンと目があったような気がして。
ビクッてなった。
でもでもね。リアンはそのまま僕をじーっと見てた。そして……きゃっきゃと声を出して笑いだした。
お父さんもお母さんも生まれたばかりのリアンにびっくりした顔をしてたなぁ。
それからリアンが動けるようになると、いつも僕の後ろをとっとっとと笑いながらついてくる。
「にぃに」って僕を呼びながら!!
あ〜っ、かわいいっっ!
お父さんは、昨日の迷子のおじさん達のことで朝から森に行ってるんだって。
3人で朝ご飯を食べた。
お母さんは、お父さんにお弁当を作ったから持っていきたいみたい。
僕が「リアンと一緒にいるよ」って言うと「ありがとう、レオン。じゃあ、ちょっと言ってくるわね」って言って準備を始めたの。
「リアン、お外で日向ぼっこしない?」
「ひにゃたぼこ? するーーっっ」
わーいって喜ぶリアンがかわいい……。
「じゃあ、お父さん達の部屋からご本持って行こうか? リアンが見たいのがいいね」
そう言うと、リアンはコクコクと頭を縦に振ったの。
手をつないで、お部屋で手にした本を僕が持って、外の大きな木の下に2人で歩いていって。
2人で並んで座った後、リアンが選んだ『宵闇姫と聖霊王』っていう本をぱら………とめくって。
初めて読む絵本だなぁ、って僕も一緒に読んで。リアンはこのお話が気に入ったみたいで、また始めから読みだした。
「レオン様、起きられた様で。お身体はいかがですか?」
「! エアルさまっ おはようございます!!」
僕の顔の前まで飛んできたエアンディールさまにあいさつをして。
横にいたリアンがこっちを見て笑顔で「えあさま おはよぉです」ってぺこっと頭を下げるの。
え、うちの子かわいくてお利口!
「レオン様、リアン様、御機嫌麗しゅう。御二方は此方で何を為されていらしたのですかな?」
「あ。え〜と、お父さんは森に用事があって。お母さんはお父さんにお弁当を届けに行きました! なので、リアンとお留守番してますっっ」
「まぁ〜す!」
エアンディールさまは僕たちをニコニコと見てたけど「あ!」って言ったの。
「レオン様、少しばかりお話はできましょうか?」
「お話ですか?」
僕も聞きたい事があったしお話はしたい。
………でも、リアンが。
チラッてリアンを見ると僕と目があって。
「にぃに りあんねぇ ごほんみてゆ〜」
そう言って、手を振ると本に目を落としてて。
「じゃあ、リアン。ちょっと待っててね」
こくっと頭を下げたことを確認してエアンディールさまと少し離れた場所に動いて。
そしてお話をして。お母さんが言ってた『仲良くなれる方法』を聞いてみたの。
【一緒に『魔法』を使う】
『魔法』という言葉に僕は興奮してエアンディールさまに頼んで教えてもらったの。
今までの僕なら、きっとエアンディールさまの困った顔を見たらあきらめてたと思う。
でも、色んな本を読んで知った『魔法』が僕に使えるんなら! エアンディールさまにお願いにお願いにお願いを重ねて『エアロカッター』を教えてもらえることになったの!!
………でも、ね。まさか、ね。僕……リアンにひどいことしちゃうことになるなんて。
お兄ちゃん失格だよね………。




