秋葉原最終処分場、普通の一日 ~第四話:ゴルダムからの小包~
北のドワーフ拠点から小包が届いた。
箱の中身を確認すると、二つのものが入っていた。
一つは、小型の金属部品のセット。ヨアケの第二世代用の関節部品だという手紙が付いていた。
もう一つは、ドワーフ語で書かれた手紙と、異世界の言葉に訳したメモだった。
カケルが読んだ。
「「転生者へ。あの戦いから少し経ったが、俺たちは元気だ。拠点は今や採掘量が倍になった。東の鉱脈地図を使ったおかげだ。俺たちのことを覚えていれば、またいつか来い。ヨアケの改良部品を入れておいた。使えると思う。以上。」」
「ゴルダムらしい文章だ」
リョウが言った。
「無駄がないな」
カケルは笑った。
「中身はなんだったの?!」
ミーナが箱を覗き込んだ。
「ヨアケのアップグレード部品だ」
「アップグレード??」
「ヨアケの動きが良くなる」
「ヨアケが強くなるの!?」
「強くなるというより……より滑らかに動けるようになる…かな」
「どう違うの?」
「今のヨアケは関節の動きが少し硬い。この部品を使えば、細かい動作ができるようになる。例えば、小さいものを精密に掴むとか」
「使う!!つけて!!」
「時間がかかるけど、後でやるよ」
「カケルがやる!?」
「俺がやるよ。ドワーフが設計した部品だから、交換自体はそれほど難しくないはずだ」
交換作業は翌日の午前中から行った。
ミーナが工具を持とうとするたびに「今は応援だけして」とエレナに言われ、
エレナが「魔力での微調整が必要そうなところを担当します」と自然に作業に加わり、
リョウが「俺は邪魔にならないようにしている」と言いながらも随時確認してくれた。
四人がかりの作業だった。
完成したヨアケを起動すると、関節の動きが明らかに違った。
「なめらか!!」
ミーナが操縦席から言った。
「本当に滑らかになったな」
カケルが確認した。
「ゴルダムの仕事は確かですね」
エレナが言った。
「ドワーフに感謝を伝えないといけないな」
リョウが言った。
「手紙を書く」
カケルは言った。
「あと、礼は言うなと言うだろうが、言うぞ」
「ゴルダムが怒るな」
「怒っても言うよ。特例だと言ってたから、特例って事で言う事にするよ」
リョウが苦笑した。
カケルはその日の夜、ゴルダムへの返事を書いた。
「「親方へ。部品が届きました。ヨアケの動きが格段に良くなりました。ありがとうございます。礼を言うなと言われていますが、特例として言わせてください。拠点の採掘量が倍になったとのこと、本当に良かったです。こちらも元気です。またいつか会いましょう。橘 翔より」」
手紙を出した後、カケルは少し考えた。
「ゴルダム、「礼は最後に一回だけ」と言っていた。今回が最後じゃないかもしれないな」
「そうだろうな」
リョウが言った。
「まだまだ続くから」
「だな」
カケルは頷いた。
了




