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 自分が悪者になってでも、記憶をなくした友人の恋を応援する、心優しい人として認識されるのなら、悪いところでもないのではないだろうか。


 憎いあいつに嫌われようとも、愛おしいあなたに好印象を持ってもらえる。

 恋愛対象となることも、僕が選ばれるということも、ありえないことだというのならば、これは何よりのことだと言えるのではないだろうか。

 多少の悔しさを呑めば、最高のエンディングを手に入れられる。



 憎さを込めて睨み付けて、微笑みながらこの場は去るしかなかった。

「それで大丈夫なのか」

「うん、僕は大丈夫だよ。それで、あなたも大丈夫なのかい?」



 負け組同士で慰め合って、惨めなのはわかっているけれど、そうでもしなければ友人のふりだって、友人になるのは難しかった。

 本当は友人じゃなくて、なんて望むだけ無駄なことなのだろう。

 望んでしまうことにより、下心が漏れでもしたらとんでもない。


 ちゃんと消さなければ、いつかボロが出て、覚られてしまうだろう。

 そう上手く隠せる自信なんてないのだから、隠すものさえ消してしまうか、自分にさえ隠してしまうしかないのだ。



 …………。………………。

 ……あぁ…………。





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