二十話
やっと書けました…(´・ω・`)
うわ~本当に成功したよ…
意外といけるんだねぇ、この作戦。シンプルすぎてダメかと思ったわ。
あれか?シンプルだったから成功したのかな、これ?
ってかあの人達足早すぎでしょ、全然引き離せないんだけど…
スタミナには自信があるけど速度が無いからか?
短距離ならともかく長距離は速度出しすぎるとすぐに疲れるからなぁ…
う~ん、やっぱり逃げ切る積もりなら真面に走ってるだけじゃだめか。
でも舗装された道じゃあっちの方が早いだろうし逃げるなら森の中じゃないと確実に捕まるし…
しっかしな~
「何でこんな人数が追いかけてくるんだよ!」
私は今ざっと10人くらいの鬼に追いかけられている。
いやだって、森から道に出てすぐに鬼と鉢合わせするなんて思わないでしょ。
しかも逃げているうちにどんどん増えてくるし。
生徒会メンバーがいるから捕まることは出来ないし。
しかし、森の中を走っているのになかなか振り切れないな……
まだ5人くらい追ってくるよ。
あれ?なんか違う方向から走る音がするんだけど………
「あれ?秋兄」
「えっ!千穂!?お前まだ生き残ってたのか?」
あらまぁ、誰かが追いかけられているなぁ~と思ってたけど、まさか秋兄だったとは……
秋兄は私に並んで走りながら
「お前が残っているなんて意外だな?目立ちたくないって言ってすぐに捕まってると思ったんだが?」
「そうしたかったんだけど最初に見かけた鬼が生徒会と風紀だったからね。
捕まったたらアウトだし、今まで逃げてた」
「あぁ~、まあ仕方がないだろう。あそこは年がら年中人手不足だし。まともな人材はいくらでもほしいんだろう。周りに集まってくる奴らは脳内お花畑な奴が多いから使えないしな……」
「やっぱりそうなんだ…」
「おう、じゃなきゃこんなふざけた行事学校が許可しないって。優秀な人材を確保する苦肉の策らしいぜこれ。金持ち学校だから優秀な人材もいるけど、親の権力使って好き放題しようとするバカもいるし」
「うわぁ、なんて面倒な……」
私がそう答えると、秋兄は相変わらずだな、って言って苦笑された。
いいじゃないか、これが私だ。
それに気に入ったこととかは面倒だろうが何だろうが喜んでやるし
あと、気になってたことがあるんだけど…
「なんで、秋兄はそんなに本気で逃げてるの?」
「あれ、お前聞いていなかったのか?最後まで生き残った生徒に学食の日替わりメニューの無料券がもらえるぞ?しかも、50食分も。」
「あれ?そうだったんだ。聞いてなかった」
へ~そうだったんだ…
まぁ、生き残る生徒はおそらく体育会系ばっかだろうからなぁ…
それが一番いいのかもね。
しかし、50食分とは太っ腹な。
「まぁ、それだけじゃないんだよねぇ…」
「うん?どういうこと?」
「いやぁ、2,3年の間ではこの鬼ごっこで鬼が捕まえた人とデートする権利をゲットすることができるっていう暗黙の了解みたいのがあってね?こっちも必死なのよ」
「え、どういうこと?」
私が理解できず?マークを飛ばしていると秋兄は苦笑しながら教えてくれた。
「この鬼ごっこ生徒会と風紀以外の2,3年には何のメリットもないだろ?
だから、こんな暗黙の了解が出来たっていう噂があるんだよ。
実際のところ本当かどうかは分からないけどね……
確認しようにも大分昔からだから確認しようもないしねぇ」
あらまぁ、目が死んでるよ…
そんなに嫌なのかこの行事。
「デートが嫌な人生徒会か風紀に捕まってるよ。あそこは人気だからあっちからデートを申し込むなんてこと無いからね。あとは、さっさと捕まった人で無害な人に捕まえてもらうかだね。
そうすれば大した問題にはならないから。でも、食券も狙っていると誰に捕まるか分からないから、結構危ないんだよね。まぁ、諦めるつもりはないけど」
「そっか、頑張って~」
「おう、頑張るよ。そろそろ分かれるか?かたまって逃げたら捕まりやすいし」
「そうだね、じゃあまたね秋兄」
そう言って秋兄と別れると、鬼の半分以上は秋兄を追っていった。
うん、逃げやすくなったね!
ありがとう秋兄。
しかし、こっちに残ったのは生徒会と風紀かぁ……
残り時間はあと少し、さて逃げ切れますかねえ……
遅れてしまいすみません。