ハングレ殲滅作戦
ジンは本格的にハングレ達や例に強化戦士と戦う決意を固めた。
警察はどうやらブラックライダーに目を付け
「闇の仕置き人」との関係を疑ってその正体を探し始めた。
ジンはその夜、バーでこの先どうするか考えていた。
「ねぇ、何を一人で楽しそうな事考えてるのよ」
「別に楽しそうな事を考えてる訳ではないが」
「嘘よ。あんたがそんな顔する時は楽しい事考えてる時よ」
「おいおい」
「ボス、良かったら教えてください。俺も手伝いますから」
そう言ったのはここでバーテンダー兼用心棒をやっている芦村一郎だった。
彼もまたスザクと同じようにジンによって作られた精神分体だった。
そう言う意味では例の強化戦士と戦っても引けを取る事はない。
ただ問題はあのハングレ達のリーダーと呼ばれていた男が何処に行ったかだ。
二人の強化戦士の意識から辛うじて吸収出来た記憶の中に小暮と言う名前があった。
ただしそれも本名かどうかは分からないが、少なくともあそこではそう言う名前の奴がいたと言う事だ。
そこでジンはこれまでの経緯をスザクと芦村に話した。
「それでどうするの、その小暮とか言う奴を仕置きするの」
「それが今の所、正体も何処にいるかもわからない」
「それじゃーどうしようもないですね」
「そいつに関してはまた現れたら潰せばいいだろう。だから取り敢えずは、あのハングレ達の仕置きをしようと思う」
「殲滅するの。いいんじゃない」
「どうしてお前はそう言う話になると喜ぶんだ」
そして芦村に関しては、昼間の街の巡回を任せた。ハングレは何も奴らばかりではない。
やくざがいない事を良い事に力で言う事を聞かせようと言う連中もこのい街に入り込んで来ている。
そう言う連中を見たら叩いておけと言った。
そしてジンとスザクと芦村によるハングレ殲滅作戦が始まった。
前回はブラックライダーとして叩いておいただけだが今度は違う。完全に「闇の仕置人」モードで殲滅に向かった。
彼らが今迄やって来た事を考えればそうなっても仕方ないだろう。そして今回もまたジン達による斬殺刑が始まった。
当然今回も全国特別指名犯第13号事案として緊急本部が設けられたが今回は少し違う所があった。
今回斬殺されたハングレの全員には殺される前に誰かと戦い打撲痕を体中に受けていた。
それも大分前の傷だ。つまり今回「闇の仕置人」に殺される前に彼らは誰かと戦っていたと言う事になる。
しかも全員に大なり小なりの傷があると言う事は、相当大きな喧嘩なり闘争があった事になる。
相変わらず「闇の仕置人」に関してはこれ以上の証拠も遺留品も見つける事は出来なかった。
だから捜査陣は前段階の戦いの中に何かヒントはないかとその辺りの事情を探し始めた。
そんな中で彼らが暴走族らしい男と戦ってる所を見たと言う者が現れた。
しかも相手は一人だったと言う。ただし黒いヘルメットを被っていたので顔はわからないと言う事だった。そして黒いライダースーツを着ていたと。
問題は一人で戦っていたと言う事だ。少なくとも殺害されたハングレ達は一か所で30人近くいた。
本当にたった一人でこれだけの人間を相手に戦えるものなのだろうと言う事だ。もし出来るとしたら達人クラスにならないかと言う事だった。
ならそれは「闇の仕置人」に準じる者ではないかと言う意見も出た。
ともかく暴走族の中でそう言う人間や噂がないかどうか探してみる事にした。
暴走族絡みと言う事になるとこの前麻薬をやっていると言う事で捕らえられていた事件があった。
その犯人も誰がやったかは未だにわかっていなかったが、その犯人もやはり暴走族に関係した者だろうと言う事は想像出来た。
そこで捜査員達は当時の情報収集と麻薬を抜く為に送り込まれた医療機関に行って、その暴走族達からも事情を聞いた。
すると彼らの口から十三ギガーズと言う族の名前と、ブラックライダーと言う名前が浮かび上がって来た。
特にそのブラックライダーと言うのは驚異的な強さを持っていたと言う話だった。勿論その正体は誰も知らなかった。
なら今回の件もそのブラックライダーなる者が関与していると見て間違いないように思えた。
捜査員達は十三ギガーズに事情聴取に向かった。
ジンが意識していたかどうかは知らないが、実態を持つと言う事は生活臭がそこに残ると言う事だ。
そうするといつかその実態に近付いてくる者がいる事を覚悟しなければならない。
刑事の質問を受けていた十三ギガーズのリーダー須藤昭雄は麻薬を使っていた族達と戦った事を認めた。
黙っていても病院に収容された族達に聞かれたらどうせ分かる事だ。
そしてブラックライダーの事も分かるだろうと思っていたので今回の立役者はブラックライダーだと話した。
勿論ブラックライダーの正体は昭雄自身も知らない。
ただブラックライダーとの出会いは2年前の府警の幹部の息子の事件だと話した。
そしてブラックライダーが当時の真相を探していたと言った。
石渡はもしそれが本当なら確実に「闇の仕置人」に繋がる人物だと思った。
もしかするとそのブラックライダーが「闇の仕置人」かも知れないと思った。
今迄その影すら見せなかった「闇の仕置人」の影が少し見えて来た様に思えた。
それから250ccに乗った黒いヘルメットに黒いライダースーツのライダーの情報を探し回ったが、何処からもその情報には辿り着けなかった。
石渡はやはりハードルはまだ高いなと思ったが、これも一歩前進だとして必ずクリアーしてやると思っていた。
そしてこちら首相執務室でも、
「笹村君、どうだねその後の彼は」
「そうですね、少しバタバタした事はありましたが今の所は大人しい様です」
「バタバタとは例の府警の問題や、ゼネコンの闇献金の事かね」
「はい。そうです。しかしあの闇献金問題ではこちらも少し肝を冷やしましたが逆に彼が上手く幕引きをしてくれたようです」
「そうだったね、あれがもう少し拡大していたら我々にも影響が出たかも知れなかったからね」
「はい、確かに」
「ところで彼の正体は掴めたかね」
「いえ、それはまだわかりません。ただ」
「ただ、何だね。そうか知らない方がいいと言う事かね」
「そうですね、今の所は」
「わかった。そうしておこう」
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