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サバイバルカメラマン  作者: 木村BON
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私六甲アイランドにある『スタジオアンジュ』だ。

このスタジオはAスタジオとBスタジオがあり、スタジオ周辺の屋外エリアはコスプレのイベント会場にもなっている。

「あ~ぼんさん!おはよー」

と笑顔が可愛くて、いつも人のために一生懸命な、ちゃこさん。ここのスタッフだ。

「ごめんよ~まったんちゃう~?」

と急いで受付の鍵を開けるちゃこさん。

初老の私は早起きだ。なので、私がここに来るときはだいたい私が先に到着する。

「待ってないですよ!」

「ほんまに~?」

と言いながら、ちょこちょこと駆け足で受付の裏にある更衣室の電気を付ける。

この更衣室でイベントに来たレイヤーが着替える。

私が今日ここに来たのは、今度ここのイベント会場でオンリーイベントをするので、その宣伝用の撮影だ。撮影した写真をここのホームページで紹介する。

オンリーイベントとは、特定のアニメなどを決めて、そのコスプレだけが集まるイベントのことだ。レイヤーはそれぞれに好きなアニメ(ジャンル)があるので、好きなジャンルの同じ人が集まるイベントをオンリーイベントと言う。

受付が始まるまで、受付カウンターでちゃこさんとおしゃべりタイムだ。

ほぼ毎週、この会場はコスプレイベントをしている。

おしゃべりタイムで今後の企画の話などをする。

「あっ先にスタジオの鍵預けとくね~」

とちゃこさんからAスタジオの鍵を預かった。

「ドレスできたんよね~? モデルは飆ちゃんやろ?早くみたいわ~ いつ撮影するの? 」

3つぐらいの同時のちゃこさんからの質問に

「うん」

と まとめて一回で回答する。

そしてスマホに入っている試し撮りしたオリジナルドレスの写真をみせる。

「いーやん!すごいー!えっこれで試し撮り?」

とめっちゃ誉めてくれる。

ちゃこさんとのおしゃべりタイムは元気が出る。

オリジナルドレス撮影の目的は、ポートレートの写真コンテストで賞を取り、◯◯コンテスト受賞の木村BONが素敵な写真をスタジオで撮影しますよ!と宣伝して、スタジオアンジュを盛り上げて、たくさんの笑顔を撮影してあげたいからだ。

「おはよ~」

とちゃこさんが扉のほうに声をかけた、

少し開いた扉の向こうに人影があった。

「受付もう出来るよ!」

と、ちゃこさんが声をかけると、レイヤーたちが順番に入ってきた。

私は受付をしているちゃこさんに手をふって、外に出た。

「準備できたら連絡するね~」

と後ろからちゃこさんの声が聞こえたので、OKの合図を送った。

準備とは、今日の撮影でモデルをしてくれるレイヤーの着替えが終わったらってことだ。

今日のモデルはここのスタッフだ。

私は二階に上がり預かった鍵でAスタジオの鍵を開けて中に入った。

AスタジオもBスタジオも、カメラマン

やスタッフが常駐しているスタジオとは異なり、レンタルスタジオになっている。

Aスタジオはシェア式でBスタジオは貸し切り式だ。

シェア式とは、他の人と共有使用で、1人分の使用料金でスタジオを使用できる。スタジオを貸し切るより安く利用できる。

Aスタジオに入ると、すぐ左手に「天使のパティオ」ブースがある。自然光が大きな窓から差し込みレンガの壁で神殿の一室のようにも感じられる。

そして、その隣の部屋は「廃墟」ブースになっている。ここは私の1番のお気に入りで、私がリフォームした。

真っ黒な壁や牢屋、タイル壁に血糊、畳とホラー映画に出てきそうな撮影場所となっている。

Aスタジオ入り口から入って正面には、「和室」ブースと「季節」ブースがある。

ここも私がリフォームした。

季節ブースでは、その時期にあった背景や小物を設置する。今はクリスマスツリーとイルミネーションが飾られている。

その右手には、「白壁」ブースに「bar」ブースと「お部屋」ブースがある。お部屋ブースは、自然光の入る大きな窓のそばにソファーがおいてある。

私は、このAスタジオを利用していろんな撮影することが多い。

ネットショップでよくある安いウェディングドレスを試しに購入した。安いウェディングドレスでも、いい感じに撮影できれば、結婚式もできなくて、ウェディングドレスも着れなかった人を格安で撮影してあげたいと思ったからだ。早速そのウェディングドレスでの撮影をこのスタジオで試した。

ウェディングドレスの撮影はまた後で話す。

私はレイヤーの準備(着替えやメイク)が終わるまでの間、Aスタジオでライティングの練習をしている。ライティングとは、ストロボを使った撮影のことだ。

被写体にストロボの光をあてて撮影するのは技術が難しい。被写体の衣装だったり、人数、撮影場所の広さや壁の色等々、ライティングは常に考えないといけない。しかもこれが正解だというのはない。

「ぼんさーん、おまたせ~」

と、ちゃこさんがAスタジオの入り口から顔を覗かせていた。

「レイヤーちゃんたち下おるよ~」

「了解~すぐ行く~」

と返事をし、必要な機材を持って受付に向かった。

下に降りると受付前に3人のレイヤーとちゃこさんがいた。

「こんにちは」

と声を掛け、挨拶を交わす。

「じゃあ、ぼんさんお願いね!あそこと~あっちも時間あったらお願いね」

と、ちゃこさんに見送られ、

オンリーイベント向けの背景が映える屋外で場所を行った。

撮影後は、受付でちゃこさんに撮影したデータをカメラのモニターで見せる。

いつも、「あっ この写真めっちゃいい!」

「これも いいやん~ 流石やわ~」

とめっちゃ誉めてくれるので写真が上手になった気分になる。

少しお話した後、

「また、データ送りますね!」

と、私は気分よく基地に戻る。


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