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戦国爆乳秀吉〜主人公は秀吉を天下人に育てたい〜  作者: 星野林


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信長様の初陣

 今年も米の収穫が無事に終わり、大量の米俵が村に積み上がった。


 去年までは10反の土地でやりくりしていたけど、萌衣姉さんの出世のおかげで、追加で10反分の田畑をいただき、村役の人達と協議した結果、飛び地になっていた場所をお金を支払って纏めさせて貰い、場所の交換を行なった。


 村としても田畑の位置が家に近い方が良いからと、各家々が区画と一緒に田畑の場所替えを行って、生産性を高めていたのである。


 そのため、田んぼ4反分と畑6反で田畑両方1町ずつを所有することになっていた。


 そして、今年の収穫では疫病も無く、飼育している2頭の馬のおかげで、深く耕せたことで収穫量が若干上がり、藤原兄弟が量産したかりとり君を使って短時間で収穫が行われた。


 結果、今年は1町(10反)から35石分のお米が収穫できた事になり、うちで働いている家族や人達全員に配っても12石の米が余った。


 まぁ足りない食料は銭を大量に稼いでいるので問題ないし……。


 サツマイモやジャガイモ、カボチャといった大量に収穫できる野菜も沢山作り出せたし、今年も中村は飢えに苦しむ必要はなさそうだ。


 養蜂も養蜂箱の数がついに100箱を超えて、年々領主様から蜂蜜の納める量を増やすように言われていたが、それを納めても余裕を持っていた。


 順風満帆……その言葉が言えそうな中、再び織田家から召集があり、今回は信長様の軍と織田信秀様の軍と2つに分けられていた。


 信秀様は再び斎藤道三が治める美濃侵攻で、今回も越前の朝倉家と手を組んでの2方面作戦を展開するとのこと。


 一方で信長様は三河に進出してきている今川の勢力への牽制であり、俺達は信長様の直臣ということになっていたので、こっちに出陣する。


 正直美濃侵攻に行かなくてよかった。


 この戦い織田側が負けることになるし……。


 信長様は親衛隊含めて600の兵を集めて、出陣。


 彼女が初陣ということもあり、そんな大規模な戦をする感じでは無く、近くの城を放火して撤退するだけの話であった。


「相変わらず目立つ兜を被っているから見つけやすいね」


「森様」


「英聖、様付けは良いよ。もう信長の家臣でほぼ出世が君は決まってるし」


「あはは、じゃあ森さんで」


「うん、それがいい。今回の戦は信長様の初陣だし、守役の平手さんが無茶させない予定だから、武功は上げられないかな。600の兵だと城攻めには数が少ないし」


「どんな感じで終わらせる予定でしょうか」


「そうだね……まぁ城壁に火矢を放って終わりかな。あ、鉄砲を少量手に入れたらしいから、それを使って攻撃をしてみるかもしれないね」


「なるほど鉄砲が手に入ったんですか」


「多分次の競売後に渡す予定だったけど、初陣になったからそれが遅れたのかな? まぁ鉄砲200丁購入したって言っていたから順次、織田家に送られてくるんじゃないかな?」


 鉄砲200丁ともなれば2000貫は掛かったんじゃないだろうか。


 火薬や弾薬も含めて更に1000貫……それに今回初陣で集めた将兵への食料や褒美の代金も含めて……前回稼いだお金は吹き飛んでいそう。


 いや、織田家の鉄砲導入が早まったことのほうが大切かも? 


 そんなことを考えて行軍していると、信長様の姿が見えた。


 今日はうつけスタイルではなく、しっかり身だしなみを整えて着込んでいる様子。


 防刃ベストが異様を放っている。


 歩くこと1日半で目的の今川方の小城に到着。


 パンパンと散発的に鉄砲が放たれたがそれで当たるはずもなく、効果は無し。


「ちょっと目立とうかな」


 俺は最前列の兵の更に前に行き、城の兵にも聞こえるように名乗りをあげる。


「織田信長が家臣茂部英聖! 我こそはと思う武士はおらんか! 弓比べを所望する!」


 周りからおおっと歓声が上がる。


 すると敵の城門が開き、騎馬から1人の武者が現れる。


「今川方岡部家家臣……古賀胡蝶なり! 弓比べ承った!」


 城側からも歓声があがる。


 古賀と名乗った女武者は馬から降りると弓を構える。


 弓比べ……互いに矢を放っていき、相手を先に矢を当てれば勝ちである。


 戦全体の勝敗に関わることは無いが、源平合戦の頃から行われているため、武士の間では誉れとされる勝負である。


 それぞれの距離は100メートル以上離れているため、徐々に距離を詰めて行くのが普通である。


 俺のコンパウンドボウの弓を引きながら距離を詰めていく。


 それを見て敵兵達は笑い始める。


 弓を構えた状態で歩けば狙いはブレるし、弦を引いた状態で歩くのは至難の技。


 まず当たらないと思って油断する。


 俺が60メートルを切ったところで相手は構える素振りをするが、既に射程距離内である。


 先に俺は立ち止まって矢を放つ。


 歩きながら矢を放つ練習は道場で散々やってきたし、動く標的に関しては畑を荒らしに来る鹿を的にして散々練習した。


 ビュンと先に放った矢は弓を構えている状態の彼女は避ける動作が1歩遅れる。


 ズドンと古賀と名乗った女武者の脇腹に矢が突き刺さり、倒れ伏す。


 織田側から歓声が上がり、俺は彼女が連れてきていた馬目掛けてはしって近付き、手綱を引いて、その場から離れる。


 首を取りたかったが、城の兵に矢を放たれるかもしれなかったので、戦利品の馬を奪うだけに留めて、撤退し、信長様の前に行くと、


「茂部英聖、信長様の代わりに敵将を討ち取って参りました。首は残念ながら取れませんでしたが、代わりに馬をお渡しします」


「馬鹿者! 先走りおって!」


 老将の女性……多分平手さんに怒られるが、信長様はニヤニヤしながら手で制して。


「うむ、見事余の初陣を勝利で飾ってくれた。大義である。おって報酬は渡そう」


「感謝の極み」


 俺は信長様の供回りをしていた池田さんに捕まえてきた馬を渡し、下がっていった。


 その後直ぐに城内に火矢を放ってから撤退。


 ただ撤退と言っても城から見える位置……1キロくらいの場所に陣を構えて、野営の準備を始めた。


 敵地近くで野営を初陣でやるのはだいぶイカれている。


 萌衣姉さんや秀吉、美虎が近くの枯れ木を集めてくれて、足りない分は木炭を追加し、コンクリートブロックで即席の窯を作ると、マッチで火を起こし、大鍋を3つほど並べて鍋を即席で作り始めた。


「おい、兄ちゃんいつの間にそんな鍋を用意したんだ?」


「ん、仲間に運んできてもらったんだ。まぁまぁ気にせずに持ち寄った飯だけじゃ姉ちゃん方足りないでしょ……鍋をつくるから食べていきなよ」


「「「おぉ!」」」


 周りで様子を見ていた兵達も喜び、割り箸と紙の器を用意して兵士達に振る舞っていく。


 萌衣姉さんや秀吉、美虎も作る側に回ってもらって、俺が出した食材で料理を食べていく。


 今回作ったのは鶏鍋であり、鶏肉の美味しさを織田の兵士に知ってもらうためにはからったのである。


「肉が入ってるが、何の肉だ? 兄ちゃん」


「鶏の肉だ」


「鶏……」


「嫌なら食わなくて良いよ」


「いや、食う! ……うまい! 何じゃこの鍋は!」


 そりゃ味噌をただ溶かしただけの鍋が多い中、昆布を入れて出汁にして色々な野菜やきのこ、豆腐を詰め込めば、旨味が濃縮されて旨くないはずがない。


「私にもちょうだい!」


「私も!」


「俺もいいか!」


「沢山あるから並んで並んで」


 兵士達に振る舞っていると、池田さんが現れ、


「兵士達が騒いでいると思えば……英聖またあんたなの?」


「池田様も1杯どうです? 美味しいですよ」


「いらないわ!」


 そう言うがお腹は正直でグーっと鳴っていた。


 顔を真っ赤にして恥ずかしそうにしている。


「まぁまぁそう言わずに」


 秀吉は池田さんに器を渡すと、戸惑いながらも汁を啜る。


「美味しい……」


 目を見開いて池田さんはガツガツと食べ始める。


 具がなくなると、兵糧食として持ってきていた干し米を袋からドバっと汁の中に入れ、猫まんまみたいにして一気にかき込んだ。


「……美味しかった。今度信長様にも作ってあげて」


「はい。戦勝を祝って美味しい料理を振る舞うので、信勝姿でまた家に来てほしいって伝えてください」


「仮にも主君を家に呼び出すなんて凄い度胸ね……いいわ、それが褒美ってことで信長様には伝えておくから」


「お願いします」


 そんな感じで敵の城の前で野営をして、早朝に完全撤退を行うのだった。


 一部の兵士達は鶏は美味しいってことを口々に噂して。






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