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仙人天  作者: 天内君保
第一章「第二波」
11/19

吹っ飛んだ

仙は大天災の原因は?と投げ掛けてみたが、それもよく知らないようだった。

世界的に調べを進めているらしいが、真相はよく分からないままであると。



「あと、この戦争は終わると思うか…?」


仙の質問責めにも表情一つ変えずに答えていたペーペルトであったが、この言葉には少し曇ったようだった。



「…両国の動きは、君が思っていることとは正反対の道を歩むことだろう。」


(そんな…。)


「そして、予想ではあるが戦いの在り方も大きく変わっていきそうだ。」


「それは…もしかしてユーベルメンシュが絡んでくるってことか?」


「あくまで予想にしかすぎないが。」



そう言うとペーペルトは立ち上がった。

仙は無言でいる。



「そろそろ戻るよ。」


「国にか?」


「いや、まだ少しかかりそうだ。

長話しになってしまったな。でも、話せて良かったよ。」



ペーペルトと女性は軽く会釈をすると

遠くの方へと離れていった。

二人の後ろ姿を見つめていると、寂しさが込み上げてきた。

仙は一人になってしまったんだと。



ガシャァアン!!!



?!

突如ガラスの割れる大きな音がした。

そちらの方へ視線を向けると病院の出入口の近くに一人の男が倒れている。

なかなかガタイのいいその男は顔を抑えてのたうち回っている。



(な、何が起きたんだ…?)


仙はその出来事に驚いて反射的に立ち上がった。



立ち上がった。



(え…、立ち上がれた。)



松葉杖なしに久々に立ち上がった仙は体の軽さに驚いたが、今はそれどころじゃない。

出入口に倒れている見知らぬ男のほうへ近づくと。



「ぁ……っぐ!」



苦しそうな声を上げる男の顔は殴られたような大きなアザが出来ていて血も出ている。

男の倒れている場所は入口からは3mほど離れている。

近くに加害者らしき人物は見当たらない。



「おいっ、どうしたんだ。」



仙が話しかけると医者のような人が駆け寄ってきた。

ここは医者に任せようと立ち上がって入口のほうを向くと。

倒れている男から一直線につながる場所に人がいた。

男の場所からその人の距離は結構離れている。



女?

ガラスが光に反射してよく見えない。

するとその人も割れたガラスを避けて近づいてきた。



「っおま、何吹っ飛んでんだよ!」



口調は荒いが一応女らしい。

その倒れている男は女を見つめると指をさした。



「おま、お前がっ…吹っ飛ばしたんだろうが…!」



"お前が吹っ飛んだ"

"お前が吹っ飛ばしたんだ"という言葉がしばらく飛び交う。


「まぁ落ち着いて、ねっ。」


医者らしき人はその二人をなだめようとするが。



「てめぇいい加減にしねぇとまたぶん殴るぞ!」



男を吹っ飛ばした?らしき女は腕を捲くって威嚇する。



「ひっ…!」



男は横になった状態で足をチョコチョコ動かし後退りする。


(なぁんだこいつら…。)


大事にはならなそうだと安心した仙は病院の入口へ歩もうとする、が。



「おい、そこの白髪の人っ!」


(? …白髪?)



仙は白髪とは自分しかいないと思い振り返ると、女と視線が合う。



「…?」


「あんたさ、その顔の模様、どー見てもユーベルメンシュよね?」



女は仙に近づくと顔を指差しながらそう言った。

その表情は何故か嬉しいのかニコニコしている。



「ま、まぁそうなんだろうな。 よく知らねぇけど。」


仙のよく分からないという言葉に女はガッカリしたのか体をガクンと曲げ。



「まぁいいや、ここってキャレブだろ?

あんた騎士団の演習場ってどこか知らない?」



女は早口で尋ねるが仙の表情は固まる。



「っえ、ここキャレブなのか?

なんだそれ…?」


「…えっ。」



キャレブとはレメリア大陸の南部にある国。

ガウラ帝国はその北部に当たる。

アルリシヤ村はキャレブからはかなり離れているのでそんな遠くまで来てたのかと仙は驚いたようだ。


女はやはりその言葉に更に腰を落とす。



「あんたって、もしかしてすげぇ馬鹿?

…まぁ、いいやっ

じゃーねー!」



そう言うと女は手を振りながら猛スピードでどっかへ消えていった。

元気そうなやつだ。


馬鹿と言われ仙は流石にカチンときたのか吐き出す物もなくなった所為で自分の足をバチン!と叩く。

そして、よく分からなすぎる出来事に仙はボーッと突っ立っているのであった。

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