小さな怪物
「あれは急にやってきた」
お兄さんが喋り始めた。いつも通り普通に朝起きて、妻と一緒にご飯を食べていた。いつも通りのなんてことない幸せな時間だった。そしてご飯を食べ終わったら仲良く2人で露店を出し、いつも通り果物を売っていた。この街は戦争とは無縁の地域なので重い税はあるにしろ、みんな笑顔で商売などをしていた。昼ごはんを用意している時だった。
バコォォォッッッン
突如として爆発音が聞こえた、何かと思い外へ出てみると次々といたるところから連続して爆発音が聞こえてきた。何が起きているのか、わからなかった。街中にサイレンが鳴り始めた。敵国が進行してきたかと思ったが、戦争地域と離れたこの場所で急に起きるわけもなかった。確かに海には面しているもののそれならば爆発音より先にサイレンが鳴るだろう。そのサイレンのおかげで自分は我を取り戻した。妻と一緒に軍の施設へ走った。その施設は魔法などの攻撃耐性があるから普通の建物より丈夫だ。そこにはすでに人だかりができていてつっかえている状態だった。さらに悪いことに
「我の家がなくなったでわないか」
馬鹿でかい声で怒鳴り散らす領主がいた。領民から金を吸い上げるようなくそったれなやつだ。並んでる人たちがそいつごと施設の中に押して入ろうとしていた時だった。そいつが目の前に現れたのは。
バコォォォッッッン
施設が一気になくなった。破壊されたと言うべきだろう。本来、施設は魔法などに対しては耐性の強い建物のはずだが、ましてや軍の施設だからそもそも物理的な攻撃からも強い。その建物が一瞬で崩壊したのだ。
何が起きたか分からず周りを見渡したが人の死体や建物の残骸があるだけだった。そして妻を見た、、、私は泣くことしかできなかった。私は何を動かすこともできずただ妻の姿を見たくないと、私はその場に仰向けに倒れた。少ししてから起き上がってみると目の前から小さな子どもがトボトボ歩いてきた。その子どもの額には赤く光る角の様なものが生えていた。すぐにこいつがこんな状況にしたのだと思った。奴隷のようなボロボロの服を着ていた。外見ばかりに目がいっているが、その中でも一番印象に残ったのは子どもの顔だった。自分が今どれだけのことをやっているか、どれだけ悲惨な状況を生み出したか、まるで分からないというような、無気力で脱力した顔をしていた。私は思わず悪魔だと子どもに叫んでしまった。子どもがトボトボと目の前まで来て自分は記憶を失った。
「あれは絶対に人じゃない」
魔物ような、いやもし悪魔などが存在するのであれば間違いなくあんな奴のことだ。と彼はいった。
彼は、また泣き始めた。また怒られるよー、そう思いながら聞いていた。さすがに同情してしまった。店主がやってきて、また怒った、でしょうね。
私は話し終わった彼に何も言えず、ただうなずくだけしかできなかった。私はなんとも言えない気持ちのまま彼に挨拶をして部屋に戻った。帰るときの廊下がさっきより薄暗く感じた。部屋についた。
「メッセージ」
文章を送れる簡単な魔法、それすらもひどく疲れるような気がした。そう思いながら大佐に今日得た情報を送っておいた。主に軍の施設を一撃で壊せる子どもの内容だった。そのあと、風呂に入ってすぐに寝た。




