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短編集。『五分間の奇跡』  作者: 鴉野 兄貴


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ロボット好きの高専生徒がロボ(?)のいる異世界にトリップ

 ロボット好きな俺は美少女になった上でロボ(ゴーレム)の溢れる異世界に転生した。

 俺の電子工学技術とロボアニメの知識と溢れる情熱を見せてやるぜ!

 転生するならロボットを弄りたい。


 未来でも異世界でも何でもいい。

 とにかく高専で学び、作るロボットだけでは俺は満足できなかった。


 確かに、確かに先日のロボコンでは好成績を収めた。

 だがそれは俺の技術でも何でもない。仲間たちの支援とチームワークあってのモノであった。

 俺の技術、知識、ともにまだまだ未熟。痛感せざるを得なかった。先輩たちの知識は偉大だ。

 しかしその知識と技術を持ってしても巨大ロボは作れないのだ。


 具体的に言うとコケる。


 説明しよう。

 170センチの人間が17メートルのロボットになったとする。

 体格差の関係で揺れが拡大。脳みそがシェイクされて偉いことになる。

 俺が目指す搭乗型は厳しいのだ。


 そんな俺だがユンケル代わりに麹一〇〇%の自作甘酒(※ノンアルコール)を飲みまくり、徹夜徹夜の連続で死んだ。あっけなかった。

 俺の生死などロボ開発の歴史においてさほど問題にはならないが、学生が勝手に独自研究をしまくって勝手に死んでしまったことのほうが問題だ。責任がどうこう言われてしまうであろう先生方や仲間達には申し訳ない限りだ。



「こまったなぁ」


 俺の目の前には『山口』と名乗る死神と『フキコ』と言う美女がいる。


 後者は小ぶりながら谷間クッキリの胸が法被から少し覗いていてメッチャクチャエロイ。


「こんな情念が強い男は中々成仏できないわ」

「そうだなぁ。変に連れていくのも厄介だし」


「それなら転生チートハーレムさせてくれっ?!」


 俺の台詞に二人は嫌そうに眉をしかめた。


「あるある。夏場にそういう奴は結構いる」

「最近増えましたよね。そういう方。二度も人生を送りたいなんて殊勝ではありますが」


「というか、先日は大変だったぜ」

「勝田萌子の件ですね。お疲れ様でした」


 ダウナー系の高校生みたいな死神、『山口』とエロ法被姿の死神『フキコ』の会話。ぶっちゃけ何を言っているのかよくわからん。

 しかし彼らはこの後聞き捨てならぬ台詞を吐いた。



「ちょうど魂だけこっちに来て、しかも元の世界に戻りたくないって言っているやつがいるな」

「あの子ですか。事務処理が面倒なので好都合です。この人に行ってもらいましょう」


 おおっ?!


「ロボッ ロボッ ロボがいる世界で頼むッ あとできたら美形でモテモテがいいッ」


 高専の後輩の娘たちは恋愛対象と言うより『戦友』でそういう雰囲気にはなれなかったしな。


「まぁ美形って言えば美形だが」

「ろぼっと……みたいなゴーレムはいますよ」


 俺 。 大 勝 利 ! !


 さらばおふくろ親父! 今まですまん有難う!! 

 後輩よしっかりやれ!! 俺はロボットのいる世界に行く!!


 そうして、俺は美少女として異世界に来たのだが。


 まぁ美少女は良いとする。

 色々驚いたりしたが容姿は問題ない。


 ホモホモしいがそれは許す。

 ロボがいれば問題ない。



 ざぁ……。


 さわさわとオアシスの木々が砂漠の風を受けて揺らめく。


 周囲の様子など目に入らない。

『ソレ』に俺の視線は釘付け。


 さらさらと音も立てずに崩れる体表。瞳の無いのっぺりとした姿。

 かろうじて人型と解るそれは滑るように地面。というか砂の上を歩む。

 よく見てみると足の下から砂を補充し、身体全体で循環しているらしい。


 俺はサンドゴーレム技師の娘になっていた。


「なんでサンドゴーレムやねん」


 俺と言う娘がいるわりには若々しくて綺麗な母は生体部品の養殖に忙しい。


「ぼうっとしてないで培養手伝ってね。岩塩運びにはサンドゴーレム。戦いはフレッシュゴーレムが一番なんだから」



 あの死神どもに任せたのは間違いだった。俺は猛烈に後悔している。

 今となってはもう余談となるが、この世界の結婚適齢期が一六歳であるにも関わらず元の魂がこっちに戻りたくないといった理由が分かった。

 婚約者がブ男だったからである。


 彼は女との会話はダメダメだが真面目な技術屋肌で俺好み。

 普通にいいやつで良縁じゃないか。

 帰りたくないなんてもったいない。


 だがッ?!

 彼はクラウドゴーレム使いだった。


 何処に機械の要素があるねん。俺に機械を弄らせろ~!!

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