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AQUA・WORLD  作者: あすぎめむい
アストライア編
9/34

始まりと、旅立ちと。

 これでアストライア編は終わります。


 しかし、まだまだ始まったばかりなのでこれからも読んでくれると嬉しいです。

 結局、アクエリアには俺一人で行くことになった。


 理由は先ほど華さんが話していたが「近々、女性生産職協同組合に連れて行きますので、サクさんを逃がすわけにはいきませんわ」ということらしい。サク、本当にすまない。


 そういうわけでサクが『海軍』のギルドマスター宛てに紹介状を書き、華さんに連絡をしてもらった。


 俺は他人に頼ってばっかりだった。


 ……このままではいけない。


 まずは船の来る二日後……日曜までに一人でもそこそこ戦えるくらいには鍛えておきたい。


 幸いこのゲームは戦闘=経験値では無い。非戦闘クエストでも、少しくらいならステータスを上げることができる。


「ともかく、ゲームの中であろうと『妹に守られるだけの兄』にはなりたくないな」


 レベル的には妹には遠く及ばなくても、足を引っ張らないようになるのが今の目標だ。


「まあ今日は休もう、流石に初めてのVRMMOで長時間やっていたら疲れた……」


 時間はまだある。明日は休日だ、鍛えるには十分な時間だろう。


 俺はログアウトをするために宿に向かった。




 目覚めたのはゲームをする前となんら変わらない俺の部屋。


 キッチンに行くと母と妹が待っていた。


「正志、もう夕飯はできてるから。早く食べなさい」


 隣を見ると妹はもう食べ始めていた。食べているとき、妹は何もしゃべらない。


 今日のおかずはホワイトシチュー、妹の大好物である。




「ごちそうさま。お母さん、ご飯おいしかったよ」


 先に食べ終わった妹が、食器をかたずけ、自分の部屋に帰ろうとする。


泉美(いずみ)、ゲームはほどほどにしておきなさいよ」


「分かってるよ」


 そう言うと妹は階段をかけ上がっていった。一瞬俺のことを見たような気がしたが……。


正志(まさし)、妹の様子は分かった?」


「流石に一日では見つけられなかったよ」


「まあ、仕方ない。ちゃんと見つけたら教えるのよ。……少し心配症すぎるかしら」


「分かってる。母さんが心配性なのはそれだけ妹のことを考えているからだと思うよ」


 そうでなければここまで兄妹を気にかけはしないだろう。……やり過ぎるときもあるので、どうかとも思うが。


「じゃあ、俺はもう寝るから」


 そうやって俺が二階に行こうとすると、「待って」と母が引き止めた。


「私が言うのも少しおかしいけど、……ゲームに参加している以上は全力で楽しみなさい」


 母は俺のことも心配してくれている。それが俺を嬉しいようなおせっかいを受けているような不思議な気持ちにさせた。


 どちらにせよ、俺が母に返す言葉はたった一言だけ。


「当たり前だろ、母さん」

 やっと妹が登場しましたね。


 次回からアクエリア都市編です。

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