ギルドホームにて
とりあえず、これでメンバーが揃いました。
やっと、アストライアに戻れると……、といいのですが。
翌日、連休なので俺たち四人は全員で集まることができた。妹も、今日は練習が無いらしい。
「みんな集まったようだね。今日は私たちのギルド『AQUARIUM』の初めての任務です。内容は『少女を無事にアストライアまで送り届けること』。はりきっていきましょう!」
ギルドホームにて、エリがそう叫ぶ。ギルドマスターとしてみんなを引っ張っていこうとしているのだろう。確かにエリはこの中で一番レベルが高いらしいからな。
「とりあえず、ポジションの確認をしましょうか。前衛はセイとユウキ。後衛は私とシズク。後衛の人が交代で少女を守る。異論はある?」
「回復はどうするんだ?」
俺はエリにそう訊ねる。前回はヒナが回復薬を務めていたが、今回はいないのだ。エリは微妙に回復役にはなれないし、他には誰もいない気がするのだが。
「私のことを忘れていないか?」
その問いに答えたのは新メンバーであるシズクだった。
「私の職業は生存者というものでね。能力が全体的に低い代わりに、仲間を生存させる能力の高いポテンシャルを持てる有用な物だ。私は銃を使うが、回復弾を使うことができるようになるポテンシャルも持っている」
上手く運用すれば、後衛だがソロプレイもすることができる、とシズクは言う。
「じゃあ、なんでAQUARIUMに入ったんだ?」
「それは……、ソロプレイは費用が掛かるから、アドバンテージを得ることは難しい。……それに、エリに入ってと頼まれたからな……」
顔を逸らしながらそう言ったシズクだが、俺には一瞬彼女の顔が赤くなっているのが見えていた。妹はまじめで一直線だからなあ、シズクも妹のそんなところに惚れた人の中の一人だったか。
「はは……」
「何を笑っている」
微笑もうとしたらシズクに銃口を突き付けられた。撃たれてもダメージはないのだが流石に笑えない、冗談だとは分かっているが。
「回復も大丈夫ってことで話を進めるよ。少女の護衛は基本的にレベルの一番高い私が勤めるから、みんなは張り切って湧いた敵を倒してね」
「まかせてくれ」
ユウキがそう言って自分の胸を叩く。ユウキのプレイスタイルは強い代わりに弱点も多いからな、そこのフォローが俺の役目になるのではないか。
「わたしはー?」
「あなたは……、私と一緒にいてくれればいよ?」
「え~? おにーちゃんといっしょがいい」
「……ものすごく好かれているね。何があったのよ」
何も無いって。しいて言うのならば、ただ少女と一緒に遊ぼうとしただけだ。
「……はあ、まあいいわ。今日はもう行かないと次のログアウト出来るような場所までたどり着かないしね。それではみなさん、頑張っていこう!」
妹にはあきれられたが、それよりも今は依頼が優先だ。
俺たちは椅子から立ち上がりアクエリア都市の出入り口へと向かう。




