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AQUA・WORLD  作者: あすぎめむい
アクアリウム編
22/34

狩りの終わり

「おっべんとうっ! おっべんとうっ!」


 少女が楽しそうにスキップをしながら前を歩いている。


 順番としてはエリ=ヒナ、少女、ユウキ、そして俺である。


「あの子、本当に楽しそうだね」


「そうですね。見ているとこっちも楽しい気分になってきます」


 女の子二人組は意気投合していた。


 対して俺とユウキは荷物持ち+周囲の警戒を担っている。


 損な役回りではない。最前列の二人は少女の安全を守ろうとしているのだ。


「まあ、こういうのも悪くないな」


 さっきの戦闘はともかく、この雰囲気はまるでみんなでピクニックに来ているみたいだ。


「おにいちゃん、たのしい?」


 少女が俺の隣に来て、一緒に歩いていた。


「ああ、楽しいよ。ずっと続けばいいんだけどな……」


 そういうとなぜか少女は俯いてしまった。


「大丈夫か?」


 俺がそう聞くと少女は元の笑顔に戻る。


「だいじょうぶ。たのしいよ?」


 それでもどこか無理しているように見えた。俺たちと出会う前、何かあったのだろうか……?






「ここかな、セイー! ユウキー! ここまで持ってきてー!」


 周りを確認し、安全だと判断したのかエリがこちらに手を振っている。休むのにちょうどよい場所を見つけたみたいだ。


 俺達はエリのところまで行くと俺、エリ、ユウキ、ヒナでレジャーシート(ヒナのお手製、ちょっとした結界効果があるらしい)を広げる。


 ヒナはユウキからお弁当を受け取って、レジャーシートの上に広げる。おにぎりや玉子やウィンナーなどがおいしそうだ。……というか、そういうのってどうやって作るんだ?


「教えましょうか?」


 心を呼んだかのようにヒナが俺に聞いてきた。


「今度教えてくれないか?」


 こういうのはゲームでは失礼なことだとは思うが、思い切って甘えさせてもらう。


「喜んで!」


 一方、少女はもう食べ始めていた。


「おいしいか?」「おいしいですか?」


 あんまりにおいしそうに食べるものだから、つい、聞いてしまった。ヒナともハモってしまう。


「うん!」


 そう頷かれて、ヒナは嬉しそうだった。


「…………」


 ……………………。


「ど、どうしたんだ、エリ。なんで一言もしゃべらない?」


「……楽しい?」


 エリの顔はどこか暗い。……それどころか変なオーラすら感じている。


「お、おう」


「……ふぅん、良かったね」


 な、なぜ他人事、そしてさらにオーラ(のように見える何か)がどす黒くなった気がする。


「おねえちゃんはたのしくないの?」


 この空気に耐え切れず、少女がエリに上目遣いに聞いてくる。


「ものすっごく楽しい!」


 エリはいつの間にか笑顔に戻っていた。さっきのオーラみたいなものはどうした。


 そうやってひと時をみんなで過ごした。


 ちなみにこの時までユウキは一言も喋らずにおにぎりをほおばっていた……。






 後半の狩りは前半よりも楽なものとなった。


 後衛にいたエリが積極的に前線に上がるようになったからだ。


 どうやら、食休みのときに新しい技を『作った』|(これの説明はまたの機会)らしく、短いモーションで放てる、少し弱めの技でヒッポの体力を少しずつ削ってくれた。


 後方で反応系の技を仕込みつつ遠距離系の技で攻撃する。これがエリの基本戦術だった。


 終わったころには結構な数のヒッポを狩ることができたのだ。


「たのしかったね。またいっしょにあそぼっ!」


 少女のこの言葉が、エリにとある決意をさせたのだった。

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