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夏の隣 ~春惜しむ頃~  作者: 澳 加純 


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9/12

人はみな

人はみな行きつ戻りつ別れては

  見送るひとを残し旅立つ






 最近、なぜか、訃報が重なりました。



 身近な人ではないのですが、それでもある意味身近だった人。(なに、それ?)


 おひとり目は蘭姉ちゃんこと、毛利蘭の声を吹き替えていらした俳優の山崎和佳奈さん。

 いつも元気で健気な蘭姉ちゃんを演じていらして、間違いなくアニメ版毛利蘭のキャラクターを構成してきた声なんです。アニメ放送開始当時から蘭ちゃんの声を担当していらして、ファンにとって、蘭ちゃんといえばそれは山崎さんの声だったんですよね。

 すでに後任の方も決まっていらして、その方にバトンタッチされているのですが、やはりこの訃報は衝撃が走りました。もう叶わなくなってしまいましたが、山崎さんのお声で、新一君と蘭ちゃんの結婚式をさせてあげたかったと思っているファンも多いはず。



 わたし、工藤新一君程ではないにしても、シャーロック・ホームズ好きでして。小学5年生の頃、親に買ってもらった児童向け「シャーロック・ホームズの冒険」を読んでハマりまくりました。


 思えばわたしの「名探偵好き」は低学年の頃からで、リンドグレーンの「名探偵カッレくん」に始まっています。そう、わたしのリンドグレーンは「長靴下のピッピ」じゃなくって、「カッレくん」なのでした。何度も読み返し、その後「カッレくん」以外にも名探偵がいるということを知り、本屋さんで親に強請って買ってもらったのが「名探偵ホームズ」。


 児童向けの文学シリーズの一冊ですから、()()()()陰惨でないお話(しかも名作短編揃い)がチョイスされていたこともあり、すぐさまホームズのファンになりました。残念ながらその本はすでに手元にはないのですが、「赤毛連盟」と「唇のねじれた男」「まだらの紐」、さすが児童向け「ボヘミアの醜聞」(おかげでアイリーン・アドラーとの出会いは、中学生になってからだった!)の代わりに「6つのナポレオン像」といったラインナップだったと記憶しているのですが、なにせとぉぉぉおおい昔のことなので定かではありません。


 わたしが一番気に入ったのは「まだらの紐」。緊張感とスリリングな展開に、ページをめくる手が止まらないくらい夢中になりました。

 そして「冒険」から「事件簿」まで、このバディの活躍を読み進めていくことになったのです。わたしは児童向けに訳された一話完結の短編集から入ったのですが、()()な方に言わせると、ふたりの出会いが描かれた「緋色の研究」(シリーズ最初の長編)から読むのがベストなのだそうですよ。


 読むのが面倒臭いとおっしゃる方には、ドラマからという道もあります。何度も映像化されている作品ですが、やっぱり一番は、イギリスのグラナダテレビジョン制作のジェレミー・ブレット版!個人的にはジェレミーのホームズが、一番イメージドンピシャ!なのです。(※もちろん偏見まみれの個人の意見ですからね!)

 さらにワトスン先生も、わたしのイメージにぴったりだったのです。その初代ワトスン役のデビッド・バークさんがお亡くなりになったことをSNSで知りました。


 ワトスン先生の職業がお医者さんだというのはご存知の方も多いと思いますが、医者は医者でも軍医さんで、第二次アフガン戦争に従軍していて、マイワンドの戦いで負傷したという経歴の持ち主。

 負傷兵として帰国したのち、ロンドンのベーカー街B21でホームズとルームシェアを始めるのです。好奇心と勇気があって、陰ながらホームズをサポートする素晴らしい相棒。ホームズの奔放さに悩まされながらも友情と尊敬の念を忘れず、英国紳士で知的で、生き生きとしたワトスン先生が大好きだったのですが、第3シーズンから二代目のエドワード・ハードウィックさんに代わっているんですよね。


 よく名探偵の助手役はコメディリリーフ(それはそれで面白いのだけど)になりがちなのですが、このグラナダTVのシリーズでは、情報収集をしたりとかホームズを助ける良き相棒。そんなところも、原作のイメージに近くて好きだったのです。

 交代は残念でしたが、ハードウィックの穏やかな初老の紳士といったワトスン先生も好きでした。

 


 



 もうお一方、佐藤愛子先生。

 この方は身近なんて云ったら、畏れ多いのですが。

 大往生の102歳。


 1923年11月5日、作家・佐藤紅緑さんと女優・三笠万里子さんの次女として大阪府に生まれ、1969年の『戦いすんで日が暮れて』(講談社)で直木賞、2000年『血脈』(文藝春秋)で菊池寛賞を受賞するなど作家として活躍。90歳を過ぎて刊行した『九十歳。何がめでたい』(小学館)はベストセラーとなり、映画化されました。(wiki調べ)


  愛子先生の最後の著書となったのは、今年4月に刊行された『ぼけていく私』(文藝春秋) 。娘の杉山響子さん、お孫さんの桃子さんとの共著という形になっていますが、先生のそこはかとなくおかしさがともなう冷静な視線は健在!


 難しいんだよ「そこはかとない」ってのは。明確に「ここが面白い!」じゃダメなのよ。「理由ははっきりわからないんだけど、なんとなく雰囲気とか印象がそんななのよね」でないと。

 そのおかしさも「どうだっ!」っていうパンチの効いたギャグじゃなくて、興味深いとか、ワクワク・ぞくぞくするとか。


 う~ん、どう言い表しましょう?

 愉快とか通快とか爽快の「快!」でしょうか。


 ()()()辛口の文章が魅力的なエッセイにもファンが多い大先生でした。潔く豪胆で、パワフル。そしてタフ。面倒くさいおばあさんだと思う方もいらっしゃるかもしれませんが、シャキシャキとした切り口とテンポの良さ、溢れるユーモアと愛嬌、エッセイとはこうあるべき!というお手本みたいな、少なくともわたしはお手本と仰いできた来た方です。(出来の悪いまねっこで、申し訳無い限りなのですが)



来たるべきひとり静かに旅立つ日

  ありがとうの言葉残して



 いつの日か、来たるべき日には、わたしもこの世のすべてに「ありがとう」の言葉を残して旅立っていきたいものです。

 102歳はムリだとしても。


 そして、故人の皆様へのご冥福をお祈りします。

 

ご来訪、ありがとうございます。


今回はしんみりした回になってしまいましたが、まあ、たまには。


え?

わたしのお迎えの予定ですか。


今のところ通知は届いていないのですが、見落としているだけなのかも。自律神経の方が、相当ナーバスになっているようなので更新スピードは落ちると思います。ごめんなさい。

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夏の隣 ~春惜しむ頃~ /></a></div></body></html>
― 新着の感想 ―
しんみり… 私も元に戻った新一と蘭のカップル成立を見たかったのですごく共感です 子どもの頃、ホームズは読めてなくて明智小五郎のほうでした ホームズは犬のアニメで触れた感じで 従軍経験のあるワトスンさ…
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