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近々わたしウソつくかもだから先に謝っとくだと⁉︎それって嘘告じゃないよね⁉︎  作者: 猫の集会


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7/22

相談者

 健康マニアになりつつあるぼくたちに、お客さんがきた。


 どうやら、ぼくたちの後ろの席の人が、ぼくたちの話を少しだけ聞いていたっぽい。


 田口さんの左横からスゥーつと、か細い手が伸びてきた。


 トントン

「あの…二人に相談、いいかな?」

 と、申し訳なさそうに恐る恐る後ろの席の山野《やまの》さんという人が話しかけてきた。


「どうしたの?」

 気さくに返事を返す田口さん。



 ぼくも、どうしたの?ふうを装った。



「実は…憧れの先輩がいて…その先輩とお近づきになりたいなって…」


 …


 そういう山野さんの視線の先は、グラウンドにでて楽しそうに友達と遊んでいるあの、学年一のモテ先輩だった。


 え…


 もしかして山野さん…あの先輩が…あの先輩に憧れているっていうのか⁉︎


 あの先輩は…たぶん田口さんも…


 …


「えーっと…それでぼくたちは、どうしたらいい?」


 田口さんが山野さんの視線に気づく前に、山野さんの視線をこちらに戻さねば。



「で、で?どうすればいい?」


 慌てて、もう一度話しかけた。


 チャレンジ成功。

 こちらを向く山野さん。

 

「二人って…最近髪の毛ツヤがいいよね?後ろからみてて、全然前よりきれいなんだけど、ヘアケアにどんなもの塗っているのかな?って。」

「あぁ、ぼくは昔から同じやつ使ってるから、特に塗ってかわったとかないんだ」

「わたしもだよ?でも、大事なのは、水分かな」

「そうだね」

「えっ?水分だけ?」

「まぁ、飲む量と飲むものが大事なんだよ。」

「そうそう。あと、わたし最近頭洗いながらマッサージしてるよ。頭スッキリするし、頭皮もきれいにもなるし、顔もスッキリなんだよ。ぜひお試しあれ」

「へえー、お金かからないし最高じゃない」

「そうだね。それに、今日からでもできるからね!」

 そう言いながら、自分の髪をサワサワする田口さん。

 

「ありがとう、二人とも。おかげで、頑張ろうって元気でた。告白するときは、応援してね」


 ⁉︎


 こ、告白…


 だっ…大丈夫だろうか…。


 田口さんのアドバイスのおかげで、山野さんがきれいに進化して…


 トラブルにならんか?


 …


 どうか、好きな人が二人とも別々でありますように。


 そして、いま嘘告が大流行なので、嘘告と勘違いされませんように。

 

 あぁ、それにしてもあの先輩は、爆モテだな…

 

 ぼくもあんなにモテたら、人生楽しかったかもしれないのに。

 

 あれ?

 

 ぼくは、ふと思った。

 

 もしかして桜って…

 

 桜ってさ、このぼくに嘘告して練習してから、あの先輩に告白するとかじゃないよね⁉︎

 

 その可能性は、ゼロではない。

 

 どうしようと不安になった次の休み時間、ぼくはトイレに向かうため、ヨタヨタと歩いていた。

 

「どうしたー?酔っ払ってんのかー?」

 

 ⁉︎

 

 佐藤くん…

 

「いや、そうじゃないけどさ…あのさ、学年一モテる先輩って知ってる?」

「あー、知ってる。知りすぎてどうにかなりそうだよ」

「え?どうかしたの?」

「それがさ、この前教室にきて桜さんに話しかけたあと、田口さんにもちょっかいかけていやがったんだ」

 

 え…

 

「え、そう…なの?」

「そうだよ、みてなかったのか?女子たちは、おめめキラキラさせて、聞こえないはずの心の声が漏れ漏れだったよ。キャーかっこいいーってね」

 

 …

 

「ところで先輩は、なにしにきてたの?」

「さあな?よくわからんし、腹立たしいからトイレに立ったから、しらん。あぁ、そこで如月川《きさらぎがわ》くんにあったのか」


 如月川くんとは、ぼくの苗字だ。

 

 苗字が長いので、基本的にねぇとかおーいとか、したの名前で呼ばれたりする。

 

 たまにこうして呼ばれると、ああ…わざわざこんな長い苗字呼んでくださってありがとうと、心でお詫びする。

 

 それにしても…

 

 ぼくたちのクラスに、わざわざ来るってことは…なにか意味が…

 

 ⁉︎

 

 まさか、まさか…

 

 

 桜とあの先輩って付き合ってるんじゃ⁉︎

 

 ぼくに嘘告したあと、実はあの先輩と付き合ってるよーんって言うんじゃ⁉︎

 

 それとも…ぼくはフェイク?

 

 あの先輩と付き合っていたら、他の女子に恨みをかうから、だからぼくと付き合ってるフリして…ってこと⁉︎

 

 そう…いう…こと…?

 

 ぼくは、どうすれば…

 

 桜のために頑張って早寝早起き自分磨きしていたのに…

 

 桜に嘘告させないために頑張ってきたのに…

 

 どうしたらいいだろう…

 

 

 続く。



 

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