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近々わたしウソつくかもだから先に謝っとくだと⁉︎それって嘘告じゃないよね⁉︎  作者: 猫の集会


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12/22

呼吸

 土曜日、とくに予定がなかったので、ぼくは本屋さんへ向かった。


 買いたかった本を無事に購入して、さて帰ろうと思ったが、思わず隠れてしまった。


 だって…だって…


 桜が…


 桜があの爆モテ先輩と一緒に並んで歩いていたから。


 …


 どうして…


 どうして桜は、昨日…あんなウソをついたのだろう?


 田口さんちに行くなんて…ウソを…


 てか、やっぱりぼくは偽カレに認定されたのだろう。


 しかし…なぜ?


 あの先輩は、田口さんと付き合っているんじゃ?


 もしかして…


 二股⁉︎


 爆モテ男子は、二股しているんじゃ⁉︎


 てか…


 もしかして桜は、二股されているのを知っている?


 承知して交際してるとか⁉︎


 だから、わざと田口さんの名前を出したのか⁉︎


 これは、嘘告の前に軽くヒント与えましたよ?ってことか⁉︎


 心臓がバクバクとしている。


 これは、心臓が喜んでいるわけじゃない。


 驚いてバクバク大騒ぎしているんだ。


 ぼくも心臓もびっくりだ。





 ——



 休み明け、桜はいつも通りだった。


 なんなら、なぜか桜たちと田口さんが一緒にベランダにでて、手を広げて深呼吸をしているっぽかった。


 休み時間が終わり、席につく田口さん。


 えっと…


「さっき、ベランダで深呼吸してたの?」


 後ろから山野さんが質問していた。


「うん、そうだよ。あ、ところで二人は、深呼吸してる?」


 …


「「え…?」」

 ぼくと山野さんは、驚いた。


 だって、呼吸しなきゃ普通生きていられないでしょうにってね。


「そりゃ…ね?」

 ぼくがこたえると、山野さんもうなずいた。


 すると田口さんが、

「普通の呼吸じゃないよ?大きく呼吸すること」

 と、得意げな顔を向けてきた。


「あぁ、ぼく聞いたことある」

「でしょ?深く呼吸すると、脳までもがリラックスするの」

「へえ、わたし呼吸なんて今まで一度も気にしたことなかったなぁ」

「でしょ?あたりまえのことって、意外とみおとしがちなんだよね」

「ほんとだわー。勉強になるなぁ。田口さんは、ぼくよりもすごく美に詳しくなっているよね。すごいなぁ。」

「ほんとだよね、田口さんが女子から注目されるのがよくわかる」

「へへ」


 田口さんが照れ笑いをした。


 そんな田口さんを、ニマニマして佐藤くんがみていた。



 佐藤くん…


 ぼくは、そんな佐藤くんをみて、ちょっとだけ胸が痛くなった。


 だって…


 もしかしたら田口さんには、彼氏がいるかもしれないのだから。


 …


 恋というものは、思い通りになかなかならないもんなんだな。


 …


 そもそも、田口さんと先輩…桜と先輩だって、よくわからない関係だし。


 田口さんに、なんとなく聞ければなぁ…


 軽いノリで、あの先輩と付き合ってるの?桜もあの先輩と付き合ってるみたいだよね?みたいにさ、サラッとさ…


 …


 無理に決まってる。


 そんなの…


 無理じゃん。


 学校という名の出会いの場。


 これは、大人になってもみんなの心に残る。


 心の思い出のアルバムは、みんなそれぞれ違う。


 ぼくは、みんなのアルバムにヤバいやつとして残りたくないな。


 でも、どう残そうとその人の勝手だ。


 ぼくのアルバムのほとんどを占領している桜は…



 ふと、桜をみると友達と楽しそうに笑っていた。


 とりあえず、今はなんだかよくわからないけど、それはそれでいいよね。


 ぼくは、そっと心のアルバムを心にしまった。


 データ保存中——



 …


「どうしたの?ゆうたん?」


 ⁉︎


「えっ⁉︎あぁ。ううん、とくには…」

「そう?」

「うん…」


 …


「え、てか田口さんってゆうたんって呼んでるんだ?」

「うん、そうだよ!ゆうたんにも許可もらってるから大丈夫。ねーっ」


 …


「あー…まぁ。」

「ふーん。てか、田口さんって彼氏いるの?」



 ⁉︎


 な、なんて質問をっ‼︎


 田口さんは、チラッと桜の方をみた。


 ぼくたちと、桜の席は、まあまあ近い。



 …


 今のって…桜に聞かれた…?


 だって桜…


 こっちみてるよ?


 田口さんは、なんてこたえる気?


 …


「それよりさぁ」


 ぼくが話をかえようとすると田口さんが、


「それは、秘密〜。」

 ってイタズラに笑った。


「そっかー」

 と、山野さんは残念そうな顔をした。


 桜は、前を向いた。



 続く。


 

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