プロローグその14
これまでは通路のような洞窟しかありませんでしたが、そこは大きな広間になっていました。
しかもそこに新たな相手がいます。
これまでよりもさらに一回り大きな豚人です。
そして両手にそれぞれ大きな斧を持っています。あの大きさを片手で振り回せるなら、力もかなり強いことでしょう。とりあえず大豚人と呼ぶことにします。
大豚人は何者かが広間に入ってきたことに気づいたようで、辺りを見回していましたが、気配を消していたわたしの存在にはまだ気づいていません。
そこでわたしは気づかれないよう壁伝いにゆっくりと先に進むことにします。
なにしろ今までの敵が小物に思えるほどの体格を持っているだけでなく、気配も非常に強いものを感じます。あれは明らかに何かを使ってきます。
今のわたしでは、ほぼ勝ち目はないでしょう。
本当なら逃げるべきなのでしょうが、もしこの大豚人が門番のような立場なら、この先に出口があるかもしれません。
できればこの広間の反対側に出入り口がないかだけでも確認しておきたいところです。
しかしやはりそう簡単にはいきません。半分ほど進んだところでついに大豚人に見つかってしまいました。
これまでは喉への噛み付きで倒してきましたが、大豚人は首周りが太く、わたしがそこに噛みついても致命傷を与えられそうにありません。
ここはあきらめて撤退すべきでしょう。身を翻して入口へ向かいます。
おや、入り口はこの辺りにあったはずなのに。
しばらく壁伝いに走りましたが、明らかに来た距離よりも長く走っています。
これは失敗しました。どうやらこの部屋に閉じ込められてしまったようです。
おそらくは大豚人と戦わないことには出られないのでしょう。
わたしは覚悟を決め、大豚人と向き合うことにします。
勝ち目があるとは思えませんが、何の因果かせっかく生き続けているのですから、そう簡単に死ぬ気もありません。
不利ではありますが長期戦を覚悟して、相手の攻撃を避けながら少しずつ体力を削っていくしかないでしょう。




