表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
95/100

第95話・バレエレッスンのつきそい

 毎週娘のバレエレッスンのつきそいをしているものの、見るだけでは段々と飽きてくる。いかに私がバレエ好きでも最初から最後までびっちりレッスンを見つめるというのは…。

 それで最近はレッスン場のすみっこに座っていて娘の踊りを見ているようでもぼけーと考え事をしたり、時には階下のソファで仕事を持ちこんだりも。


 そういう私のような親が多い中、熱心なママさんはとても「熱心」です。熱心というのは、「心が熱い…」。そう、一生懸命なんです。偉いというかなんというか…。

 そういう人は最初から最後まで娘の踊りを見て、そしてメモ用紙を片手に先生のお言葉やアドバイスを書きとめる。それを持って帰って家でも娘にバレエレッスンの復習とかさせるんだろうなあ、きっと。


 一方踊っている本人、娘ですね。彼女は先生よりもママの動向、表情が気になるらしい。

 せっかくのソロレッスンでも1曲踊りきると先生が何か言うよりも早く娘はすみっこのママの顔を心配そうに見るのだ。

 あちゃー、家でも相当絞られてるんだな、娘よりも親の方が熱心なところってはたで見る限り、ちょっとかわいそうかなとも思う。

 だって先生よりもママが熱心だと、(やはり多少はバレエの心得があるというか、若いときとか独身の時バレエが相当できる人だったのだろう)娘が踊るそばでさりげなくアームスをあげてもう片手で指差しをする。つまり踊っている娘に対して指サインで、「そこ、違う」とか言ってるのだ。

 すごいなー、先生も遠慮してるのか、そのママさんには何も言わないし。

 果たしてそういうのは長じて吉とでるか凶とでるか、それは神のみぞ知る…。


 超現実的な話になるが、娘に対していずれはバレリーナになってね、という期待をかけるママさんはやっぱり経済的な余裕がありそう、それと娘にかまける? というかその時間に余裕が感じられる。

 だってバレエレッスンの行きつく先はやっぱりバレコン。入賞しなくっちゃあ、なんだろうね。

 コンクールはいろいろお金かかる、ビデオ予選にも腕がよいカメラマンさんをさがして依頼すると何10万円もお金が出て行くとか聞いた…。

 我が家ではそれはしないだろう、経済的余裕がないのも理由だが、チビはそこまで熱心じゃない。幼稚園のお遊戯の延長な感じでほんと楽しそうに踊ってますので、とりあえずはそれでいいか、と思っています。軸足も手も何もかもへろへろですけどね。


」」」」」」」」」」」」」」」」」」」」」」」」」」」」」」」」」」」」」」


 また話を飛ばします。

 バレエの先生の子供がバレエレッスンを受けるとなると先生の側でもメンツというものが発生? するらしく、自分の子供には異様に厳しくするとか。

 それで思いだしましたが過去我が子にバレエを踊らせているが、肥るといけないのでとても厳しい食事制限をさせた先生もいらした。

 その先生の子は男の子でバレエは嫌いではなかったが、ママがごはんを食べさせてくれないんだ、と他の親に訴えたせいでコトが明るみに出てしまった。訴えられた親はおにぎりをそっと持ってきて食べさせてやったとか。近所の人でごはん食べさせてもらえなくてかわいそうにと、食べさせてくれるところ? があって夜に家をそっと出て食べさせてもらいに行ったとか。うそのようなほんとの話。もう時効だと思うので書きましたけど。


 子供にひもじい思いをさせてまで? バレエ体型になるように心を配る親、果たしてこれは虐待かそれとも愛情か、それは子供が決めることではあるが。子供が長じてバレエソリストとなり、第一線で踊りぬいてほしい、バレエで踊って生きていけるようになってほしい…、だけどその道は厳しい。その厳しさを知りぬいた親ならではの話かもしれないとも思うが。


 だが私にはできない。私自身親はバレエが好きだったが、バレエのためにこうしなさいとか言われたことがない。というかへたすぎて、親からも先生からも全く期待をかけられていなかったので、楽しくのびのびと踊れた。

 ただし親から発表会の時にお金がかかるわりには出番が少ない、出たかと思えばすぐに終わっちゃう、しかもすみっこだしと言われたことはあった。その時にはじめてこの発表会っていくらかかったの? と親に聞いたら◎◎万円。妹も一緒に出たので◎◎×2倍円。中1の頃だったかな、ヘタで親に申し訳ないと思った初めではあったな…。情けない思い出ですね。

 バレエの才能皆無のせいでその分ほったらかしではあったが、踊りの楽しさを味わえたという点では感謝すべきかもしれない。(上手なコは本部とか行かされて先生が厳しいとか本部の他の生徒の言動で悩んだりしていた。)本部とか支部とかほんとややこしいというか何と言うか。親同士のつきあいもいろいろとあるそうで、ただでさえ、バレエは趣味の延長! のはずなのに、悩み事の1つにはしたくないなあというのが本音です。



 バレエレッスン1つでもこのように思いは飛びます。私は娘にはバレエは上手にはならなくてもいいけど、踊る楽しさだけは覚えてほしいなと思います…。コンクール? うちにはそんなお金はない…。だからそこまで上手にならなくてもいいや…。(あ、ホンネ書いちゃった。まあ、ものすごい才能の芽が出てきたらその時はその時で考えましょう! )



評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ