第96話・プロ志望
プロ志望のレッスン生徒は本当にまじめにやってます。下は10歳、上は18歳ぐらいまで。自我が芽生えてもっと上手になりたい、踊りたい! という欲望が大きくなるとレッスンに真剣に臨みます。いやー、私の小さいころとえらい違い、レッスンの帰りにおいしいパンやさんによってパンを買い食いするのが楽しみであった私…。そりゃ上手になれないよ…。
こういう真剣にプロバレリーナになりたい少女たちが私の身近に行っている教室にも数人いるし、全国でこういう真面目で青春全部バレエにささげているコって何人いるやら。
真剣にそして基礎の基礎からして正確に踊る子には「神」宿る。そう「神性」というものを感じることがあります。私が貧相だけど小さな霊感をもっているせいかもしれないけど、無私で踊る子には人間でなく精霊? のような品格さえも感じられます。
そういう踊りに長けた小さな少女、日本だけではなくどこの国でも踊りの上手な小さな子供に神の片りん、神の恵みを感じる人はいるのでしょう。そういう人たちが彼女たちの神性を見抜いて神の御前で踊らせたり、祭りに神殿で踊らせたり…。古来から人間はそういうことをしてきたんだ。とりとめのない根拠ない話で申し訳ないですが、そういうことを感覚で感じることがあります。
普段のレッスンでも興がノルというかそう言うときに無私で踊っている少女たち。神々しいなあ、まぶしいなあって見つめることもあります。口でいうと確実に変人扱いされるので決して言わないけれど…。
(そういう少女たちでも踊りをやめて素の自分に戻るとほんとふつーの女の子ですけどね。イチゴの新発売のお菓子の話を熱心にしていたり、かわいいですね。)
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さてもう少し年長のプロのバレリーナ志望の子達も見ています。子供たちののびしろってほんとすごいです。夏前には確かまだコレできてなかったよな、とか。確か去年の今頃はまだポワント履きたててすべってこけていたよなって覚えているのに、いつのまにかこんな高度なテクニックをつけたんだろっとある日仰天するんだよな。
こういう子はレッスンには絶対に無駄口たたかない、隣の子とも私語しない。ほんとまじめーに先生の話を聞いている。
そしてある日、ある賞をゲットしたという知らせ。わー、よくがんばったなー、おめでとう! ですよ。皆に認められて賞状をもらえる体験をした子は励みになるのかもっともっとレッスンに励む。そしてもっと上達する。そのサイクルでもっともっと上手になるのだ。
踊っているうちに美しいオーラがでるようになったコはほんと踊ってないときは小柄に見えるのに、踊っていると身体が大きく見えてくる。というか観ているこっちの視界を釘付けにできるようになるのだろうな。
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ある子がいて、入賞した。…けど天狗になっちゃった、そういう人は過去の栄光をひきづるゆがんだ性格のバレリーナになっちゃう…。入賞したらしたでまわりの大人の対応の仕方でその子のバレエ人生も左右されるから特にバレエの先生は責任重大だなって思う。
入賞第一で他のできない生徒への配慮皆無の先生も残念ながらいらして、こういうのは生徒が離れていく。つまり言われてすぐできる生徒とできない生徒の二極分解がおきてしまう。
その先生の望みは一体なんだろう?
名のあるソリストの輩出?
有名ダンサーの指導者として名前をあげたいの?
さてどっちなんだろう、私はハナから相手にされないので、私の思うことなんか歯牙にもかけないだろうけど、一生バレエレッスン界でしぶとく生き残ることを決めた不肖七篠はじっとその移り変わりを見つめていくつもりでっす…。




