⑧
一人の女性として?
なにかとてつもないことが聞こえた気がする。
まさか、こいつ……。大伴の頭に嫌な予感が。
「じ、冗談だよな?」
「いいえ、真剣です。愛してると言ってもいいです」
嫌な予想が的中してしまった!つまり、だ。この目の前にいる大人しそうな女子は……
「椿樹、可愛いでしょう。頭も良くて。運動ができないって弱点も……可愛いです」
真性の同性愛者だったことだ!!
なるほど全部納得した。大伴は速水の突っ掛かり方は仲の良い友達を心配するには行き過ぎだと思ってはいたが。今なら理由も簡単に判る。大伴を峯扇に近付けさせないようにしていた訳だ。
「友達じゃありません!!私はッ!!」
いつか聞いた速水の言葉。あれの続きはてっきり「親友です」だと思っていたが、答えは「椿樹が好きだから」だったわけだ。
しかし腑に落ちないところがひとつ……。
「な、なんで俺にそれを言うんだ」
あの時、言いあぐねたって事は速水は自分がアブノーマルだって分かってる筈。じゃあなんで今になって……
「椿樹、男の人に人気ありますよね」
速水はにっこりと笑う。ちなみに超コワイ
「それなのに、椿樹はそれを知らない。告白してくる人は一人もいない。おかしいと思いません?」
片手をスカートのポケットに突っ込んで何かを取り出そうとする。ジャラ、と金属の音が速水の方から鳴る。
(な、なにか嫌な予感が……)
「私がいたから、ですよ」
ジャラ、と音と共に速水が取り出したのは手錠。
「私は秘密を言いました。さぁ、せんぱいも恥ずかしい姿を見せてもらいますよ?」




