編入生
「時期外れですが編入生が入る事になりました。彼女は」
「ルーイン・フォルンですわ」
茶髪のサラサラのロングヘアーに青い目をした少女が入ってきた。
「この国の男爵令嬢が貴賓クラスに?」
ガルムが眉を顰める。
王侯貴族が集うクラスに場違いな者が入ってきてクラス中が不信がる。
「この度は特別に編入が許されました。皆さん仲良くするように・・・では」
何時もクールなレティシア先生は颯爽と教室を出て行く。
「バーン王太子様、ご機嫌麗しゅう」
このクラスで一番の地位が高い相手から挨拶をしていく。
「フォルン男爵の所のか、誰が一番偉いのかよく分かっているじゃないか。何処かの田舎者と違ってな」
チラッと俺を見るバーン。
「ヘルン様、ロン様、アルマン様もご機嫌麗しゅう」
バーンの周囲に居る者にもニコリと笑って挨拶をしていく。
ヘルンは宰相の子息、ロンは魔法大臣の子息、アルマンは騎士団長の子息だそうだ。
バーンの周辺もアキラが調べ上げてくれた。
2年生でありながら生徒会役員をしている4人に学院の先生方は一目置いているとか。
「男爵令嬢がどうして此処に入ったんだ?」
誰しもが気にする部分を普通に聞いてくれた。
「私、光属性の適性がありますの」
「ほぅ。つまり聖女候補なのだな」
「いえ、聖女になりますわ」
つまり候補なんだな。
なったんじゃなくて、なるのであれば現在は聖女ではないという事に気づいてないのか?
光属性の適性を持つ人間は少なく、持つ者は聖王国では聖女や聖職者として職を与えられる風習が残っている。
だが・・・俺の目には光というより闇属性だな。
ルーインの体から闇属性の魔力が漏れている。
それに徐々に包まれている事が分からない王太子達。
「アナタ! 何をしているの!!?」
その様子を伺っていた一人が立ち上がって声を荒げた。
普段大人しいシズカが珍しく声を荒げている。
その声に闇の魔力が引っ込む。
「見えてるな」
「アリア様?」
「いえ、なんでもありませんわ」
流石、異世界からの召喚者だけあってルーインの魔力が見えているようだ。
このクラスで勇者として認識されており、無詠唱魔法使いとして有名な少女だ。
「シズカ嬢、声を荒げてどうしたというのだ」
「あ、ごめんなさい。王太子様」
シズカはハッと我に返り頭を下げる。
ルーインはそれ以外へのクラスメイトには挨拶をせずに指示された席へと座る。
時間が流れて昼休みになる。
「シズカ様といいましたわね。少し宜しいかしら?」
今まで一度も会話していなかった筈のシズカにルーインが話しかけた。
「何か?」
「ここではちょっと」
意味ありげに言いかたにシズカは席を立つ。
2人が教室を出て行く。




