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9008M列車 良き場所だ

浜松、豊橋、名古屋。新幹線に乗れるタイミングならたくさんあった。それでも頑なに新幹線に乗らず、僕について来たお母さんの精神力は完全に燃やし尽くされていた。

(だから後戻りするなら今のうちって言ったのに。)

そうは思ったけど、岐阜まで来たらあと一息だ。主要駅は大垣と米原しか残ってないし、米原からはJR西日本ご自慢の新快速がぶっとばしてくれる。

「ママ。疲れた。」

「・・・そりゃあね・・・。」

でしょうねぇ。この時期なら在来線乗り継げばと考えるのは僕ぐらいなものだと思うからな。よく耐えたと思うよ。ある人が電車に乗ることは戦争だって言ってたけど、それはその通りだ。長時間の行軍に体力が必要なのは分かりきっていることだろ。

米原で新快速に乗ったらよほど安心したのか、すぐに眠ってしまっていた。一方、こっちは結構進んだ。横浜を出る前に残っていた宿題は全部終わらせることができた。まぁ、字が汚いことだけはちょっと大目に見てほしいもんだけど。

「守山、守山です。降り口は左側です。守山を出ますと次は草津に止まります。」

「ママ。」

「・・・えっ。」

「着いたよ。」

起こして、新快速から降りる。死んだ目になってる・・・。

「真ちゃん、元気ね。」

「たまに寝たりしてたからね。」

「・・・ところで、ちゃんと勉強は進んだのかしら。」

「バッチリ。宿題全部終わったよ。」

そう自慢してやった。

「あら、凄いわねぇ。」

「また電車のって勉強するからね。」

もう御免だ。こういう集中できる環境は最低140円で手に入ることも知ってしまったからな。あっ。でも、テスト5回プラス記録更新しないとこれもないのか。

(絶対成功させてやる。)

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